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3つのお題ファンタジー「空とぶ喫茶店」

私には悩みが有りました。
昨日まで愛し合っていた人が、小さな誤解から牙を剥き相手を傷つけ去って行った。
その様な場面に直面した私は、誰も信じられなくなり死を望んでいた。

しかし、この世界の何処かに空を飛ぶ喫茶店が有ると素敵な女性から聞いておりました。

私も、その喫茶店を見つける事が出来るかしら。
どうせ死ぬのなら一度は行って夢を見たいものと思いました。

其処は、不思議な空間で喫茶店のマスターが、その日の月の欠け具合で味が変わる「三日月ブレンド」と言う飲み物を勧めてくれるそうです。

夜の広場のベンチに腰かけて星空を眺めていました。
私が「フウゥ~」と思わず深い溜息をついたところ、
すう~と頭上に何かが静かに止まる音がしました。

見上げると空中に「Sky Café」と看板の掛かった舟形の喫茶店が止まっておりました。

「あらっ、彼女が教えて下さった喫茶店ね。本当なんだわ」

入口からシルバーヘアの渋いフェイスのマスターが「お客さま、どうぞ」と招き入れてくれました。

テラス席も良いけれど、少し肌寒さを感じていた私は喫茶店の中に入って窓側の席に案内してもらいました。

テーブルには良い香りのするブーケが飾られて心を落ち着かせてくれます。

店内の天井には星の音符が下がり天上の音楽が奏でられ、私のささくれ立った気持ちから棘が抜け落ちて行くようです。

窓の外、遠くに「深夜0時の観覧車」も見えました。

マスターが淹れてくれた三日月ブレンドには星の天使が銀の盃に三日月の雫を一滴貰ってきて入れてくれました。

一口飲むと、死への気持ちは消え失せ未来が見えてきました。

その飲み物を飲み終わると、瞼が重くなり一時の睡魔に襲われてしまいました。

ほんの一瞬の眠りから目覚めると仄かな甘さと爽やかなミント香りが広がり重く沈み込んでいた心が軽くなった私はベンチに腰かけて星空を仰ぎ見ていました。

時刻は午前0時、教会の鐘が12回鳴りました。

「心からの求めが有れば、何時でも御会いできるでしょう」

私には、そのようにマスターの声が聞こえたように思えたのです。



Kei様の御投稿「Sky Café」の素敵なショートストーリーに惹かれて、  最後の言葉
「お気をつけて。次は、あなたの夢の続きでお会いしましょう」の    続きに失礼とは思いましたが、創作させて頂きました。
<m(__)m>


#3つのお題に空想のひらめきを
#片桐みかんさん企画

有り難う御座いました。