【大人の自由研究・番外編】94歳の祖父と、AIで生み出したゆるキャラたち
※今回は「大人の自由研究」の番外編として、94歳の祖父との小さな共同制作の記録です。
94歳になっても、創ることをやめない祖父
私には、94歳になった今も、現役で畑仕事をしている祖父がいる。
祖父は昔から創作活動をすることも好んでおり、
少しシュールで、どこか愛らしく、見ていると自然と笑顔になってしまう、
不思議な魅力を持ったキャラクターたちを生み出している。
「この子たちを、ゆるキャラにしてみたらどうなるだろう。」
そう思ったことが、今回の試みの始まりであった。




(椿の木の彫刻、帽子は祖父が育てた大根の頭)

アナログな創造力と、AIという新しい相棒
祖父の作品には、長い人生の中で育まれてきた独自の感性が詰まっている。
一方で、デジタル技術は少し遠い存在であった。
そこで思いついたのが、
「94歳のアナログな創造力」と「最新のAI技術」を掛け合わせること。
祖父が創作したオリジナルの作品をもとに、
AIの力を借りながら、現代のキャラクターとして形にしていく。
それは、世代を超えた共同制作のような時間であった。
AIが新しいものを生み出したというよりも、
祖父が長年育ててきた世界観に、新しい表現方法が加わった感覚に近い。
ゆるキャラチーム『元気ガ一番』
こうして、個性豊かな仲間たちで構成されるチームが誕生した。

祖父の作品の特徴は、
「少しシュール(奇妙)で、でもどこか憎めない表情や色使い」にある。
その独特な雰囲気はそのまま残しながら、
AIの手を借りて親しみやすさを加えてみた。
そして、『元気ガ一番』という名前には、
祖父から孫・ひ孫に対するシンプルなメッセージが込められている。
「何よりも元気が一番。」
年齢を重ねたからこそ、たどり着く言葉なのかもしれない。
AIは、人の創造性を奪うものではなく、広げるものかもしれない
AIについては、
「人間の仕事を奪う」
「人間の創造性を奪う」
という言葉を耳にすることがある。
しかし、今回の体験を通して、私は少し違う見方をするようになった。
AIは、人間の代わりになるものではなく、
人が持っている創造性を広げるための道具
なのかもしれない。
94歳の祖父が何十年もかけて育ててきた創造性を、
今の時代に届けるための「翼」になってくれた。
また、ゆるキャラ化の過程において、
AIで生成された「つばきくん」の画像を見た祖父が、
それに応えるように大根の頭を帽子に見立てて実物の作品にかぶせる変更を加えるなど、
創作意欲をさらに刺激しているシーンもみられた。
年齢やデジタルスキルの有無に関係なく、
「つくりたい」という気持ちは誰の中にもある。
AIは、その気持ちを形にする新しい相棒になれるのだと思う。
大人の自由研究は、いくつになっても続けられる
最近、「大人の自由研究」という言葉を使って発信をしている。
その根底にあるのは、「研究対象は “わたし”」という考え方だ。
しかし、今回の出来事を通して、もう一つ気づいたことがある。
それは、大人の自由研究は、自分一人で完結するものだけではないということ。
誰かが長い時間をかけて育ててきた「好き」や「創造性」に、
新しい時代の道具を添えながら、一緒に未来へ手渡していくことも、
また自由研究なのではないか。
そんなことを、94歳の祖父から教わった気がしている。
今回生まれたゆるキャラチーム『元気ガ一番』が、
誰かの日常に小さな笑顔を届けられたら、とてもうれしい。
そして孫としては、祖父の次なる作品を楽しみに、また帰省したいと思う。
たくや|ミライノネ研究所
