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ゼンレスゾーンゼロ バージョン2振り返り──好きだからこそ期待したい



やっている間は楽しい。でも時間が経つと……

バージョン2.7をもって、ひとつの区切りとして振り返りを書こうと思った。
プレイしている最中は楽しい。ストーリーを読んでいる間も、バトルをしている間も、「面白いな」と感じている。クリア直後もそうだ。でも1日経つと、ふと「あれ、面白かったかな?」という感覚が頭をよぎる。つまらなかったわけではないのに、何かが薄いような気がしてしまう。
このライブ感と物足りなさが共存している感覚が、私にとってのシーズン2だった。うまく言語化できないまま2.7まで来てしまったので、一度整理してみたい。

SNSの批判、正直わかる部分はある

ゼンゼロへの批判はSNSやYouTubeで多く目にするようになった。多すぎると感じるくらいに。ただ全否定もできないのが正直なところで、それが複雑な気持ちになる理由でもある。
批判の中心はストーリーの方向性だ。シーズン1にあった「新エリー都のアングラな日常」の空気感が薄れ、大規模な陰謀や世界の危機を描く王道英雄譚になっていった。「他のホヨバース作品と似てきた」という声もあるが、私もゼンゼロの魅力は他のホヨバース作品とは違う爽快感と分かりやすさにあると思っていたので、この変化は少し寂しかった。
讃頌会絡みの話が複雑になってきたのも気になる点だ。シーズン1は誰でも楽しめる間口の広さがあったが、シーズン2は不明点や伏線が増え、「ちゃんと理解できているかな」と不安になる場面も出てきた。
パエトーンが現場に出るようになったのも象徴的だった。最初は「現場にいた方がストーリーが動いていい」と思っていた。でも助けられるシーンが増えるにつれて、「ボンプ姿のほうが良かったのでは」と感じるシーンが増えていった。現場に出ることでアングラ感も薄れてしまった気がして、それがシーズン1との空気感の違いに繋がっているように思う。
キャラクターの使い捨て感、という批判もある。これも一定は頷ける。章ごとの独立性が高く、せっかく魅力的なキャラが出てきても、次の章ではあまり触れられないまま進んでしまう印象がある。

それでも、好きな理由はある


ただ批判ばかりかというと、そうでもない。
シーズン2で特に印象に残っているのは、シードのエージェント秘話だ。
シード(フローラ)は巨大な知能構造体「ビッグ・シード」を操縦するオボルス小隊の砲撃手。独特の口調と自由奔放な言動が目立つキャラクターだが、エージェント秘話を読んで完全にやられた。
旧都陥落のとき、零号ホロウで孤児の少女を発見した軍用の知能構造体が、システムの命令に逆らって彼女を保護し、機械の手ひとつで育て上げた。その機械=ビッグ・シードは論理コアの損傷が進行していて、自分の死を「眠っている」と偽ったまま逝く。
秘話の終盤、フローラが11年前の救出座標を訪れると、そこには花の谷が広がっていた。そして最後のメッセージが起動する。
ここで大事なのは、涙で奇跡が起きたわけではないということだ。フローラの心が成長したから、録音が再生された。BGMも相まって、このゲームで見た中で一番好きなシーンになった。感動の仕掛けがちゃんと物語の積み上げの上にある。だから泣けた。
「機械に心はあるか」というテーマ自体は珍しくない。でもゼンゼロはそれを説教臭く語らず、花と父親と娘の話として丁寧に積み上げた。シーズン2でこういう話が書けるなら、やっぱりこのゲームのことが好きだと思う。
2.2のイゾルデとオボルス小隊の話も良かった。2.1でイゾルデがおもちゃの銃を修理するシーンがあるのだが、まさかあんな形で回収されるとは思わなかった。最後にオルペウスへ銃を向けて撃つ……と見せかけて、発射されたのはコイン一枚。そのトリックが引き金となり、鬼火がイゾルデに致命傷を与える。最期の瞬間まで「オボルス小隊の大佐」らしく終わろうとした彼女の在り方が、あのコイン一枚に全部詰まっていた気がした。
キャラクターの魅力も健在だ。雅、柳、エレン、ニコ、ビビアン、アストラ、アリス、柚葉、儀玄、南宮羽……好きなキャラを挙げ始めるとキリがない。シーズン2でも魅力的なキャラクターは確実に増えた。その点は素直に評価したい。

一番言いたいこと──キャラを使い切れていない


ただそれだけに、魅力的なキャラクターが使い切れていない場面が目立つのが惜しい。
2.7はシーシィアにスポットを当てたストーリーが展開され、彼女の生き方や背景が丁寧に描かれた。プロメイアとの関係性も含めて、ストーリーを終えたときは純粋に「良かった」と思った。
ただ一息ついたとき、ふと気づいた。あれ、南宮羽出番なくね? と。
今バージョンのピックアップキャラは南宮羽だった。キービジュアルにも大きく描かれている。なのにメインストーリーへの登場はなく、秘話などの掘り下げコンテンツも存在しなかった。実質的な出番は火鍋イベントのみ。
火鍋イベント自体は色々なキャラが登場して満足度は高かった。でも「これで南宮羽の話は以上です」という終わり方には納得できなかった。妄想エンジェルの中で南宮羽が一番好きなだけに、落胆は大きかった。
ピックアップキャラなのにストーリーで深掘りされない、というのはキャラの魅力を売りにしているゲームとして勿体ないと感じる。エレンのように後から追加シナリオが来ることを、一ファンとして願っている。

シーズン3に向けて期待したいこと


最後に、シーズン3へ向けて個人的な期待を書いておきたい。
まず何より、南宮羽の深掘りをお願いしたい。2.7での扱いへの不満は先に書いた通りだが、それだけ好きなキャラだからこそ、これからやシーズン3でちゃんと向き合ってほしい。
ストーリーの方向性についても期待がある。始まりの主が関わってくる以上、ある程度複雑になるのは避けられないと思っている。ただそれでも、シーズン1のような「分かりやすくて爽快感がある」展開を大切にしてほしい。ゼンゼロの一番の魅力はそこにあると思っているので。
そして2.7で登場したラミルの今後も楽しみだ。まだ謎が多いキャラクターだが、これからどう絡んでくるのか純粋に気になっている。

おわりに

批判も分かる。でもシードのストーリーで泣いたし、好きなキャラも沢山いる。プレイ中は確かに楽しんでいる自分がいる。
それでも時間が経つと薄くなる、あの感覚が何なのかはまだうまく言えない。シーズン3でその答えが出るといいなと思いながら、今日もログインしている。
あと南宮羽の秘話、本当によろしくお願いします。

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