パパパの二重唱《魔笛》|モンタギュー・レンドール&ブードロー|ヤネチコヴァ&チャプコヴィチ|ヴィラゾン&クトロヴァッツ|Vol.2
🎩 パパパの二重唱《魔笛》
さて、今回は予告通り、モーツァルト晩年の傑作オペラ《魔笛》で進めたいと思います。
《魔笛》は、とても簡単に筋を約めますと、タミーノという王子様が、試練を経て、夜の女王の娘パミーナと結ばれるという物語です。本筋だけ追いかけると、あまり面白い話とも言いにくいのですが、そこで興を添えるのが、タミーノのお供をする鳥刺しのパパゲーノです。
パパゲーノはいわゆるトリックスターです。
西遊記で言うならば、三蔵法師につき従う孫悟空のような役柄です。
パパゲーノが登場する場面は、どの場面も愉快ですが、とりわけ有名な曲で、恋するパパゲーナと再会した時に二人で歌う、《パパパの二重唱》をピックアップしていきます。

🎼 ヒュー・モンタギュー・レンドール&エリザベス・ブードロー
まずは、英国のバリトン歌手ヒュー・モンタギュー・レンドールとカナダのソプラノ歌手エリザベス・ブードローによる歌唱から。
0:00〜 ヒュー・モンタギュー・レンドールのデビュー・アルバム “Contemplation” の収録風景
両人とも受賞歴・コンテストの優勝経験が豊富ですが、この動画のアルバム “Contemplation”も、2025年の英誌グラモフォン賞(Voice & Ensemble 部門)を獲得しました。
見ての通り、これだけ楽しい雰囲気のパパゲーノとパパゲーナも珍しいのではないでしょうか。それもそのはず、二人は、プライベートでもパートナーとのこと。
2025年早々には、Instagramのリールに、二人から、”We have news! 💍💍💍” のメッセージが流されました。
リアル・パパゲーノとリアル・パパゲーナを見たのは、私も初めてのことです。楽曲の楽しさとともに、二人の幸福感が、ダイレクトに伝わってくる映像です。🎉
🎧 アルバム情報
🎼 パトリツィア・ヤネチコヴァ&ダニエル・チャプコヴィチ
こちらは、スロバキアの歌姫、パトリツィア・ヤネチコヴァです。
スロバキアの教会でのチャリティ・コンサート(七つの悲しみの聖母の年でのイベント)におけるアンコール曲として、《パパパの二重唱》が披露されました。
0:25〜 演奏開始
0:35〜 弾けるようなパパパの歌声
3:10〜 Kostol Božieho milosrdenstva(神の慈しみの教会)の外観
天使の歌声、パトリツィア・ヤネチコヴァの映像は、残された映像の一つ一つが貴重です。16歳前後のこの映像でも、輝かんばかりの美しさが目を惹きます。
弾けるように、軽やかな《パパパの二重唱》は、この曲の歌声の理想のひとつと言っていいでしょう。
🎼 ロランド・ヴィラゾン&ミリアム・クトロヴァッツ
続いて、ウィーン国立歌劇場で毎年開催される名物企画《子供のための魔笛》(子供向けに1時間ほどに短縮されたもの)から。
0:20〜 パパゲーナ!パパゲーナ!パパゲーナ! パパゲーナを探し求めるパパゲーノ
3:00〜 アインス・ツヴァイ・ドライ!(1・2・3!)と自殺を仄めかすパパゲーノ
4:18〜 首を吊ろうとするパパゲーノを、あやうく3人の童子が引き止める
5:12〜 パパゲーノ、グロッケンシュピールを鳴らして、パパゲーナを呼び出す
5:30〜 パパゲーナの颯爽たる登場〜パパパの二重唱
7:15〜 パパゲーノとパパゲーナのキス・シーン
8:25〜 指揮者のフィリップ・ジョルダン、ガッツポーズで締める
ウィーン・オペラ舞踏会の翌日、平土間になった会場で、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とウィーンの子供たちが、一体になっての上演会。日本のクラシック・ファンが見れば、あまりにも贅沢なシチュエーションに、思わず絶句してしまうのではないでしょうか。
