クッキー缶鑑賞 #5
きょう観察してみるのは、青山デカーボの「ぬいぐるみ缶 - TEDDY TIN」。


内訳は、
・グルテンフリー&プラントベース
・ダージリンティークッキー6個入
・ミニチュアの人形1匹(ウサギかクマ)
となっている。
こちらのモチーフとなったぬいぐるみは、イギリス、ワイト島のアーティストHolly Kirbyさんの作品『woodlanders』。
開いてみる。
なんと思いがけず、中からフロッキーのフィギュアが出てくるのだ。
こんなに小さなうさぎさん、見たことがない。


青山デカーボというブランドを特徴づけるのは、なんといってもこの大きさ。
まるっきり手のひらに収まるサイズだ。
こちらは正方形をしており、角もやわらかい。
ハスキーとダックスフントがデニムのポケットから顔を出す演出が、ニクい。
2匹とも、というか
側面にもあひるやきつねが顔を出していて、どの子もぬいぐるみを抱えている。


小さいものを「たからもの」にしたくなる心理って、共通して
あるのだろうか。
デニム生地のような印刷に、
ブラウンのベルトが締められている。
缶を主とする商品である筈なのに、その中で
デニム × 革といった異素材をミックスさせる感性に驚かされる。
つや消しの質感は体温を吸い込んでくれて、
ステッチを引き立たせる。
おもしろいのが、デニムに打ち込まれているあの、金属のパーツ。「リベット」というらしい。
リベットがちゃんと飛び出ていたり、光沢が出ていたりするのだ。
ほんとうにデニム素材に触れているようで、
不思議な感覚になる。
何となく、お弁当箱をしめておくためのバンドを思い出した。
デザイナーさんとしては
ボストンバッグとか、キャリーケースの類をイメージしているのかもしれないけれど。
心のどこかで、旅先でかばんを荷解きするような、
うわずった気持ちが発生していることに気付く。
わたしは、うさぎさんを相棒に、知らない土地へ旅に来ているのかもしれない。
旅行かばんの、膨張した重み。
他のなににも代え難いノスタルジーがあると思う。

この小ささ、
"わたしだけのもの"にできるような支配感…
文字通り「掌握」できてしまうようなスケール感に愛着を覚えるのだろう。
本当にポケットに収まってしまうくらいのサイズなんだけれども、
無造作には扱いたくなくて、
お家の一部にしてしまいたい。
グルテンフリーのクッキーが、包装された状態で中に詰められている。
こちらもアフターユースへの考慮に余念がない。
このパッケージの品質。アクセサリーや楽しげなおもちゃみたいで、潜在的に知育菓子を連想してしまっていた。
だからクッキーはノベルティくらいのもの?と思いきや、
クオリティも決して低くない。
プラントベースや低糖質に拘り、おやつの時間をギルトフリーにしてくれる。
ささやかな幸せを与えてくれるような、そんな一貫性を持たせる商品設計に舌を巻いた。
そして青山デカーボの缶は、どれも内側に趣向を凝らしている。蓋の裏側にも、食品表示ラベルをはがした底にさえも。
そこかしこに、コンセプトが放出されている。
つまり、世界観をまるごと預けてくれるのだ。


食べ終わったあとの余韻に、くまさんが寄り添ってくれる。
そしてまたそののち、"わたしだけのたからもの"と一緒に
缶の中での時間を過ごしてくれる。
いつか再び缶を開ける日を、待ってくれている。

