畑がなかなか始められない
ホームセンターに行っては「これどうしよう」と悩んで結局保留にしてしまう。
今住んでる家から車で15分ぐらいのところに手つかずの土地がある。妻の親の畑の土地で全然使っていないため利用してもいいよと数年前から言われていた。
畑はいつかやってみたいという思いが以前からずっとあった。
ただ、自分には畑の知識が全くない。プランターでキュウリ、オクラ、ピーマンを育てたことがあるぐらい。畑の水やりが大変そうと思っていたのだが、どうやらマルチという黒いシートを敷くと水やりは不要らしい。
よし、今年こそは。ホームセンターに下見に行く。
そこに山積みされているのをみては毎回迷う。
そう、牛糞、鶏糞。
以下これらをレモンという。
当然このレモンを今まで買ったことがない。袋パンパンの10キロのレモンを車で運び、畑に撒いて。耕して。当然手や長靴にもレモンがつくだろう。畑だからすぐに手も洗えない。できるのか、自分に。想像できない。
看護師という仕事柄、仕事中なら別に何とも思わない。生理現象だし、仕事だし、慣れている。それとは全然別の話。私は普段潔癖症気質。仮に道端の犬のレモンを踏もうものなら1日凹むし、田舎特有の公園に散らばっている鹿のレモンは極力避けて歩くし、トイレの後は石鹸でしっかり手を洗いたいタイプ。
実家の父親が定年過ぎてずっと畑をしているため聞いてみてと、化学肥料より安全だからよく鶏のレモンを使うとのこと。そうか、実家でくれるあの野菜たちはレモンからなる産物なのか。
たしかに昔授業で学んだことがある。人の排泄物を肥溜めにためて畑に撒いていたとか。それが本来のあるべき姿。そういう循環で成り立っている世界。理屈は分かる。分かるけど。ねぇ。
まだレモンも買う勇気がまだ出ない。
そろそろ畑を耕さないとジャガイモを育てるのが手遅れになるらしい。
他にも育ててみたい野菜はたくさんある。子どもにも安全で新鮮な野菜を食べさせたい。
ほんとうにやれるのか。レモンに触れるのか。
「シンジ、レモンを撒け。撒かないなら帰れ。」
「シンジ君畑にレモンを撒きなさい!」
「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。」
そんな気分。
ん〜どうしよ。
