さぁ、畑を始めようか 早急に柵を設置せよ!
「あ!枝豆の苗がない!またやられた!もう嫌!」
先日イチゴの苗がやられ、後発に植えた枝豆の苗も1週間もしない内に野生動物に食べられていた。
もう我慢ならん!早急に柵をせねば!
ただ、柵はするのはずっと気が重くて保留にしていた。
なぜなら、出費がかなりでかいのだ。安く見積もっても5万円は超える。この5万円で色々な野菜を買えるのでは?美味しいお店行ったり、旅行できたりするのでは?とか考えてしまう。
その上、柵作りなんてもの初めてだから、失敗するリスクがかなり高い。現場監督の妻に後でやいやい言われるに決まってる。そして、苦労して作ったのに動物に入られたら、もう目も当てられない。
柵をせずにいけたらいいけど、さすがにそんな悠長なことを言ってる場合じゃない。このままじゃ、いつか全部やられてしまう。
僕は重たい腰を上げた。
とりあえずネットを調べてみて自分なりの柵の設計図を紙に書いてみる。書いて妻に説明している途中で気が付いた。出入り口を作っていないということに。危ない、危ない。
頭の中で何度もイメージし、ホームセンターで柵(高さ1.2メートル×横幅2メートル)を22枚、支柱(高さ2メートル)を42本購入した。あと、杭打ちハンマーに結束するための針金を購入。ほらもう5万円超えた。もう後戻りはできない。失敗は許されないのだ。
サイズ的に自家用車では積めこめないのでホームセンターで軽トラをお借りした。
この軽トラの運転席、背面がほぼ直角になっており強制的に背筋を伸ばされる。あぁ、なんと懐かしい。自分が社会人となりまだ自分の車が持っていない頃、親の軽トラを借りて半年ほど職場まで通勤していた。荷物を運ぶということに特化したこの形、ボンネットがなく正面衝突したら致命的なこの形。ん〜たまらない。
畑につき、とりあえず一本支柱を立ててみる。50センチ打ち込む予定が30センチで地面が固くて打ち込めない。それに、まっすぐ打ち込んだつもりが2歩下がってみてみると全然まっすぐになっていない。「あぁ、これは一人では無理!」とその日は撤収した。

翌日現場監督の妻に協力を仰いだ。
脚立とハンマーを準備し、妻が支柱をまっすぐに支え自分が打ち込む係。二人ですると支柱がまっすぐに立てられ時間をかければ50センチ打ち込むができた。よし、これならいける。
四隅に支柱を打ち込み、一番上の高さで糸を張る。これで高さの目安がすぐに分かる。支柱を打ち込み柵を一枚ずつ設置して針金でしっかりと固定していく。この作業の繰り返し、何度も何度も。一日では完成できず結局3日間、合計15時間程掛かった。
ついに完成!と思ったがなぜか支柱が3本余った。航空整備士が整備完了し飛行機が飛び立った後に、ポケットからネジが3本出てきたような感覚。やばい気しかしないが、もう飛び立った後で無事に目的地にたどり着くことを願うしかない。
完成後近所の農家の人にみてもらった。心の中では師匠と呼んでいる方に。

「おーええやん。ただなぁ、この柵のマス目の大きさではタヌキが入ってくるかもしれんで、それに上からカラスも狙ってくるでぇ」
「え〜タヌキ!せっかく作ったのに。」
電信柱からこちらを見ていたカラスと目が合った。くそ、イノシシにシカ、その上タヌキにカラスか。ここは敵だらけじゃないか。
続行だ!作業継続!
野生動物と我が畑との戦いはまだ始まったばかりなのだ。
