映画『バグダッド・カフェ』──孤独が交わる場所に、奇跡のような優しさが生まれる
感想
私がこの映画を観たきっかけは、主題歌《Calling You》でした。
静かに始まるその旋律は、どこか遠い場所から心に届く“呼び声”のようで、
初めて聴いたときの印象があまりにも強烈でした。
実際に映画を観ると、その歌の持つ切なさと希望が、物語全体に優しく染み渡っているのを感じました。
孤独を抱える人々が、互いの違いを受け入れ、少しずつ笑顔を取り戻していく。
それはまるで、“癒し”という名のマジックです。
あらすじ
アメリカ西部、モハヴェ砂漠にたたずむ寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」。
そこに現れたのは、場違いな風貌のドイツ人旅行者ジャスミン。
仕事も家庭もうまくいかず、いつも不機嫌なオーナーのブレンダは、得体の知れぬ訪問者に対して怪訝な態度をみせる。
しかし、朗らかでどこかユーモラスなジャスミンの存在に、次第にブレンダの心は溶かされていく。
カフェに集うのは、近くのトレーラーハウスに住む老画家ルディ、気怠げなタトゥーアーティストのデビー、
そしてモーテルの隣にテントを張って暮らす青年エリックなど、個性的で孤独を抱えた面々。
それぞれの人生がゆるやかに交差し、小さな奇跡が起きていく――。
監督のパーシー・アドロンはこう語っている。
「あらゆる肌の色、バックグラウンド、信条の違いを理解し受け入れる温かさを描いたこの物語は、
現代における癒しの源になるのだと感じたんだ。」
(出典:Percy Adlon監督インタビュー、映画公式資料より)
訪れるのも、立ち去るのも自由。
誰をも受け入れる場所、それが「バグダッド・カフェ」。
見どころ
無骨な砂漠の風景と、静かに流れるジャズやブルースの対比。
言葉よりも“空気”で伝わる友情の美しさ。
主題歌《Calling You》(作詞・作曲:Bob Telson/歌:Jevetta Steele)が放つ魂の声。
こんな人におすすめ
日常に少し疲れてしまったとき
誰かと深くつながる温かさを思い出したいとき
静かな時間を過ごしたい夜
孤独を抱えた誰かの心に、そっと寄り添う映画。
疲れた夜にもう一度観たくなる一本です。
作品情報
タイトル: バグダッド・カフェ(原題:Out of Rosenheim)
監督・脚本: パーシー・アドロン(Percy Adlon)
製作国: 西ドイツ・アメリカ(1987年)
出演: マリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー、ジャック・パランス ほか
主題歌: 《Calling You》 作詞・作曲:Bob Telson/歌:Jevetta Steele
配給: コンコルド=ミラマックス映画
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