《低山ソロハイキングの記録》 湘南平・高麗山

先日は高松山に登り、その写真をアップしたが、低山ハイキングを始めたころのものも無節操に織り交ぜながらの記録ということで
これは2023年7月20日
3年近く前の話。

神奈川県大磯町の湘南平から高麗山への通称湘南アルプス縦走。
ご当地アルプスのひとつだが、標高は200メートルにも満たないから、縦走というほど大袈裟ではない。
その日は、東海道線大磯駅まで電車で向かった。

大磯は仕事やレジャーで何度か来たことのある町。
吉田茂邸跡を訪ねたり旧東海道の松並木を散策したりしたこともある。
しかし電車で来るのは多分初めて。
湘南平も子供たちを車に乗せて山頂まで出かけたことがあった。
30年以上の昔。

運転免許証を返納し車も手放したため遠出はやや不便だが、交通事故を起こすリスクを考えたらやむを得ない。
何せ緑内障の視野の欠損が進んでいる。
大磯駅からは地図に従い、住宅地を通って湘南平への登山道に入っていく。よく整備された初心者向けのコース。

照葉樹林帯の樹木たちが茂る道。
坂道では息が切れるが、さほど苦しいというほどではない。
が、年齢が年齢だけに無理せず休み休み登っていく。

登山道だが昔は生活の道だったのかもしれない。道端に古びた祠があったりする。
いや、昔はどこにでも祠や石仏などの信仰に関わるモノが存在していたが、山の中など人の手が行き届かない場所に残存しているだけなのかもしれない。
低山ハイキングの時は、ポケットに一円玉、五円玉、十円玉を何枚か放り込んでいて、石仏や祠などに賽銭をお供えする。信仰心があるわけではないが、気持ちが和らぐ。

低山でよく出会うのがナラ枯れの樹木。
カシノナガキクイムシの攻撃に遭い立ち枯れていくクヌギやコナラ。
里山の代表的な樹木たちだ。
幹からまるで吹き出物のようにキノコが飛び出し枯れていく。

薪炭林としての役割を果たさなくなり、大木となって樹勢の衰えた木々が犠牲になるナラ枯れ。
倒木や落枝の危険性。
山歩きをするものには深刻に思えるが、山に入らない人たちには無縁の話。

この日も曇天だった。が、降水確率は低く、雨の心配はまずなかった。
低山ハイキングの第一の心配は雨。基本的に降水確率がゼロから10%程度の日以外は登らないと決め、少しでも雨が降る確率があれば雨具をザックに入れておくようにした。

今日は2026年4月1日。これまで100回程度は低山ハイキングをしているが、雨に降られたのは1度だけ。しかも小雨で、雨具を必要としない程度だった。
湘南平の頂上の展望台に登る。
前方はテレビ神奈川のテレビ塔。
その向こうに高麗山。
さらに向こうは平塚や茅ヶ崎の湘南の街。

眼下の相模湾の向こうに三浦半島がうっすら。
天気がよいと良かったのだが。
湘南平は、泡垂山とも呼ばれていたらしい。山頂部分はまさに平らで、近くに駐車場。
ここまで車で来て、子供たちと弁当を広げたことも。

当時は写真も撮っていたが、その頃はフィルム。
妻はアルバムを保管しているが、押入れの奥に死蔵状態。
思い出も埋没していく。

湘南平から高麗山へは稜線の道。
高齢者でも歩きやすい。
かといってスタスタ歩けるわけではない。
アップダウンも結構あって、登りの時は、「よっこいしょーいち」などと昭和の駄洒落を飛ばして勢いをつけたり。

この道は「関東ふれあいの道」ということらしい。
行政がもうけたハイキングコースのようだ。
歩きやすい道なのだが、この稜線で滑落事故があり、死者も出ているという。まあ、高尾山でも遭難するぐらいなのだから、不思議ではないが。

山歩きの楽しみは樹木との出会い。
そのユニークな形はまさにアート。
写真ではなかなか表せない樹木から受けるインパクト。

高麗山は山頂に神社があったことや、山麓に高来神社があることなどから、山域が社叢林として守られている。

山頂の神社は失われているが、その礎石などの形跡は残っている。
ここにはほとんど人が訪れない。
真夏だったせいか、1時間近くいたが、ひとり出会っただけ。

本当に素敵な空間なのだが、人はめったに訪れない。
訪れない空間だから素敵なのかもしれないが。
だれもいない空間で、野鳥やセミの声を聴きながらぼんやり過ごす。
なかなかいいものだ。
が、下山して帰宅しなければ。

下山途中の眺望。
相模湾に表丹沢を水源とした花水川が流れ注ぐ。

山麓の高来神社。
高句麗から渡来の帰化人にゆかりの神社。
お参りして山行を締めくくる。

観光地の神社仏閣は人でごった返していたりするが
ここは本当に静か。

大磯駅までの道筋で出会った植物に食べられてゆく民家。
全国各地で見られる風景。
こうした哀しい写真は、パソコンの奥底にたくさん眠っている。整理を進めて何とかせねばと思っているが、遅々として進まない。
まあ、急ぐことではないが。

帰路出会った看板をついでにアップ。
この色褪せ具合というか錆び具合というか、なんとも言えない味がある。
ついカメラを向けてしまう。
というようなことで電車で自宅へ。
シャワーを浴び、汗まみれの衣類を着替え、飲むビールの美味しさ。
それが低山ハイキングにハマっていった理由かも。
