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せりふ三題噺 釦の魅力はスキトキメキトキス 




■セリフ
「内緒だからな」
■三題
・第二ボタン
・たい焼き
・駐輪場


「君達に俺の秘密をこっそり教える。
内緒だからな!誰にも言っちゃダメだぞ!」

この学ランの第二ボタンには秘密が仕込んであるんだ。
あふれ出る効力で皆もれなく俺を好きでたまらなくなる。

たい焼き屋さんのお姉さん

「熱いから気をつけてね!」

そんなに心配すんなよ、
キミのハートほどは熱くなかろうさ。

駅の駐輪場でチェーンが外れた自転車を前に途方にくれる子、
簡単な修理だ、ヒョイっと!

「ありがとう!これで彼との約束に遅れなくてすみそうです!」

礼なんかすんなよ、彼氏の気持ちを考えたらやりきれないぜ。
彼氏にあったら俺と比べちゃうだろうからな。


商店街で腕時計を眺めていたら他校の制服を着た子に声をかけられた。

「アタシを試してるの?」

第二ボタンを指差して言った。

フッ、卒業式シーズンだしな。
のぼせた子だよ。
俺を狙う子はごまんといるがな、
なかなかツッパッたセリフじゃないか。
嫌いじゃないぜ。

「それ、アタシに渡してって言ったら?」

ああ、やるよ。
キミみたいに価値がわかる子にならな。

ボタンを外して差し出した。
重そうに受け取った。
愛を確かめてるのかい?
良い笑顔だ。

「うん、本物だ、18金ですね。
買取価格は今日の相場で…
おじいちゃーん!書類作ってー!」

「ほう、お前も目が効くようになったな。」

奥で腕時計を修理していた爺さんが出てきた。

金貨をボタンに加工した腕前とジュエリーセンスを見込まれて、この店の3代目になる子と後に夫婦となった。

あれから30年、信じられないぐらいに金の値段が跳ねあがった。
絶妙なタイミングで大切に取っていたボタンを売りに出した妻は…

……捨てようとした学生時代のノート、
パラパラとめくっていたら書いてあった。

やはり私が三文作家でいまだに独身なのはこういうところだ。

       終

作 十文字 黒子(クロス)


あとがき 担当編集者

作家生活を振り返り、短編をまとめた作品集、
「三文作家と呼ばれて三十年」いかがでしたか?
最後に収録した作品は短編集のための書き下ろしです。
先生は創作だって言ってましたが、以前パーティーで書生のコスプレだって着ていた古い学ランは第二ボタンがありませんでした。
ただの見栄っ張りだったのか、恋人募集中のマークだったのか…。
はたまた今回への伏線だったのか…。

好評でしたら連載になるかもしれませんが、
編集長からはまだ何も指示がない昨今です。


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ドライブイン ニューアジト 天井裏から愛をこめて! ナイタラダメヨ  (元ネタはアンジーです、知らない方すみません…。)