見出し画像

3つのお題に空想のひらめきを

🎈お題①:「わら半紙のラブレター」

隣の席のくみちゃんは、なんだかいつも、僕を見ている。
薄っすらと頬を染めて。
クラスの友達に話したら、
「それはさ、ほら、アレじゃないの、ほら、アレ」
アレって何?って聞いたら、
「アレだよ。父ちゃんと母ちゃんがさ、夜になると仲良くなるだろ?」
……なんだかよく分からない。
ウチの親とくみちゃんに、何の関係があるんだろう?

ある日くみちゃんが僕に、折り畳んだわら半紙を一枚、渡してきた。
「なに、これ」
「いいから、開いて読んで」
開いてみると、くみちゃんの字で、
「だいすきです💗」
なんて書いてある。
大好きって……家族でもないのに……。
「なんか返事は?」
「……返事?」
「私の気持ちに答えてよ」
えーと、父ちゃん母ちゃんだったら、こんな時どーするんだろう?

あれは小学生の頃。
僕は結局あの時、くみちゃんに何も言えなかった。 
そして、中学生になった今、奇しくも隣の席は、セーラー服のくみちゃん。
「ねえ、この手紙、覚えてる?」
「え?……あ、あの時の……」
「そう。マキヤくんが結局返事くれなくてね、手紙も返してもらって、それからずっと私が持ってたんだよね」
「そ、そうなんだ。なんか……ゴメンね」
「まあ、あの頃のマキヤくん、ホントに何のことか分かってなさそうだったもんね。ビックリしちゃうけど」
「そう……かな」
「で?今回はどう?私の気持ちはね、このわら半紙のラブレターみたく、少し色褪せたけど中身は変わらないの」
「色褪せちゃってるんだ……」
「そこをイジるのはやめて。気持ちは変わらないんだから」 
「うん……このさ、『いつもとなりで笑ってくれるとうれしくなる』って、ホントに僕のこと?僕、そんなに笑ってないと思うんだけど」
「んーとね、小学生の頃はもっと笑ってたよ。無邪気な笑顔で。私はいつも、それを隣で見てた」
「そー……だったっけ?覚えてないな……」
「だからね、あの頃は私からのラブレターだったこの手紙は、今ではマキヤくんへの応援メッセージでもあるの。あの頃みたいに、楽しそうに笑って欲しいなって」
「そんなこと言われても……」
「うん。いろいろあると思うけど、マキヤくんの笑顔のファンがいるってことを忘れないで」

少し成長して、くみちゃんからの「だいすき」は受け止められるようになったけど、クラスの男子からの「いじわる」には、なかなか慣れなくて。
「なかよく」「げんきよく」「がんばろう」と思ってるけど、どうしてもあの頃のような笑顔ではいられない。
そんな僕を、応援してくれるくみちゃんの存在を大切にしよう。
あの頃は答えられなかった、自分の本当の想いを伝えよう。
「僕も、だいすきだよ、ずっと」って。

僕も、だいすきだよ

こちらの企画に参加させていただきました。
よろしくお願いいたします。

いいなと思ったら応援しよう!