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BGMはゾンビのうめき声 【エッセイ】

時間がもったいない
もっと有意義な時間を過ごしたい


僕はそんな強迫観念にも近い思想理念に取り憑かれている。
すべての行動に一石二鳥を取り入れたい、いや取り入れるべきだ。
そう考えながら日々を生きる。

そしてたどり着いた境地がタイトルにある
「BGMはゾンビのうめき声」
なのだ。

まさかアラフォーにもなって こんなアホな境地に至るとは。
僕は自分が怖いわ情けないわ爽やかやわでもう感涙物である。


さて、あなたはこの世で一番の無駄時間をご存知だろうか。

何気なく見るテレビ時間?
ショート動画を無心に見る時間?
うんちをり出すあの瞬間?
ゲームで目的もなく雑魚敵を屠っているとき?
絶対理解できない相対性理論の本を読むとき?
叶わない恋にやきもきするとき?

いいや、これらはたしかに無駄だが人生の幅を広げるためには必要かもしれない。

真の無駄時間は毎日の通勤時間だ。
とくにクルマ通勤。

強制的に両目、両手、両足を使うことを余儀なくされ、椅子にベルトで縛り付けられる。
集中して運転することも強要される。
しかも毎日毎日同じ風景。

無駄だ。究極の無駄時間だ。何にも生み出しやしねぇ。


こんな無駄を放置することは僕の崇高な理念思想に反する。
僕は この無駄時間を有意義な時間に昇華させる。

まず着目したのは暇をしている両耳だ。
もちろん運転中は周囲の音を聞き、状況把握に努める必要がある。
でも他の部位に比べると明らかに仕事量が少ない。

甘やかしてはいけない。


そこで彼らには新たにオーディオブックを聞くという仕事を与えた。
これだけでも実に有意義な時間になる。

読書率低い日本では全国民に義務化するべきレベルで有意義な時間となる。
通勤が楽しくなるほどだ。

読書量は増え、知識も蓄積された。

ココで満足しておけばよかったんだ。


しかし、さらなる無駄時間が発生してしまった。
それは「ゲーム内の放置時間」である。

最近、6歳の息子とマインクラフトというゲームをスマホでプレイしている。
僕は かつてのゲーマーとしてのプライドと 父としての威厳を保つ為にマインクラフトのことを勉強し、ひとりで冒険を繰り広げている。

しかし、ゲームをする時間などほとんどない。
そんな限られた時間の中で「ゲーム内で待つ時間」というなんとももどかしい状態が発生したのだ。
 
知らない人の為に説明すると
「次々に沸くゾンビを倒して色々GETだぜ」
ということだ。

え?
なんのこっちゃわからないって?

ゾンビが一箇所に集まるようにセッティングして、ゾンビを集め、倒してアイテムや経験値を稼ぐのだよ。

そのゾンビが集まるのをただ待つ。


こんなにも無駄な時間が他にあるだろうか?
こちとら時間がねぇってのに。

ここで賢い読者のあなたはピーンときただろう。

そう無駄時間×無駄時間=有意義時間ということに。


え?
何言ってるかわからないって?

だから無駄と無駄を合わせれば相殺されてむしろ有意義だよってことだよ。

つまり「無駄時間の通勤時間にオーディオブックを聞きながらゾンビが集まるのを待つ」ということ。

この状況が作り出すのがタイトルの「BGMはゾンビのうめき声」というわけさ。

朗読される文章のうしろに響くゾンビの声。
なんともシュールである。

幸い僕はホラーやサスペンスばかり読むので雰囲気はバッチリ。
ゾンビ物を読むときなんて最高だ。
プロローグからエピローグまでゾンビはうめきっぱなしだ。


いやぁ実に有意義だなぁ。


ではまた。





次回予告(ウソ)
「ボーっとしたら死ぬ病」
の巻き。


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