お話【ラーテルとミツオシエ】
🍊第49回 3つのお題(ファンタジー)
「星くず市場」「青い鍵」「小さなドラゴン」
片桐みかん様、最終便になってしまいました。
宜しく御願いします。
始まりは【ラーテルとミツオシエ】
此処は、アフリカ。
アナグマのラーテル君は蜂の巣を探して一日中歩き回りました。
所が、其の日は思うように蜂の巣は見つからず腹ペコです。
夕闇迫る頃、空きっ腹を抱えてトボトボと歩いて居りますと、其処へ一羽の小鳥が飛んできてバタバタと騒ぎ立てました。
「もう、僕は空きっ腹なんだぞ」とラーテル君はプンプン怒っています。
然し、小鳥はラーテル君を急かせるようにバタバタと飛び回ります。
この小鳥、本来は蜂の巣の在りかを見つける名人?
違った! 鳥ですから名鳥と申しましょうか、ミツオシエです。
ミツオシエのミツちゃんは、大真面目でラーテル君を急かします。
「もう、なんなんだよー、面倒くさい奴だな~」
ラーテル君、日頃の恩も忘れてプンプン怒っています。
「ねぇ、ねぇ、ラーテル君、良い事教えてあげよう。
夜の街外れに行ってごらんよ。星くず市場ってのが有るんだ。 若しかしたら『夜に蜂の巣を見つける星』って見つかるかも知れないよ」
「エェ~、そんなもの有るのかな」
「判んないけどさ、有りそうだよ。夜は蜂も活動してないから刺されずにすむね。じゃ、幸運を祈るよ。イバイバ~」と言ってミツスイは大急ぎで巣を目指して行ってしまいました。
ラーテル君、星くず市場に行きました。
相変わらず腹ペコです。
でも、星くず屋の店には様々な星が入れ物に入って売られています。
ラーテル君が買うには、高価な値段が付いています。
腹ペコも忘れて見入っていますと、店番の黒猫クローナが 「君の欲しいものは、跳ねだし物の箱の中に有るかも探してあげるよ。 見切り品ばかりだから一つなら5円、3つでも5円だよ」と 言いながら黒猫が掻き回していると6角形の凸凹した星が見つかりました。
「あらー、見つかったわ。此れだね。他に欲しいものない?
「あ、有り難う。今日は此れだけで良いよ」
と言いながらお臍から5円玉を取り出してクローナに渡しました。
「青い鍵」と言う隣の店に色んな鍵が吊るされています。
ラーテルの目が行くと
クローナが「そこは何でも鍵なら小さなものから大きなもの、様々な形の鍵を作ってくれるの。今夜は鍵の神様の命日で無料で作ってくれるわ。
その鍵をもって3軒先のドラゴンが居る店に行って見たら君の望みが叶うかもね」
「そうなの?」と言いながら
ラーテル君は考えています。お腹は空いていますが、
「鍵、無料で作って貰える!」
「こんばんは。鍵を作って貰えますか。」
「ハイハイっ、おいでやす。毎度―おおきに~」と
此方は黒猫クロンが対応に出ます。
「どんな鍵だね。どんな形も大きさも御手のもんだよ。
坊やの欲しい鍵は?
「おいら、父ちゃんと母ちゃんに逢いたいんだ。
おいらが、産まれて間もない時に人間がやって来て... 父ちゃんも母ちゃんも連れて行かれちゃった。
逢いたいんだ。
でも、何処かの動物園にいるって渡り鳥に聞いたんだ。 檻に入れられてるって」
「そうか、坊や、苦労してるんだな。
よしっ、このクロンさんが腕に撚りを掛けて檻を開ける鍵を作ってやろうじゃないか」
「坊やは、取り敢えず今晩は帰りな。明日の夜においで。気紛れドラゴンも今夜は店を出してないからな」
その晩、ラーテル君はお臍に隠した蜂の巣形の星くずに導かれて樹の洞に作られた蜂の巣を見つけました。
たっぷり食べて、お腹一杯のラーテル君はぐっすり眠りました。
次の日の夜、黒猫クロンから出来上がった青い鍵、ラピスラズリがはめ込まれた鍵を受け取ると「小さなドラゴン」の店に行きました。
ドラゴンのドラコ様は女の子のドラゴンでした。
とっても可愛くてラーテル君が店先でモジモジしていると、黒猫のクロビッチが声を掛けました。
「ラーテル君だろう。鍵は持ってるね。
じゃ、今から動物園までドラコ様が連れて行ってくれるから、中に入んな」
小さなドラゴンのドラコ様は、鍵を受け取ると目を瞑り何やらモグモグと唱えています。
すると、周りのものが消え去りドラコ様先頭に黒猫クロビッチとラーテルは大きくなった鍵に跨って大空を飛んでいます。空には無数の星が輝き、三日月に腰かけた女神が笑って手を振っています。
忽ちの内に、鍵に乗った3人?3匹?
ある場所のある大きな動物園に到着しました。
ラーテルの親も見つかり、閉じ込められた檻の鍵を開け助け出しました。
そして、ラーテルは其の動物園の全ての檻の鍵を青い鍵で開けて回りました。
翌朝の動物園は大変な騒ぎになりました。
何しろ一晩で全ての動物たちが消えてしまったのですから。
さて、動物たちはどうしたのでしょう。
其れは、ドラコ様の呪文で囚われる前の自然へと返されて夫々の一生を終えました。
49回の3つのお題(ファンタジー)宜しく御願いします。
有り難う御座いました。<m(__)m>
