ねてもさめても
付き合って1ヶ月。
来ちゃったと言って上がった。上がらせてくれた。
自然に寄りかかった。くんでくれた麦茶よりあなたが欲しかった。
何も悩んでないけど来た。唯一の悩みの種があなた。だから来た。
「会いたいって言って本当に来るんだ」
「来るよ」頭を撫でられる手が気持ちいい。
知ってる芸人と、知ってるアイドルと、前好きだったアイドルと、知らない芸人が喋るテレビをさりげなく見ながら、手を繋いだり、寄りかかりあったりする。
「ふふ」「ふふ」「麦茶濃い?」「まだ飲んでない」「飲みなよ」「うん。…濃くないよちょうどいい」「良かった。下の方だったから」「そっか」
「あつい?」「あつい」「エアコン下げるわ」「ありがと」「…くっついてるからじゃないの」「そうかも」「離れなよ」「むり」「むり?」「うん、むり」
「この人最近テレビ出てる」「全然わかんない」「…泊まってく?」「泊まっていいの」「泊まって行きなよ、なんかおかしくない?このままばいばいは」「じゃあ、泊まりたいかも」「ふふ、そっか。コンビニ行く?歯ブラシとか買おうよ」「行く」「行こ」
そうやって手を離して、立って、玄関を出てまた手を繋いで、買い物に行った。
「じゃあ」なんて気持ちは私の中にはひとつもなくて、でもじゃあと言った方が、可愛い恋人な気がした。
