そう思うことにしよう 【エッセイ】
少し前に次男が高熱を出した。
なんとも苦しそうだった。
そんな次男を前に僕はなんと無力なんだろう と打ちひしがれた。
よく物語の中で見聞きする「自分が代わってあげたい」という気持ちが芽生える。
僕はそんな想いをこころの中で天に祈ることしかできなかった。
翌日、次男は高熱が出たわりにはケロっとしていて実に元気よく笑っていた。
よかったよかった。
やっぱり健康で笑顔が一番だ。
もしかしたら僕の祈りの一端が天に通じたのかもしれない。
いい子だから(パパが)
そして数日後、パパと長男が立て続けに高熱を出しダウン。
激しい頭痛と節々の痛み。
どうやらしっかりと伝染してたようだ。
これはあれか。
「風邪はうつすと早く治る」というやつか?
父と兄へうつったことで次男は急速に回復したのだろうか。
そう思えばこの苦しみもそう悪くない。
想いが通じてパパが身代わりになれたのだ。
長男はたぶんとばっちりだろう。
この病魔はパパと兄ちゃんでやっつけてやるからな!
ふたりで病院へ行き、戦いに備える。
ふたりの体内では激しい攻防がなされていることだろう。
翌日、長男はピンピンしていた。
高熱がウソのように引き、元気に飛び跳ねている。
長男は打ち勝ったのだ。
その激しく燃える熱き心で。
え?
パパはどうしたって?
もちろん高熱&頭痛&節々の痛みは健在。
床に伏すしか能が無い。
ハハハ。
これはいったいどういうことなんだい?
僕の熱き心はなにしているの?
え?
おっさんの自然治癒力が低いだけだろって?
そ、そんなわけないじゃないか失敬な。
もっとこう哲学的で神秘的な原因があるはずだよ。
ほら、さっき次男の病魔をパパと長男で分け合った的な話したよね?
そうなりゃもちろん等分するわけないよね?
やっぱり父として多めに病魔もらうよね?
8:2ぐらいかな?
それが早く治る長男と中々治らないパパの真実だよね?
ね?
これを読んでるあなたもそう思うよね。
これはただ年老いたおっさんの衰えの話ではない。
家族を守るひとりの人間としてのあるべき姿を伝えるための話なんだ。
そう思うことで だれも損しないよ。
すんなり受け入れることで 誰も傷つかないよ。
みーんな幸せだよ。
ね?
だからみんなでそう思うことにしよう。
※ふたりともコロナもインフルも陰性でただの風邪でした
