よんでもよんでも 【エッセイ】
読書が習慣になった。
いや、これは習慣などという生易しいものではない。
もはや呪いである。
次から次へと読みたい本が湧いてくる。
本当に地の底から湧いているのかっていう程、本が湧いてくる。
墓場から出て来るゾンビのように湧いてでる。
新しい本はもちろん、古典と言われる本も読んでみたい。
古典を知っているからこそ、それを流用した新しい物語の裏側を知ることができるのだ。きっと。
「あーこれは〇〇のオマージュだね」なーんていちびりたい。
しかし、24時間読み続けたとしてもとても読み切れるものではない。
よんでもよんでも地獄である。
こんなことなら読書など知らずにYouTubeの虜になっていればよかったのかもしれない。
そうすれば湧いて出る本なんて無視して永遠の動画の中で幸せになれたかもしれないのに。
僕は知ってしまった。
読書の面白さを。
読書の面白さを説明するのは、今の僕の語彙力と表現力では伝えきれない。
ひとつ挙げるとすれば、読書人口が少ないということだろうか。
この面白い本を読んでいるのは自分の周囲では僕だけ。
面白さの独り占め。
ウシシ。
そんな誰に対してなのか謎のマウントがなんだか心地いい。
読書なんて、別に誰かと内容を共有したり考察する必要なんてないんだ。
べ、別に友達がいない わ、わけじゃないんだけれども、ひとつの本にそこまで時間を割いている場合じゃないんだ。
まだ見ぬ積読のその先の本たちが 僕を待っているのだから。
もし神様が目の前に現れて「何かひとつだけ望みを叶えてやろう」って言われたとする。
きっとあなたは「お金持ちになりたい」とか「時間を止める能力が欲しい」とかそんなちっぽけな願いを言うんだろうね。
僕なら「本の中に入る能力が欲しい」と言うだろうね。
え?
どんな本の中に入りたいのかって?
そりゃ現実では味わえないホラーやSFが候補に入ってくるだろうけれど、死ぬかもしれないリスクがある。
だから僕は僕が書いた物語の中に入るよ。
その物語の中で自由に好きなだけ無限に読書をするんだ。
主人公がひたすら本を読む物語。
登場人物は僕と本だけ。
そこにはドラマやスリルもハッピーエンドもない。
ひたすら静ひつな空間が続くのみ。
誰も読まないその本の中で僕はひっそりと読書をする。
あぁはやく神様が現れてくれないかなぁ。
脅してでも僕の望みを叶えてもらうのに。
ではまた。
次回予告(ウソ)
「神様と壮絶バトル!ぜんけいの秘策とは!」
の巻き。
