見出し画像

入浴前の血圧は80程度で大丈夫?〜血圧ではない所を見れば問題ない〜

 最初から結論、入浴前の上の血圧が80mmHg程度でも実施して良いと思う。それより、体調不良や貧血や脱水がある場合は、たとえ上の血圧が100程度有っても実施しない方がよと考える。

 在宅の現場で介護士やご家族からの質問の一つに「日頃から、上の血圧が80mmHg程度でもお風呂に入っていい?」があると思います。
 その値だと何となく怖い気もするが、高齢者であればそこまで珍しくない値。特に細身で小柄な方では、ありがち。
 なんだかんだ言いながらも入浴しても「何も起きな」かったなんて話も珍しくない。高齢者が10人入浴して1人何かあったってのも月に1回もない、年に1回あるかな?ぐらいの頻度だと感じています。季節も然程、関係ない気がする
 とは言え、入浴する際に何か“言い訳“とまではいかないが、根拠というか“文言“的なもがあると何かいい気がする。
 そこで、考え出した合言葉が“貧血や脱水や体調不良が無いから血圧80台だから入浴大丈夫“です



1. 入浴×貧血

 貧血は、細胞に必要な酸素の運び屋(ヘモグロビン)が足りていない状態です。お風呂に入ると、次の事が貧血がない人と比べ起きる可能性が高いです。
 • 立ちくらみや意識を失いやすい:まず、熱いお湯から急に立ち上がったりすると、血圧が急に下がることがあります。熱いのに入ると血管が締まり血圧が一時的に上がりますが、急に出ると血管が広がり、血圧は下がる。次に貧血の人は、脳に酸素を送るヘモグロビン量が少ないので、血圧が下がると脳に酸素が届かなくなって、立ちくらみや、ひどい場合は意識を失う危険があります(目の前が真っ暗になりそれを覚えているのが特徴、痙攣は覚えていな)。
 • 脱力してしまう:細胞に酸素を充分に送れない為、疲労感がでます。イメージとしては、マスクをしながら走る・入浴するみたいな感じかと思います。その結果、体は疲れ果て脱力してしまう場合があります。

2.入浴×脱水

 脱水は、体から水分と塩分の両方、またはどちらか一方が不足している状態です。血管内の水が不足している、見方を変えれば血液が一時的に減っている状態に近いです
 • 脱水が悪化する:お風呂に入ると、体が温まって汗をかきやすくなります。脱水している状態でさらに汗をかくと、体の水分がますます失われ、脱水(血液不足)がさらに悪化して危険です。
 • 熱中症のような状態になる:脱水が進むと、汗をかく事ができず体温調整ができない事に繋がり、入浴中・後に“のぼせる“だけでなく、熱中症に近い状態になることがあります。

3.入浴×体調不良

 風邪などで熱があったり、体調がすぐれなかったりするときは、体は病気と闘うためにエネルギーを使っています。
 •体力を奪われる:入浴は、実は体が温まる一方で、体力をかなり消耗します。体調不良で弱っているときにさらなる負担をかけると、病気が悪化したり、回復が遅れたりすることがあります。
 •自律神経の乱れ:体調が悪いときは、血圧をコントロールする自律神経バランスが崩れやすいです。この状態で急激な温度変化(寒い脱衣所から熱いお風呂へ)があると、血圧の急激な変動(ヒートショック)が起こりやすくなり、大変危険です。

 詰まるところ、上の血圧を気にして入浴するかどうか検討するのもいいが、他のは“大丈夫“かの確認をした方が、色々と良いかと考えます。血圧だけを気にして視野を狭めるのではなく、貧血・脱水・体調不良などといった視野を広げる癖をつける事はより良いと思います。
 仮に、血圧だけを見て入浴しないってなれば、入れない方も入れてあげれなかった方も満足度は上がらないと思います。お互いの為にも“貧血や脱水矢体調不良が無いから大丈夫“って合言葉を使い広く見れれたら、より良いかと考えます

4.おまけの血圧構成要素

 血圧=心拍出量(①心拍数、② 1回の拍動で送り出す血液量、③心筋収縮力)×④全身末梢血管抵抗、とされている。血圧に構成要素を分解すると意外とあることがわかる。
 それらの事を踏まえて高齢者が血圧変動に弱い事を述べていきます
 1.血液量の不足。②に該当
 元々、脱水で血液が少ない為、心臓から送り出す量が少ない故に(心拍出量の低下)、血圧は上がりにくい
 2.心筋収縮力の低下。③に該当
 高齢になると心臓の壁自体が硬くなり、血液を十分に取り込めなくなります。これが、送り出す力の低下につながります(1回の拍動で送り出す血液量低下)。又、長期間にわたる高血圧や、血管の病気(動脈硬化など)によって心筋が傷ついたり、過剰に働かされたりして、心臓の筋肉が弱ってしまうからです。
 3.全身末梢血管抵抗調整が弱い(血管の締まりが鈍い)。④に該当
 本来、血圧が下がったときに血管をキュッと締めて血圧を元に戻しますが、加齢でこの反応(血管抵抗の調整)が弱まり、血圧が変動に弱い。又、動脈硬化がある場合は末梢血管はさらに変動しにくい。さらに、血管収縮拡張の調整は、自律神経支配であり、それこそ体調不良時に乱れやすい

 仮に上の血圧が日ごろから80程度の人は、この①〜④のどれかに何か起きている可能性がある為、そこを気にかけた方がより良いと思います

5.まとめ

 血圧だけを注視するのは視野を狭めてしまう可能性が高く、それが癖になってると何かを見逃してしまう可能性が高まる。その為、一歩引く習慣があるとより良いであろう

いいなと思ったら応援しよう!