年賀状と声と私
ああ、そろそろ作ろうか?
今日辺り、郵便局いこうか?
夫との会話である。
年賀状書きが大好きな私と年賀状書きが大嫌いな夫。
私達夫婦は年賀状書きの旅に出ることにした。
その旅は去年から始めた旅だ。
場所は近所のショッピングモールと併設されている郵便局である。
まずは郵便局へ。
年賀状を買う。ミッキーディズニー年賀(インクジェット用)を80枚。
書き損じを考えて多めに購入。
そのまま郵便局の隅に作られている年賀状スタンプコーナーへ行く。
そこで判子のチェックだ。
文字はどんなものがあるか?
干支の判子はどのくらいあるのかな?
ヘビちゃんはどのくらいの大きさで何匹いるのかしら?
インクの色は紅白で間違いないね。
把握したあとは隣のショッピングモールへ。
100円ショップで足りない判子と
シールを購入。
イメージしながら、夫とあーでもないこーでもないと話をする。
まずは干支であるヘビのスタンプと富士山のスタンプを選んだ。
あとは、キラキラしたシールで華やかに見せよう。
へび年(へびどし)なのに、鳥好きでインコが3羽いる我が家は、気がつくと関係のない鳥のシールまで購入してしまう。
「貼ってもいいよね?」とテンションが上がる。
年賀状には相手を思って書くことに意味があるのさ。どんなレイアウトでも、心がこもっていれば問題ない。
ゴールドのインクも購入して、
郵便局という年賀状楽園へいざゆかん。
まずはスタンプを選ぼう。
挨拶文
置いてあるわら半紙にお試しスタンプ。
年賀状の上の位置に黒のインクで、おめでたさを強調!
あとは、ランダムにヘビちゃんと富士山をスタンプ。赤とゴールドで決める。
いいね!
そして、とうとう本物の年賀状を用意して、
私がスタンプ係、夫は年賀状を並べる係。
緊張が走る一瞬である。
ペタン
ペタン
ペタン
なんかおかしい……。
私達夫婦はスタンプコーナーに、まるで自宅のような心地よさを覚える。
でも、それでよいのだろうか??
なんの魂もこめていない。
魂がこもっていない時の作品

私達夫婦はより良い年賀状を作成するための作戦会議をした。
私「魂入れたいよね?」
夫「心の中で念じながらスタンプしてみたらいいんじゃない?」
私は精神統一+魂をこめた
ペタン
ペタン
ペタン
魂をこめた時の作品

お分かり頂けただろうか?
1枚目の写真は真ん中の魂が抜けている。
つまり、私の腕、いや!
私の魂次第ってことだ。
しかし、夫は黙っていた。納得のいかない顔をしていた。
消え入りそうな声で、それでも搾り出しながら私に告げた。
「魂だけじゃない。何かが足りない。なんだろう?なんだろう?なーんだろ??」
そして、私の目を真っ直ぐ見て告げた。
「声も出してみて」
「はい、監督」
私は俳優になったような気がしていた。
私のすべてをかけて、年賀状のスタンプを押したい。
「行きます」
緊張が走る。
ペタン エイッ
ペタン ウリャ
ペタン ドリャ
魂と声をあげた時の作品

気がついたら観客が集まってきていた。
拍手も起きていた。
それは白昼夢だった。
私達夫婦は学びを得た。
今回の年賀状書きの旅で。
何かを作成するときって声が必要なんじゃないか?ということ。
それは大袈裟かもしれない。
しかし、事実は物語っている。
1 魂なし
2 魂あり
3 魂と声あり
明らかに3の魂と声ありが成果を出した。
スポーツもそう。無言より声だし。
料理だってそう。ハミングした方が楽しいし美味しい。
年賀状書きの旅はまだ終わっていない。
シールも貼っていないし、文章も書いていない。
これらの作業にもかけ声は必要なんだ。
シールを貼るときは
瞬間型の掛け声として
「ヤッ」と言いたい。
私達夫婦は声が枯れたとしても魂を込めて声を出し続ける。
ポストに投函するときは早く届いてほしいという願いを込めて「シュッ」と声をあげながら入れたい。
