七滝八壺と魚止の瀧
【過去の記録◆2022年5月16日①】
「奈良の夏は5月から10月までの半年間」と何十年も言っていたのですが、社会が変わり、人間の生活が大きく変わったためか、一昨年も昨年も5月に熱帯夜がありませんでした。
この先、「奈良の冬も半年間」になることがあれば、瀧に近づける期間はごく短くなるので、そして、機能全廃になっているはずの両脚に何年の猶予が与えられたのか分からないので、また大和の地を巡りました。
杖をつく手にカメラのストラップを掛けると撮りづらいため、今回は、「ネックストラップ」を買ってカメラを首に掛けました。
「障害が進行して踊れなくなったら、絵を描く」と言い続けてきたけれど、まさか写真を撮るようになるとは、自分でも予想はできませんでした。
(何十年も家族の写真さえ撮らなかったのに。)
目の高さでカメラを構えられるようになったのも、
「COGY(足こぎ車いす)」のおかげです。
脚を動かすことで増えるのは脚の力だけではありませんから。
森の中が暗くてシャッターが下りない間も、そのままの姿勢で待てるようになりました。

『夢淵(ゆめぶち)』から四郷川を遡って、その先の大又川を少し遡ると、県道から『七滝八壺(ななたきやつぼ)』が見えます。
【大又川にそそぐ7つの滝の総称。実際には七滝七壺ですが七転び八起きになぞらえて七滝八壺という名が付きました】とのこと。
手前で大又川に流れ込んでいます。

滝壺の水しぶきも、こちらへ泳いでくる白龍のように視えます。

横から見ると、昇龍の大きな頭部のよう。

二本杖があると、脚の数が鹿と同じになって、道とは言えないような道も辿れます。

登っていくときには見えませんでした。 道からは見えない所で、ここは2段になっているらしいです。

樹に囲まれて暗いため、シャッターが毎回なかなか下りませんでした。


写真だと恐竜の子どものように可愛いので、迫力がわかるよう次に動画も載せます。
気温が低いため、瀧を眺めて立ち去れないでいるうち、両手が氷のようになりました。

帰ろうとしたら、反対側にあった『魚止の瀧』という案内板が気になったので、大又川を数分だけ遡りました。
県道から山奥へ何十分も歩かなくては行けない瀧なのかを確かめるため。
県道とはいえ対向車とすれ違えない幅ですから、駐車はしておけません。それで、川にかかる鉄橋へ駆け下りました。
見回すと、遠くに瀧が見えたのです。おもいがけない大きさでした。
写真を撮る時間がないため、急いで動画を撮りました。

曇っていたのに、ここに居た数秒だけ陽が射していたのでした。
引き返すと七瀧八壺の前が通れなくなっていました。道の中央に置かれた看板を反対側から見ると「通行止め」と書かれていて。
「数分遅かったら魚止の瀧には行けなかった……。知らない瀧の神さまが『逢いにおいで』と道を開いてくださったのかも」と感じました。
[9月23日に追記]
この日も、長い動画は同行者に頼んで撮ってもらっています。
それでも、数秒の動画を自分で撮れるようになったのは、進行性の障害の「逆行」でした。
『七瀧八壺』で、引き返すとき撮った写真には「見えなかった二段の瀧」が映っていると気づきました。落下した枝で見づらいけれど載せておきます。

