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継続は、揺らぐ。~Honda FC、信じてるからな~

過渡期、来る

2026年。日本サッカー界が動くこの年。Honda FCもまた、大きく動きます。過渡期に、突入するのです。

今年、日本サッカー界のトップクラスは秋春制を導入しました。JFLも、秋春制対応のための半期消費型特殊レギュレーション――JFLCUPの開催を決定しました。日程も、発表されましたね。

今季のHonda FCは、第3節がホーム開幕戦です。

どうもHonda都田サッカー場、現在リニューアル中のご様子。これは仕方がない。

で。そんなリニューアルが待ち構えている2026年及び2026-2027シーズンのHonda FCですが。

先述した通り、チーム自体についてもリニューアルの時期だと捉えています。

すなわち、過渡期です。山場です。大きく揺らぐ1年半です。

実は、去年も似たようなことを書きました。でも、それ以上に。門番の二つ名、その沽券にかかわる年になりかねないのです。

その理由は、3つあります。

①:中核選手の引退と後継者の未確立

Honda FCの至宝。

所属13年の期間中に、JFLMVP4回。JFLベストイレブン11回。

その経験値は、Honda FCにとって余りあるものだった男。

ある意味においては、Honda FCそのものとさえ言えた男。

鈴木雄也選手が、昨季をもってピッチを去りました。

すでに今季の練習試合を覗いたことのある筆者ではありますが、それでもまだ、彼のいない実戦の場を想像できません。

そんな選手の、引退。この事実は、Honda FCの今後に少しばかりの影を落とすかもしれない。私はそう、感じています。

彼の引退は、Honda FCにおいて「35歳定年制」が囁かれている以上(私も聞いた話なので確証がありませんが)。まったく仕方のないものでした。

また、引退とはいえ本田技研工業そのものから籍を抜いたわけでもなさそうですので(社業専念後、退職してしまう選手も時折見受けられるので)、もしかしたら。数年後にはコーチ陣に名を連ねているかもしれません。

とはいえ。Honda FCが、彼の喪失を手をこまねいて待っていたとは思いません。

なぜなら。勝ちながら育成するしか、Honda FCの生きる道はないからです。

筆者も試合で、それが垣間見えるシーンを見てきました。ゼロからの出発では、ありません。

ただ。ただ。それを鑑みてなお、Honda FCの重心は大きく揺らいだ。そう感じます。

彼を失ったHonda FCが、そのイレブンが。いかにして新しいチームを構築するのか。後釜として、のし上がってくる選手が生まれるのか。

その展開こそが、新世代のHonda FCを決めていくはずです。

②衝撃の引き抜き~ベテランと新人・その間隙の広さ~

正直、予感はありました。

新人王に、ベストイレブン。得点ランキングでも、上位入り。実力を確信できた以上、よほどでなければ、Jリーグの誘惑には抗い難いものです。

石原央羅選手。そして、斎藤涼優選手。Honda FCが4名の退団選手を送り出した後に発表された2人の移籍は、筆者にとっては大きな衝撃でした。

こんなことが、起こり得るのか。退団選手発表後でさえ、油断できないのか。

これだけでも、事は重大です。しかし私には、更に気にかかったことがありました。

そう。退団が4人に、移籍が2人。Honda FCが近年維持している25人体制を構築するためには、新人が6名必要になってしまったのです。

こんな急遽な出来事に、Honda FCスカウト陣は対応できるのか? 外野ながらに、気になりました。

結論から言えば。幸いにしてHonda FCは、レンタルに頼ることなく新人6名を確保しました。この点においては、さすがのスカウト網だったと言えるでしょう。

しかし、筆者にはかなりの懸念があります。それは……「Honda FC特有の利点が、打ち消される」ことです。

まず。今回の一件で、Honda FCの選手中、約4分の1が新人となってしまいました。ゴールキーパーに至っては、3人の内2人が新人というありさまです。

Honda FCの利点は、選手変動の少なさによる戦術と技術の徹底。培われたチームワークによる阿吽の呼吸です。そして、継続によって。JFLの多士済々なクラブたちを打ち破ってきたクラブです。

