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3つのお題に空想のひらめきを

「届きそう?」
心配そうに黒猫が見上げている。
「全然余裕だよ。つま先立ちで届くもん」
無事に投函を終えると、ノノは黒猫を連れて歩き出した。
「ちゃんとキキおばさんに届くかな、あの手紙」
「大丈夫でしょ。ロンドンの郵便配達屋さんは優秀だからね。スウェーデンだってどこへだって届けてくれるよ」
黒猫のジリーは物知りだ。
箒に乗って空を飛ぶことは出来ないが、ノノと話すことは出来る。
魔女の相棒でもあったジリーの父猫から、その辺の能力は受け継いだらしい。

ロンドンバスに乗って帰りたいニャー

明日の朝食用に、パンを買って帰る。
このパン屋はこの街でのお気に入りだ。
ホントは、実家のグーチョキパン屋が一番美味しいんだけど、この街にいる間はこの店に通い続けるだろう。
「オソノさん、元気でやってるかな」
ジリーが言う。
「どうかな。お母さんのパンが食べたいな」
ノノはちょっとだけ寂しそうな顔になる。
「でも、大丈夫。落ち込んだりもするけど、私は元気だから」
「……強がんなくてもいいのに」
ジリーはいつも、一言多い。
お父さんに似たのかな。

フクオさんも元気でやってるかニャー

パン屋を後にして、近くのカフェへ。
「その本、キキおばさんにもらったやつ?」
「そう。魔女になるための入門書なんだって」
「魔女になるつもり?僕は箒には乗らないよ」
「私だって飛ぶつもりはないよ。ただ、キキおばさんみたいに素敵な大人にはなりたいと思ってる」
「トンボおじさんは?」
「おじさんは……無茶ばっかりするからね。あんまり見習わない方がいいかな」
「魔法なんて使わなくたってさ、ノノならきっと良い作家になれると思うよ」
「ありがとう。でもいつかね、魔法を描いたファンタジーも書きたいなって」
「そっか。じゃあその時は、キキおばさんと僕のお父さんに会いに行こうか。本物の話を聞こうよ」
「そうだね。パパにもママにも、キキおばさんにもトンボおじさんにも、ジジにもリリーにもジリーの兄弟にも会いたいしね」
「僕の兄弟の名前、忘れたの?」
「覚えらんないよ。グリーとチリーとパリーだったっけ?」
「……グーチョキパンで並べただけじゃん」

雨だからさ、ロンドンバスで帰ろうよ

小さい頃は神様がいてさ、不思議と夢を叶えてくれたんだけど、きっと、大人になっても奇跡は起こるよね。
今だって、優しさに包まれてるもん。
家族とか、友達とか、この街の人達にも。
うん、ジリー、お前にもだよ。
私の、作家になる夢を叶えるための生活についてきてくれてありがとね。
感謝してるよ。

じゃあ、ロンドンバスに乗って帰ろうか。

こちらの企画に参加させていただきました。
よろしくお願いいたします。

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