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モーツァルトが魅せられたトルコ趣味(テュルクリ)|《トルコ行進曲》|《後宮からの誘拐》

1月27日モーツァルトの誕生日です。そこで今回は、少し変わった切り口で、モーツァルトが奏でた異国情緒、トルコ趣味(テュルクリ)に焦点を当ててみたいと思います。

18世紀のウィーンでは、かつて軍事的脅威だったオスマン帝国に対する恐怖心も薄れ、人々はトルコに対して、エキゾティックな文化的憧憬を抱くようになっていました。

トルコ趣味(テュルクリ)と呼ばれる一大ブームは、音楽の世界にも波及します。モーツァルトもまた、この潮流に心を躍らせた一人でした。


🎧 トルコ行進曲

モーツァルトが作曲したトルコ風の曲といえば、まっさきに思い浮かぶのは、《トルコ行進曲》ではないでしょうか。《ピアノソナタ第11番イ長調》終楽章である《トルコ行進曲》は、トルコ軍楽隊のリズムを模した軽快な行進曲です。

👉 トルコ出身の鬼才ピアニスト、ファジル・サイ《アラ・トルカ・ジャズ》

ファジル・サイが《トルコ行進曲》をジャズ風にアレンジしたこちらの演奏では、クラシックの品格とジャズの遊び心が見事に同居しています。ピアノ系YouTuberの皆さんが、《トルコ行進曲》を演奏する場合も、ファジル・サイのこの編曲を選択するケースが多いのではないでしょうか。

👉 中国出身のピアニスト、ユジャ・ワンによる《トルコ行進曲の変奏曲》

こちらはヴォロドス編曲ファジル・サイのジャズ編曲を融合させたアレンジ曲で、いかにも超絶技巧のユジャ・ワンならではのハイブリッドな演奏です。

🎧 オペラ 《後宮からの誘拐》

モーツァルトのウィーン時代の出発点とも言えるオペラ《後宮からの誘拐》も、当時のトルコ趣味(テュルクリ)の世相を反映した作品といえます。

スペイン人貴族のベルモンテが、オスマンの後宮に囚われた恋人コンスタンツェを救出するために、オスマン太守セリムの後宮へと乗り込むこのオペラの舞台は、もちろんトルコになります。

映画『アマデウス』では、《後宮からの誘拐》のヒロイン役であるコンスタンツェのアリアフィナーレ部分が盛り込まれていました。

0:00〜 サリエリが執着するソプラノ歌手、カテリーナ・カヴァリエーリとのレッスン風景。
0:12〜 カテリーナ・カヴァリエーリが、《後宮からの誘拐》のコンスタンツェ役として、《Martern aller Arten(あらゆる責め苦も)》のアリアを歌う。この曲は、技巧的な装飾音やコロラトゥーラが散りばめられた10分に及ぶ難曲として知られている。
2:08〜 《後宮からの誘拐》のフィナーレ。寛容の精神を示したオスマン太守セリムが、《Bassa Selim lebe lange(太守に栄光あれ)》と賞賛される。

なお、《後宮からの誘拐》ヒロイン役はコンスタンツェですが、モーツァルトの妻も、偶然ながら同じくコンスタンツェという名前でした。元々のリブレット(台本)が、そのような設定だったのですが、モーツァルトは、《後宮からの誘拐》の作曲の直後に、父親の反対を押し切って結婚するわけですから、運命の悪戯のようにも見える話ではないでしょうか。

🎧 トルコ軍楽隊によるメフテル

そして、こちらはトルコ軍メフテル隊の映像です。

オスマン帝国時代の宮殿を背景に、伝統衣装をまとった軍楽隊の勇壮な行進を見ることができます。太鼓とシンバルが響くこの力強いリズムこそ、モーツァルトの時代にヨーロッパ人を魅了したトルコ音楽の源流です。

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