見出し画像

クッキー缶鑑賞 #1

クッキー缶がたまっている。
一つひとつじっくり見るということをしてこなかったし、空き缶を鑑賞してみたいと思う。

ケイタマルヤマ「詰め合わせクッキー缶(Oriental Flower)」

ケイタマルヤマの「詰め合わせクッキー缶(Oriental Flower)」

ファッションデザイナー丸山敬太氏手がけるブランドより。

大切な人に“おいしい時間”を贈る
というコンセプトのもと、OMOTASE PROJECT が発足したそう。

缶の蓋、身の側面には、ブランドの象徴である花鳥の総柄があしらわれている。



サンセリフ体のロゴは、ピンクゴールドでやわらかい印象。
塗装のないエンボス加工が施されており、ひかえめなメッセージが読み取れる。「ハレの日に、しあわせな焼き菓子を。」

彩度の低いロゴとは裏腹に、
蓋のふちを見てみると、つや消しのゴールドになっている。
実は缶の内側は黄土色を帯びた金になっていて、その端っこが、輪郭のように見え隠れする。

それに加えて、蓋の段が額縁のように、三次元の境界をつくる。なんともラグジュアリーである。

表面は、すべすべとした触り心地。
ややくすんだ浅葱色と相性がよく、落ち着いたイメージを具現化している。

巻物の場面が散りばめられているようで、こんなにもモダンな印象にまとまってしまうのか、と感服する。


レガルドチヒロ「ビジュー・ド・ビスキュイ プティ・プルミエ」

カフェタナカ「ビジュー・ド・ビスキュイ プティ・プルミエ」

名古屋創業の「カフェタナカ」から、シェフパティシエ田中千尋氏こだわりの品々。
RÉGAL(美味しいご馳走)という名のクッキーは、まさしくごほうびに相応しい。

こちらも全面がマットなパステル調の色で仕上げられている。パープルと、洋書の表紙のようにも見えるアスペクト比・サイズに惹かれ、こちらを購入。
角が丸みを帯び、上品ながらも親しみのあるフォルムである。

やはり、ロゴが印象的だ。
"うろこ"の目立つ、言うなればロココな字体である。淡い背景によく映える。
金がグリーンに反射し、見る角度によって表情を変える。

パールを思わせるアイボリーのリボンにも、ブランドの文言が綴られている。親指の腹くらい太い巾をしたリボンは短くカットされ、キュートな結び目をつくっている。
そしてロゴと同じイエローゴールドのベゼル。やわらかいレリーフがエレガントに縁取っている。

リボンと柄とのあしらいが、色調と様式に一貫性を持たせる。
両手で包みこんで、「自分が持っていることを実感したくなる」デザインだと思った。


デザインの機微

どちらも、パステルカラーに人の名前、という大胆な構成。
しかし、シンプルだからこそ、詰められたクッキーの中にストーリーが味わえる。


裏側を見てみると、缶の底面の隅、カールまでカラーリングされているのが嬉しい。細部までくまなく彩色されていることで、金属の風合いとはまた違った温度感が生まれているような気がする。

印象のニュアンスこそ違えど両者、ブランディングにおけるペルソナの解像度が高い!

淡い色合いのなかに高級感が宿っている。そんな組み合わせに、気持ちが昂る。わたしたちに、いつの日も非日常感をもたらしてくれる缶なのだと思う。




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集