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創作SS:記憶の落とし物

表紙画像はGeminiにて生成。画像のプロンプトは
「水彩画 先ほど作ってもらったショートショートの
 主人公の心の中を表現してほしいです」


Geminiの創作SSです。  


記憶の落とし物

その店は、路地裏の突き当たりに
ひっそりと佇んでいた。

看板にはただ一行、
『思い出クリーニング店』とだけ書かれている。

店主の老人は
持ち込まれた「記憶」の汚れを落とし
鮮やかに蘇らせる名人だった。

ある日、一人の青年が色褪せた小さな箱を抱えてやってきた。

「これを、綺麗にしてほしいんです」

中に入っていたのは
古ぼけた金メダル……ではなく

どこにでもあるような
プラスチック製の青い笛だった。

「ほう、これは?」

「僕の、オリンピックの思い出なんです」

青年はポツリポツリと語り出した。

十数年前、自国で開催された大会。
彼はボランティアとして
会場の外で観客の列を整理していた。
うだるような暑さの中
彼はこの笛を吹き続け、声を枯らして道案内をした。

「メダルを争う選手たちの姿は
 一瞬も見られませんでした。
 ただ暑くて、忙しくて、足が棒のようで。
 でも、あの閉会式の夜、見知らぬ国の観客が
 『君のおかげで迷わなかった、ありがとう』
 と、この笛に小さなシールを貼ってくれたんです」

老人は眼鏡を直し、笛を手に取った。

そこには、もうほとんど消えかかった
五色の星のシールが残っていた。

「それは立派な金メダルだ」

老人が特殊な布で笛をひと拭きすると
不思議なことが起きた。

笛の表面から、当時の熱気、歓声
そしてアスファルトから立ち上る夏の匂いが
鮮やかな映像となって店内に溢れ出したのだ。

「……ああ、そうだ。この匂いだった」

青年は目を細めた。

クリーニングが終わった笛は、新品のように輝いている。

「お代はいらんよ。良いものを見せてもらった」

店を出た青年の背筋は、心なしか少しだけ伸びていた。

彼の心の中で、磨かれたオリンピックの思い出
春の陽光を反射してキラリと輝いている。


おしまい



山根あきらさんのお題でした。

Geminiには「オリンピックの思い出」という
言葉だけでSSの生成をお願いしましたが
どこかで裏お題のこと知っていたんでしょうか?😱

まぁAIなので知っていても不思議じゃないですね🤣

最後まで記事を読んで頂き、ありがとうございました🙇‍♂️

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