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婚活65連敗した精神科ナースが、最後の1人と結婚できた理由【実録】

正直に告白します。

私は婚活で、65人にフラれました。

正確に言うと、65回断られたわけではありません。65人との出会いが「次につながらなかった」という意味です。

それでも、自分でもよく続けたと思います。

精神科ナースとして14年、心が限界を超えた人たちを見てきた私自身が、心が折れる寸前まで追い込まれた話です。

「精神科のプロでも病みました」

「精神科の専門家だから、メンタルが強いんでしょ」

婚活の話をすると、よく言われました。

全然違います。

断られるたびに「やっぱり自分には価値がないんだ」と思いました。マッチングアプリのいいね数が少ない朝は、仕事に行くのがしんどかった。職場で患者さんの話を聞きながら、心の中では「今日もまた返信来なかったな」と考えていたこともありました。

患者さんに「自己肯定感を大切にしましょうね」と伝えながら、自分は毎晩アプリを開いて自己肯定感を削り続けていたのです。

これは、精神医学的に 「専門知識の自己適用困難(self-application gap)」 と呼ばれる現象です。

知っていても、自分には使えない。

それが、私の婚活前半でした。

50連敗を超えて、何かが切れた

40人目までは「数をこなせば誰かには出会える」と思って続けていました。

50人目を超えたあたりで、何かが切れました。

ある朝、職場の更衣室で、ロッカーの前で動けなくなったことがあります。「今日また誰かと会わなきゃいけない」と思った瞬間、足がすくみました。

これは精神医学では 「予期不安(anticipatory anxiety)」 と呼ばれる状態です。実際の出来事よりも、「これから起きるかもしれない出来事」のほうがメンタルを削るのです。

でも私は、止まれませんでした。

「ここで止めたら、これまでの50人は全部無駄になる」

今思えば、これは典型的な サンクコスト(埋没費用)バイアス です。続けても回復しない投資を、過去の損失を理由に続けてしまう心理。

そのバイアスに飲まれていた私は、消耗しながら婚活を続けていました。

ここから先は有料部分です。

50連敗から65人目で結婚に至るまで、何が決定的に変わったのかを書きます。

精神科ナースとしての知識ではなく、「結婚した一人の人間」として、振り返って初めて言語化できたことです。

具体的には、以下を書きます。

  • 50連敗の途中で、私が自分に許した3つのこと

  • 65人目(妻)と会った日に、初めて起きた出来事

  • 妻が後に教えてくれた、選んだ理由

  • 婚活時代の自分に今、伝えたい1つのこと

ここから先は、note以外のどこにも書いていない、私個人の体験の核心です。

50連敗の途中で、自分に許した3つのこと

50人を超えたある日、私は実家に帰省しました。母親に婚活の話をしたとき、母が一言、こう言ったんです。

「ぽん、何のために結婚しようとしてるの?」

返事に詰まりました。

「結婚するため」になっていたんです。気づいたら、目的が手段になり、手段が目的になっていました。

その夜、実家のベッドで、私は自分に3つのことを許しました。

許可①:「結婚しなくてもいい」と思っていい

これは結婚を諦めるという意味ではありません。

「結婚しなければならない」という強迫から解放されるという意味です。

精神医学的に言うと、強迫的願望は逆に達成を阻害することが知られています。「絶対に必要」と思った瞬間、人は柔軟性を失い、相手の良いところが見えなくなります。

「別に結婚しなくてもいい。でも、結婚したい人と出会えたらしたい」

このスタンスに変わってから、不思議とデートでの会話が変わり始めました。

許可②:「素の自分が嫌われてもいい」と思っていい

64人目までの私は、「いい自分」を演じていました。

本当は家でゴロゴロするのが好きなのに「アクティブな人間」を演じ、本当は仕事の愚痴を言いたいのに「前向きな人間」を演じ、本当は不安でいっぱいなのに「余裕のある人間」を演じていました。

