『フランスの子どもの育ちと家族』から学んだこと
本を紹介する連載はじめます
最初の1冊目は、実は決めていました。
それくらい、私が皆さんに進めたい1冊になります。
私は現在、福岡を拠点に、地域福祉の現場で活動するフリーランスのソーシャルワーカーとして、子どもや若者、そしてその家族を支援するため、地域コミュニティにおいて、福祉活動を行っています。
日々、家庭や学校、地域のつながりが弱くなり、
「助けを必要としているのに、支援にたどりつけない人」に出会います。
困っているサインが出ていても、制度につながる前に孤立してしまうケースもあります。
そんな中で最近、出会ったのが、
『フランスの子どもの育ちと家族』(安發明子 著) という本でした。
読み進めるうちに、胸の奥が熱くなるような感覚がありました。
どのような境遇に生まれても、国は育ちを保障する。
この言葉は、ただの政策スローガンではなく、
社会全体の価値観として根づいているということを知りました。
『フランスの子どもの育ちと家族』安發 明子(著)
フランスの子ども・家庭支援の話だけでなく、「子どもの育ちを社会でどう保障するか」という根本的な問いが詰まった本です。
現場で働く方、子どもの権利に関心がある方、地域福祉に関わる方には特におすすめです。
🌱 フランスの福祉システムのすごさは「切れ目のなさ」だった
本の中では、妊娠期から若者の自立まで、
ライフステージごとに必要な支援が手渡されるしくみが紹介されています。
以下は、私が理解した要点を整理したものです。
① 妊娠前〜出産
妊婦検診から出産まですべて無料
出産後48時間以内に助産師が家庭訪問
心理面・暴力リスク・孤立を含めた多面的支援
生まれた瞬間から、社会全体で迎え入れる姿勢を感じました。
② 乳幼児期(0〜3歳)
小児科医・心理士・保健師などの多職種チームが地域を巡回
家庭支援拠点(LAEP)が全国1500箇所
保育利用は「権利」扱い。選別や優先順位は存在しない
「親が助けを求める」前に、「支援が向こうから来る」文化。
③ 義務教育期(3〜16歳)
心理学習面を含めた包括的支援
学校にソーシャルワーカーが常駐
学用品や習い事、旅行への費用支援も充実
学校が「支援の入口」になっていることが大きな違い。
④ 若者支援(16〜26歳)
返済不要の奨学金
就労支援と住居支援
路上エデュケーターによる孤立予防
「若者が自立していく過程を社会が伴走する」姿勢が徹底している
🔍 私の中で最も強く残った言葉
本の中にあったフレーズです。
使いやすい制度 よりも
人が届け、生かす制度。
日本では、制度が整っていても
「申請しないと利用できない」「制度を知らないと損をする」
という構造の中で、困っている人ほど取り残されてしまいます。
私は地域でたくさんの家族に関わる中で、
“制度の前に人がいる”という考え方 が
どれだけ大事かを痛感しています。
✨ 現場の肌感として感じたこと
フランスの福祉は完璧ではないと思います。
それでも、
失敗してもやり直せる
背景が違っても子どもが平等に扱われる
孤立を防ぐ仕組みがある
この3つは、私たちが学ぶべき点だと強く感じました。
特に、
「助けて」と言えるのは、安心できる居場所があってこそ
地域で支援者として活動する私にとって、
これはとても大きな気づきでした。
🌈 まとめ
子どもや若者は、家庭の状況で未来を制限されてはならない
支援は待つのではなく、迎えに行くもの
「生まれてよかった」と思える社会は、地域の力から始まる
私が目指す社会は、
誰も一人にしない社会。
そして、その一歩は、
目の前の一人に丁寧に関わることから始まる。
フランスの取り組みを知った今、
日本でも地域からできることを積み上げていきたいと
強く思っています。