この伝統を、3月の開幕までに約25%の選手たちへと落とし込む。いくら筆者がサッカーの素人でも、簡単ではないことは想像がつきます。

いかに戦術理解に優れた選手であろうとも。
いかにテクニックに優れた選手であろうとも。

Honda FC特有の阿吽の呼吸は、一朝一夕では生まれません。これは、厳然たる事実です。

でも、それでも。一定程度は落とし込む。これができなければ、Honda FCは苦戦するでしょう。良い点を発揮できないまま、下位に沈んでしまうやもしれません。

幸いにして、秋春制となったシーズン本番までにはまだ間があります。JFLCUPで、どこまで浸透させられるか。それこそが、勝敗を分けることでしょう。

そして懸念は、もう一つあります。ベテランと新人、その間を埋める世代に、やや歯抜けが見られることです。

実のところ、Honda FCはあまり遅咲きを待ってはくれません。早ければ3、4年で、次世代との交代――社業専念通告――を強いられます。

筆者視点では昨今、若い選手の退団が多く見えています。そして、ベテランの割合が増えて来ている。Jを目指す、野心的な新人もいるでしょう。

それらによる世代交代の失敗が、今後数年でボディブローになってくるのではないか。私は密かに、これを恐れているのです。

Honda FCの利点たる継続性が揺らぐその時。Honda FCがどう対応するのか? 予期はしているでしょうが、素人には気掛かりでならないのです。

③忍び寄る秋春制~実業団の新人確保、どう変わる?~

3つ目のポイントは、前項とも密接に関係を持つ話です。

先述した通り、とうとう日本サッカー界でも、海外に倣って秋春制が導入されました。

現状ではJリーグとJFLが対象となるようですが、状況いかんでは下部リーグにも普及していくことでしょう。

そしてこの秋春制が、Honda FCにも若干の影を落としかねません。

Honda FCは従来、新卒学生をチームに採用してきました。

卒業前から練習に参加してもらうことで約2~3ヶ月でチームに習熟させ、優秀であれば早い内からピッチに立つことができる。躍動できる。

その調整もあって、近年はスロースタート気味に見えてしまう。

ざっくりではありますが、こんな感じのルーティーンが確立していました。

しかし秋春制は、そんなリズムを崩します。

シーズン佳境に新人が来ても、適合が難しくなる。時間を使っている間に、勝ち点を落としてしまう。

シーズン終了後から育てるのは悠長が過ぎるので、そもそも採用タイミングに変化が生じるかもしれない。育成ルーティーンに、ズレが生じる。

そんなことで、と思うかもしれません。ですが、僅かな変化が、チームを崩す。

こういう事態は、Honda FCに限らず、どのチームにも起こり得ることです。

無論、Honda FCは歴史を積み上げています。継続性で、勝ってきたチームです。育成フォーマットも、確立させていることでしょう。

ですから。こんな素人が思い付くことぐらい、とっくに対策を練っている。そう信じたい。

制度変更で、時間の流れが変わる。スケジュールが変わる。

でもその程度で、Honda FCは揺らがない。そう信じたい。

とはいえ。先述した①、②に比肩するほど、Honda FCが過渡期に至る理由としてこれは重い。よって、3つ目の理由といたしました。

Honda FC、信じてるからな

さて。ここまで筆者はアンチかと言われんばかりに、Honda FCの山場ばかりを語って来ました。

Honda FCの勝利を積み上げてきた、「継続」が揺らぐ。今がその時だからです。

とはいえ、私はただただ未来を憂う者ではありません。

どちらかといえば、正しく未来を見据えたい。それだけなのです。

熱に浮かされることなく。
一時の空気に気圧されることなく。
静かに見つめ、時に声を上げる。

だから、一つだけ。

「Honda FC、信じてるからな」

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