ファストファッションのしわ寄せ
先日、エシカルをテーマにした写真展を訪れた。
年に一度開かれる写真展で、Noteを始めた当初に一度、その模様を載せたが、毎年訪れていると、終わる気配のない複数の戦争や絶滅危惧種の動物たち、アマゾンに住む人々の暮らしや貧困等、幸か不幸かテーマが急増することはなく、同じテーマの続編や変化球が多いため、ここ2年は、特に心を訴えかける写真以外は保存しなくなっていた。
ただ今回は、昨今のファストファッションに関する法規制もあってか、その分野に幾許かまつわる仕事をしていることもあってか、どうしても見逃せないブースがあったので、今回はここで紹介されていた写真と記事の意訳、そしてシマ子の知識の一部をあわせまとめて紹介したいと思う。
このレポートはMagnus Wennmannという、スウェーデン人の写真家による「The Dark Side of Fast Fashion」というタイトルがつけられた展示になる。
Magnus W.は様々な受賞歴のある有名な写真家で、これまで80以上の国で、紛争やアメリカの大統領選、アフリカや中東からのヨーロッパへの移民に至るまで、様々な出来事を写真に収め世界に発信してきた方なので、ご存じの方も多いのでは、と思う。
現に、以前の同展でも彼の別の作品は取り上げられているため、毎年リピートしているシマ子としては「あっ、また彼の作品だ」ともはや馴染みになっており、また彼の母国のスウェーデンでも、『今年の写真家賞』に5回、『今年のビデオジャーナリスト賞』に2回ノミネートされているというから、この業界のドンなわけだ。
関心のある方のために、下に彼のインスタのリンクを貼っておこう。
スウェーデンといえば、EUでは、スペインの次辺りにファストファッションでかなり幅をきかせているのは言うまでもない。
日本にも入っていると思われる周知の名をいくつか挙げると、、、
・Sweden: H&M(Other Stories、COS等を含む)
・Spain: Zara(Bershka, Stradivarius等を含む)、Mango、Pull&Bear、Primark
となり、昨今はポーランドのチェーンもイタリアには一部浸透してきてはいるが、この二国が、EUでは群を抜いた巨頭と言えるだろう。
ただ、これらは飽くまでも「ファストファッション」であり、「ウルトラ・ファストファッション」と呼ばれるその下の中国のラインとは別枠のため、今年6月にフランスで可決された「ファストファッション法案(anti-fast fashion)」では規制を受けないゾーンになる。
とはいえ、自国の産業の一つが、世界の裏側を汚染しているとなれば、プロとしてはレポートしたくなるのは当然のことだろう。彼は「Aftonbladet」誌のジャーナリストと協力し、共同でスウェーデンの大手多国籍企業グループの一つについて調査を行い、ファッション業界におけるグリーンウォッシュ(※)の実態を明らかにした。
※グリーンウォッシュ
環境に配慮、またはエコなイメージを思わせる「グリーン」と、ごまかしや上辺だけという意味の「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語。
企業が製品や活動を実際以上に環境に配慮しているかのように見せかけるマーケティング手法であり、環境に優しいイメージを装うことで、消費者を欺いたり、本来の環境問題から注意をそらしたりすることを指す。
それではいよいよ、展示の説明を挟みながら、写真を紹介していこうと思う。
10年以上にわたり、ファッション業界の巨人は「リサイクル」を約束して、顧客に中古の服を店舗に持ち込むよう促してきた。実際には、これらの服の大半はリサイクルされることなく、ガーナなどの国々に送られ、中古市場に溢れかえっている。売れ残ったものは、最終的に埋め立て地に捨てられるか、焼却処分される。
廃棄された布の山が川を塞ぎ、海岸を汚染し、空気を毒している。
ヨーロッパでは環境に優しい解決策として紹介されているものが、南半球ではしばしば環境災害へと変貌する。
このプロジェクトは、リサイクルという幻想が、浪費、搾取、環境破壊という現実と衝突する、ファストファッションの暗い側面を明らかにしている。

「毎年、世界では1000億の新しい衣類が生産される。それらはそれぞれ、廃棄される前に平均で7回着用される。
ガーナのアクラ市のKorle Lagoonにはもう水面鏡はない。この場所は他のもの、つまりファストファッションのグラウンド・ゼロに姿を変えてしまったのだ。」
という説明が付されている。




これだと、5階建ての家くらいの高さがあるのがわかりますかね?

ボランティアで、海辺や川沿いのごみ拾いなんてのがありますが、さすがにここまで積もると、手の施しようがなさそう。。。😵💫

企業が展開する広告にもかかわらず、リサイクルを約束して顧客が店舗に持ち込んだ古着は、多くの場合、アフリカの埋立地で山積みになっている。取材中、これらの衣類の一部にはGPS追跡システムが取り付けられ、その移動経路を追跡することができた。


多くの場合、その移動は、世界最大級の古着市場の一つであるカンタマント市場のあるガーナの首都アクラで終わっている。そして、この市場でも売れなかったものは、廃棄物として処分される。
Aftonbladet紙が説明を求める取材に対し、同社はリサイクルプログラムのトレーサビリティと透明性の向上に取り組んでいると述べた。


「2025年1月1~2日にかけての夜、放火か短絡による大規模な火災が発生し、20ヘクタールに広がる市場の約9,000の屋台が焼失した。それにより、1万人以上の商人や労働者が、商品や施設、職の喪失によって直接的な被害を受けた。しかし、その影響はさらに広範囲に及ぶ可能性がある。少なくとも3万人のガーナ人がこの市場に生計を依存していると推定されているからだ。」



このような場所で売られている魚は、衛生的にも買いたくない気がするが、とはいえ、現地の人々の生活には必要不可欠なので、苦い顔をして、この写真から通して見える現実を遠くから眺めるしかない。

ガーナをはじめ、この問題に直面している他の国々では、状況はしばしば「壊滅的」と表現される。大量の布地が土壌や水中に有害物質を放出する一方、衣服の燃焼は深刻な大気汚染を引き起こしている。


どこからどうみても、大漁(量)なのは魚ではなく、衣類の残骸ですね💦
企業がより透明性の高い方針を採用し、社会的責任を果たすべきなのは明らかだが、消費者も重要な役割を果たせるのも事実だ。
(中略)
企業に対してより大きな環境責任を求めるよう取り組むと同時に、再利用とリサイクルの文化を促進する個人的な行動を取る必要がある。
(中略)
有害廃棄物は、環境面にも影響を及ぼす不公正を浮き彫りにしている。ファストファッション企業が利益を上げる一方で、地域社会は最も高い代償を払っている。政府、企業、消費者による具体的な行動が求められている。
このように、レポートはうまく締めくくられている。
ところで、10月7日付のFrance24に、パリの中心にある老舗の文具店(?コンセプトストア?)BHVの6階に11月Sheinが参入する予定で、同店に入っている数々の化粧品や下着ブランド等が『環境汚染や劣悪な労働条件で頻繁に非難されているブランドを受け入れることに「深く衝撃を受けた」』として既に撤退、もしくは撤退予定という記事が載っていた。
よく注意すると、毎日のようにパリにおけるShein関連の記事がネット新聞に載っているが、ここ数日では、これが最も印象的(途中から有料で全様を読めていないせいもある)だった。
今後、フランスで、パリで、このBHVの立場がどうなるのかも、EUにおける「ウルトラ・ファストファッション」の行方と併せて、非常に興味深いものになるだろう。
いいなと思ったら応援しよう!
宜しければ応援お願いします。いただいたチップはマイナーな食材購入&皆さんへのご紹介に使わせていただきます🤚