唐鎌さんの寄稿レポート(5/19)『26年Q1の国際収支総括と今後の展望』
1.はじめに
唐鎌さんの寄稿です。円金利の上昇、為替介入の中でも円安基調の根強さで、市場環境は複雑化していますが、こういう時だからこそ、唐鎌さんの論考が助かります。今回は「26年Q1の国際収支総括と今後の展望」がテーマです。需給環境をしっかり確認しておきましょう!
唐鎌さんの冷静な分析は、非常に参考になります。唐鎌さんは、本当にリスペクトできるエコノミストです。
唐鎌大輔(みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト)
慶大経卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会などを経て現職。著書に『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』、『「強い円」はどこへ行ったのか』、『ECB 欧州中央銀行: 組織、戦略から銀行監督まで』。所属学会:日本EU学会。
※コメントは個人的見解であり所属組織とは無関係です
2.唐鎌さんの寄稿レポート
村松さんのメンバーにご参加の皆様、こんにちは。円金利上昇が話題になり、円安も戻ってきてしまっている中、情勢が混沌として参りました。こうした時はまず、需給環境を整理し、big pictureを見る姿勢を大事にしたいと思います。というわけで、今回は26年Q1の国際収支総括と今後の展望を解説させて頂ければと思います。
25年度の数字は無意味
先週13日、財務省より本邦3月分の国際収支統計が公表されていますので、まずは年度統計の所感を踏まえつつ、1~3月期の整理を中心に議論してみたいと思います:
報道では2025年度分の数字が出揃ったことにより経常収支黒字が+34兆5218億円と3年連続で過去最大を更新したこと、とりわけこれを支えている第一次所得収支黒字が+42兆2809億円と5年連続で過去最大を更新したこと、さらに年度ベースで見れば貿易収支が+1兆3631億円と5年ぶりの黒字に転じたことなどが好意的に報じられました:
しかし、世界経済を取り巻く環境は3月以降に一変しているわけですから、年度の数字から得られるインサイトはあまりなく、全く違った前提を元に展望を作っていく必要があると思います。
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