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社長が教えてくれたこと12:Cからはじまる未来のカタチ

※この物語は、半分フィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

座学の新入社員研修が終わり、来週からは塾部門の社員は各校舎、本社勤務の社員は人事部で実地での研修が行われる。
私は石田と酒井と共に今日までの研修の振り返りを行った。
「良かったんじゃないですか?アンケートを見ても、みんな満足しているようですよ。個人的には、用意したお弁当はもう少し大きい方が良かったけど」と、石田が口火を切る。
確かに、新入社員たちは楽しそうに研修を受けており、私も失敗は無いと思えた。
「特に問題がなければ、『おおむね良好。来年度は、新入社員の人数や属性に合わせて、ブラッシュアップしていく』という振り返りでいいのかな?」
「いいと思います!」
とにかく、石田は反応が早い。
「酒井はどう?」
主に塾部門の新入社員を担当していた酒井に意見を聞くと、ちょっと遠慮がちに話を始めた。
「確かに、全体としてはうまくいっていました。ただ、気になった所もあって……」
「それを教えて欲しい。そういうのが大事だから」と私が促すと、酒井は5日間の研修スケジュールが記載された資料を出した。
「研修中は、席は自由に座ってもらいましたが、そうすると関りが多い人、少ない人が出てきます。座席を決めて日々シャッフルするのが良いと思いました。他に……」と酒井は研修で感じたこと。気になったことをメモを見ながら報告してくれた。
その中には、「会場の時計が2分進んでいたこと」や「視聴した動画の音量」など、「よく気づいてメモしていたものだ」と感心するほど、細かなものも含まれていて、私は酒井の想いを感じて胸が熱くなった。

私は、『2025年度 新入社員研修の振り返り資料』を作成し、石田、酒井と共に江川社長に報告した。
資料を受け取った江川社長は、じっくり読んでからこう言った。
「PDCAサイクルというのがありますね。計画、実行、振り返り、改善。
私は、この中でC(振り返り)が一番大事だと思っています。
計画、実行はもちろん重要ですが、どんなに素晴らしい計画を作って、実行しても、結果はどうだったのか。何が成功したのか、何が改善すべきだったのか。そして次に繋げるために、どう行動するべきなのか。
振り返りをしなければ、仮に成功したとしても再現性はありませんし、失敗していたのであればなおさらです。同じ失敗を繰り返します。
振り返りをするから、改善案が出て、次は、より良いものができる。
C、A、P、D。
それを繰り返すことで、自然に成長していくのだと思います。
皆さんの資料。想いが伝わる良い振り返りが出来ています。
これで、もう来年の研修は半分は成功したと言えます。
安心しました。ありがとう。
来年の新入社員研修の前に、この資料をもう一度見返して、最終的な企画を作ってください。楽しみにしています」

社長室を出ると、私は資料の表紙を『2026年度 新入社員研修 企画書』に修正した。
振り返りは、同時に企画書にもなる。
来年の研修が楽しみになった。

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