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「あの春の日」

一人息子が就職のため家を出てから早7年…。
そう考えると月日が経つのが本当に早く感じられる今日この頃だ…。

あの春の日

「今日は息子が巣立つ日だ…」と
朝から何か浮足立つような気持ちで
とにかく仕事に没頭した。

幼子たちに愛情を注ぐことで
少しでも心の中の複雑な気持ちが
紛れるような気がしたのだ…。

幼子たちの午睡中
息子が挨拶にやってきた。
「今までありがとう」とか
そんな感じの挨拶だったと思う。

胸が張り裂けそうで
あまり覚えていないが
笑顔で息子の門出を見送ることが出来た。

しかし、その後の喪失感…。
いつものようにとにかく仕事に没頭して
やっと、仕事が終わったあとは
早々と帰宅した夫に
開口一番
「今夜は外食ね」と
夜の街車を走らせ
あまり混んでいそうにない店に
夫と二人で入店した。 

私と夫しか客がいない店で
「〇〇が…〇〇が…」(息子の名前)
涙が頬を伝い向かい側に座る夫の顔を見上げると
私以上に沢山の涙を流している夫の顔が目に入る。
その途端私の涙はサ―ッと引っ込んで
夫の泣き顔を冷静に見ながら
自分の涙をハンカチで拭く。
そして夫にもハンカチを渡した。
夫の泣き顔を見たのは
夫を育ててくれたとても優しい祖母が
亡くなったとき以来だ。

滅多に泣かない夫が沢山涙を流して泣いていた。

これからはこの優しい夫と二人
日々を暮らしていくのだなと思った。

息子が巣立ってしばらくは
息子のいないガランとした部屋を見て
寂しい気持ちになったり
朗らかな笑い声が聞こえなくなり
寂しい気持ちになったけど
今は優しい夫と平和に穏やかに日々暮らしている。

そしてそれも
きっと一人息子の心からの願いなのだろうな…。

私たち夫婦が
息子が元気に生活することを願っているように…🙏


かぜの帽子さんのメンバーシップに参加中です。
今月のお題「あの春の日」書かせて頂きました。

素敵なお題をありがとうございました🙏







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