この公演を見た少年・少女の中から、やがては、オペラのスターやウィーン・フィルの楽団員が、誕生するのかと思うと、ため息が出るような光景です。
パパゲーノ演じるメキシコ出身の売れっ子歌手、ロランド・ヴィラゾンは、本来は情熱的な歌唱のテノール歌手。声帯のトラブルを経て、時にコミカルなバリトンのパパゲーノ役を演じたり、演出家としても活躍しています。
🎼 《子供のための魔笛》のフル・バージョン
さて、このマガジンでは、尺の短い動画(切り抜き)を、優先的に紹介していますが、《子供のための魔笛》は、まるごと1時間の動画も楽しいので、以下に見どころのタイムスタンプだけ、拾い集めました。
0:00〜 ウィーン国立歌劇場の外観、序曲開始
1:00〜 子どもたちの入館
12:18〜 「助けて! 助けて!」日本人テノール、アマコ・ヒロシ演じるタミーノが、大蛇に追われる(大蛇の頭は、ヤギのようです)
37:28〜 楽器紹介で、ピッコロが、ラデツキー行進曲を奏でる
41:43〜 《復讐の炎は地獄のように我が心に燃え》夜の女王のアリア
※ピッコロによるラデツキー行進曲では、さすがにウィーンの少年少女たちは、手拍子の勘どころを押さえています。
👉 モーツァルト生誕270周年
来年、2026年はモーツァルト生誕270周年です。ザルツブルクのモーツァルト週間では、《子供のための魔笛》でパパゲーノ役だったロランド・ヴィラゾン演出・総合監督による《魔笛》が1月から公演されます。
🎩 名盤情報(音源)
🎼 ショルティ&ウィーン・フィルの《魔笛》(1969年)
今回の名盤は、迷うことなく、こちらです。
サー・ゲオルク・ショルティが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とともに残した《魔笛》の決定盤。ヘルマン・プライのパパゲーノが底抜けに陽気で、クリスティーナ・ドイテコムの夜の女王も圧巻です。さらには、弁者役がフィッシャー=ディースカウという、なんとも豪華なキャストです。
👂 耳よりな話
最後に、ちょっとしたクイズと耳寄り情報です。
🎼 おまけのクイズ
まずは、前回に出題したクイズの解答から。
初回で最初の映像であるカラヤンの《ツァラトゥストラ》には、私からあるちょっとしたメッセージをこめさせていただきました。さて、そのメッセージとはなんでしょうか?
ヒント: カラヤンの身体の一部に注目してください。
解答:
目を瞑り、音のみの世界で感性を研ぎ澄ませて指揮をするのが、カラヤンの美学ですが、前回動画のように、実のところ晩年はカラヤンも、目を開いて指揮をしていました。理由は、高齢による平衡感覚の衰えから、だそうです。
そこで、「カラヤンでさえ、晩年は目を見開いたのだから、21世紀の私たちは、遠慮なく、刮目して音楽を映像として楽しみましょう」という、私からのメッセージを込めさせていただきました。
今回のクイズ(難易度:★★⭐︎):
初回の《ツァラトゥストラはかく語りき》と今回の《魔笛》の間には、ちょっとした共通点があります。さて、それはなんでしょうか?
いろいろな答えが考えられると思います。
解答は、次回です。
🎼 ブラック・フライデー(ステージプラス)
2025年のブラック・フライデーで、ステージプラスが50%割引のセールです。
Stage+(ステージプラス)は、名門レーベル「ドイツ・グラモフォン」が運営する、クラシック音楽専門の映像&音楽配信サービス。ブラック・フライデーの期間は、2025年11月19日(水)から12月3日(水)までです。その他、キャンペーン内容の詳細は、ご自身で確認してください。
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