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【エッセイ】雨に唄えば 風まかせ文芸部
外出しない日の夜の雨は嫌いではないけれど、外出する日の雨はやっぱり少し憂鬱になる。
そんな雨の日に思い出すのは、昔、ロンドンのウェストエンドの劇場で友人とミュージカル「雨に唄えば」を鑑賞したときのことだ。
本場の舞台に胸を躍らせたものの、当時の私たちはセリフの英語がほとんど聞き取れなかった。
友人はそれが悔しかったようで、帰り道も不満そうだった。
実は、私も大差なかったのだ。
ただ、事前にあらすじを知っていた分、私の方が少しだけ内容を理解できていたという程度。
けれど私にとっては、セリフの理解度なんてどうでもよくなるくらい、特別な時間だった。
初めて本場のミュージカルに触れ、劇場の独特な熱気や素晴らしい雰囲気を五感で楽しんだ。
男性の案内人(アッシャー)が燕尾服を着ており、格式高い雰囲気だった。
それだけで、十分に贅沢で素敵な体験だったのだ。
今でも雨が降るたびに、あのロンドンの劇場のきらびやかな空気と、少し苦々しい顔をした友人の表情が、懐かしく思い出される。
※iさま、どうぞよろしくお願いします。
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