これは精神医学では 「false self(偽りの自己)」 と呼ばれます。長期的に演じ続けると、必ずメンタルが崩れる現象です。

50連敗を超えたあたりで、演じる気力がなくなっていました。それを「終わりだ」ではなく、「もう演じなくていい」と捉え直したのです。

許可③:「途中でやめてもいい」と思っていい

実は私は、65連敗の途中で2回、婚活を完全に止めた期間があります。

1回目は1ヶ月。2回目は2ヶ月。

その間は婚活のことを一切考えず、仕事と趣味と友人付き合いに集中しました。再開したのは、「また誰かに会いたい」という気持ちが自然に戻ってきた時です。

これは精神医学的には 「能動的な休息(active rest)」 という考え方です。何もしないことではなく、回復のために積極的に距離を取ること。

「途中でやめてもいい」と思えると、続けるエネルギーが逆に湧きます。

65人目(妻)と会った日に、初めて起きた出来事

65人目とのデートは、もう正直、期待していませんでした。

もう一つ告白すると、その日の私は疲れていました。仕事で大変な患者さんへの対応が続いていて、デート前に「今日キャンセルしたいな」と思っていたくらいです。

でも、行きました。

そして、その疲労が、結果的に良い方向に働きました。

演じる体力が、なかったのです。

席についた瞬間、こう言いました。

「すみません、今日仕事がしんどくて。疲れた顔してたらすみません」

これは私にとって、64人目までは絶対にやらなかったことです。第一印象で「疲れた人だ」と思われたら終わりだと思っていたから。

でも妻は、こう返してくれました。

「私も今日、仕事きつかったです。だから疲れてる人と会えてよかったです」

そこから、婚活では絶対に出さなかった話をしました。

  • 精神科のしんどさ

  • 婚活で64人にフラれてきたこと

  • 自己肯定感が低くなっていること

  • 本当はゴロゴロするのが好きなこと

普通なら「重い」「ネガティブ」と思われそうな話を、なぜか全部しました。疲れすぎて、止められなかったのです。

帰り際、妻は言いました。

「今日、楽しかったです」

64人目までは、こう言われても信じられませんでした。「気を遣ってくれてるだけだろう」と思っていた。

でも65人目の妻に言われた時は、なぜか信じられました。

なぜなら、私が素だったからです。素の自分に「楽しかった」と言われた言葉だから、信じられたのです。

妻が後に教えてくれた、選んだ理由

結婚してから1年経ったある日、妻に聞いたことがあります。

「あの日、何で2回目に会おうと思った?」

妻の答えは、予想外でした。

「最初に『疲れてる』って言ってくれたから」

「みんな、初対面で良く見せようとするでしょう?でもそれって、後で必ずバレるんだよね。最初から『疲れてる』って言える人は、長く一緒にいて疲れない人だと思った」

これは、精神医学的に見ると非常に深い洞察です。

「自己開示の早さ」と「関係の安定性」には正の相関があることが、いくつかの研究で示されています。完璧な自分を見せようとする人ほど、関係が長続きしないのです。

64人目までの私は、これを知識として知っていました。患者さんにも伝えていました。でも、自分には使えていなかったのです。

65連敗から学んだこと(この記事の結論)

結論を言います。

婚活で消耗するのは、ほぼ「自分ではない誰か」を演じているからです。

演じている限り、

  • うまくいっても「本当の自分」が選ばれた感覚がない

  • うまくいかなくても「本当の自分」が否定された恐怖を感じる

どちらに転んでも、消耗します。

素でいると、傷つく場面も確かにあります。「重い」「ネガティブ」と思われることもあります。

でも、素の自分に合う人と出会えた時の安心感は、演じて得た関係とは比べものになりません。

これは、精神科ナースとしての知識と、65連敗を経た一人の人間としての実感の、両方から言えることです。

婚活時代の自分に、今、伝えたい1つのこと

最後に。

もし時間を巻き戻して、64連敗の時の自分に1つだけ伝えられるとしたら、こう言います。

「相手に好かれることより、自分が嫌わない自分でいることのほうが、結果的に近道だよ」

婚活で65人にフラれても、自分のことを嫌いにならなければ、メンタルは保てます。

逆に、婚活で1人にしかフラれなくても、自分のことを嫌いになったら、メンタルは崩れます。

守るべきは「結婚」ではなく「自分への信頼」です。

それが、65連敗を経て今、最も強く思うことです。

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最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

あなたの婚活が、消耗ではなく自己理解のプロセスになりますように。

ぽん(@dai_konkatu)

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