3つのお題に空想のひらめきを 『真夜中のバス停』
仕事で遅くなってね。
終電で最寄り駅に着いて、家までの夜道を歩いてた。
まあ、良くあるシチュエーションだと思うけど、いつもと違ったのはここからで、途中にバス停があるわけよ。
もちろんバスの運行は終わってて、バス停には誰もいない。
…と思ったら、なんだかデッカいのが立ってるのが見えて、思わず立ち止まった。
あれは…トトロって、やつ?
まさか、な。そんなのいるわけがない。
でも、目を凝らして見れば見るほど、あの巨体、尖った耳、デカい目と口、丸い腹。
トトロじゃないか…。
あれは、空想の生き物じゃなかったのか。
いったい何を待ってるんだ?
…いや、トトロと言えば、待ってるのはアレだろう。
遠くから、アレが迫ってきた。
アレだよ、アレ。なんて言ったっけ?
あの、ネコがバスになってるやつ。
ああ、ネコバスか。そのまんまだった。
あいつが、目をヘッドライトみたいに光らせて、バス停の前まで走ってきて、止まった。
ひとつの窓枠がグインと広がって、そこからトトロが乗り込んでゆく。
途中で立ち止まり、俺の方を振り返り、言った。
「乗るのかい?」
思いのほか低い声だった。
てゆーか、言葉を喋れるとは知らなかった。
「あ、いえ、家は反対方向で、すぐそこなんで」
そーゆー問題でもない気がしたが、そのゆったりとした口調に安心感が漂っていて、素直に答えてしまった。
「そうかい。じゃあ、元気でな」
あなたも、お元気で。トトロさん。
この展開に心奪われて、上手く声が出ない。
ネコバスがニヤリと笑い、呆然と立ち尽くす俺の目の前を走り抜けていった。
鼻先をネコのモフモフがかすめてゆく。
鼻がムズムズして、思わず大きなくしゃみ。
「へ、へ、ヘックショイ!」
…ん?なんで俺、こんなところに突っ立ってんだ?
早く帰らないと、明日も朝イチから仕事なのに。
…あのバスに乗れば良かったかな。
不意にそんな思いが浮かんだが、とうに終バスは行ってしまっている。
どうかしてるぞ、俺。何だあのバスって。
ネコバスの話は、俺が今考えている架空の物語の一部で、ある夜の仕事の帰り道、バス停に立つトトロに出会うところから始まる。
そんな、有名キャラクターの認知度の高さにあやかった作品で、なんとか「スキ」を稼ごうと目論んだが、noteはそんなに甘くないか。
もう一度、物語のコンセプトから見直そう。
それにしても、なんだか鼻がむず痒いな。
花粉症とかじゃなければいいけど。
こちらの企画に参加させていただきました。
よろしくお願いいたします。
