【51歳のおっさん】人生2度目の詐欺にあう。16歳のVHS黒歴史とPayPay返金詐欺の手口
こんにちは、つかちゃんです。
結論から言うと、詐欺は「欲しい」「焦る」「今しかない」と思った瞬間に、こちらの判断力を根こそぎ持っていきます。
つい先日、僕は人生で2回目の詐欺に引っかかりました。
1回目は16歳の高校生。2回目は51歳、時計好きのおっさんになってから。
年齢は35年違うのに、騙される時の頭の中は、驚くほど同じでした。
「欲しい」が勝っていたんです。
16歳、高校生。集合ポストで人生初の詐欺に出会う
今から約35年前。
僕は16歳、高校生。思春期ど真ん中です。
たしかテスト期間中で、いつもより早く学校から帰宅した日でした。当時はマンション住まい。集合ポストには、スーパーのチラシ、不動産のチラシ、学習塾のチラシ……色んな紙が雑多に入っています。
その中に、一枚だけ異様な存在感を放つチラシがありました。
タイトルには、今なら完全にアウトな勢いで、
「㊙️女子大生ナンパ♡」「人妻丸見え♡なんちゃら」
と書いてある。
16歳ですよ。
興味しかありません。
順調に大人の階段登っております。
しかも当時は、まだVHSビデオの時代。
チラシにはこう書かれていました。
10本セット 9,800円が今なら2,980円!
安い。
バイト代も入ったばかり。
欲しい。
欲しい。
もう頭の中は、テスト期間どころではありません。高校生つかちゃんの脳内は、見事なまでにピンク一色でした。

当時は電子決済なんてありません。
郵便局へ行き、指定口座に2,980円を振り込み、住所も名前も書いて申し込み。
今思えば、個人情報を自分から「どうぞ持っていってください」と差し出していたようなものです。
約1週間後。
ちゃんと荷物が届きました。
「おおっ! 本当に来た!」
この時点では、詐欺なんて1ミリも疑っていません。
ところが、こういう時に限って家族がなかなか寝ない。ひとりになれるタイミングがない。
数日後。
我慢できなくなった僕は、夜中にこっそり作戦を決行しました。
有線イヤホン装着。音量レベル最小。
部屋のドア確認。家族の気配なし。
異常ありませんっ!
隊長❣️準備OK❣️
(`・ω・´)ゞ 敬礼っ❣️
VHSデッキの「ガチャッ」という作動音が、なぜか家中に響いているように感じる。
心臓バクバク。
女子大生ナンパのテープを再生。
生唾を飲み込みながら、画面を見つめます。
すると。
そこに映ったのは――
野原を駆け回る、可愛らしい子猫数匹。

「ん?」
「なるほど。警察対策のダミー映像か」
16歳の僕は、都合よく解釈しました。
早送り。
……子猫。
さらに早送り。
……まだ子猫。
最後まで見ても、子猫たちが楽しそうに走り回っている。
他のタイトルを再生してみる。
子猫。
また別のテープ。
子猫。
どれを入れても、子猫。
女子大生も人妻も、どこにもいない。
いるのは元気いっぱいの子猫だけ。
「あと1,980円で正規品を送ります」……いや、もう騙されへんぞ
箱の中には、一枚の紙が入っていました。
そこには、こんな内容が書かれていた記憶があります。
びっくりされたことでしょう。これは警察対策のダミーテープです。正規品を送るため、追加で1,980円を振り込んでください。
16歳の脳みそでも、ようやく分かりました。
「……なんかおかしいぞ」
「これ、騙されたんちゃうか?」
そこで人生初の詐欺被害に気づきました。
2,980円。
高校生の僕には、なかなか大きな金額です。
ただ、あの時に学んだことがあります。
欲が前に出ると、人は怪しい話でも都合よく信じてしまう。
そして、詐欺師はその「もう少しで手に入る」という気持ちを、次の支払いに使ってくる。
あの「あと1,980円払えば正規品を送る」という紙は、今で言うところの追加請求型の詐欺だったんでしょうね。
なお、僕の16歳の淡い夢は、野原を走る子猫たちに全て持っていかれました。
子猫に罪はありません。
むしろ、あの子猫たちは可愛かった。
悪いのは、子猫を盾にした詐欺師です。
51歳、今度はCASIO DW-290-1でやられかける
そして時は流れ、51歳。
今の僕は、時計好きです。
タグ・ホイヤーやブライトリングも好きですが、最近は特にチープカシオ沼にどっぷり浸かっています。
そんな僕がずっと探していた時計があります。
CASIO DW-290-1。
映画『ミッション:インポッシブル』第1作で、イーサン・ハントが劇中で着用していたとされるモデルです。

すでに販売終了しており、新品はなかなか見つかりません。
元々は3,000円台で買えた時計なのに、Amazonでは20万円近い価格になっていることもある。フリマサイトでも中古で数万円。
さすがにAmazonの20万円は異常です。
そんなある日。
先月5月20日の早朝4時過ぎ、たまたま目が覚めました。
寝ぼけたままスマホでDW-290-1を探していると、見たことのないネットショップに1本だけ在庫がありました。
しかも新品。
価格は――3,120円。
「あるやないの!」
「しかも定価みたいな値段!」
起きたばかりの頭は、正常な判断力を失っていたのでしょう。
サイトの会社情報も、レビューも、URLも、何も確認せずに個人情報を入力。
PayPay決済。
決済完了。
「買えた!」
その時の喜びは、16歳の時とほぼ同じです。
違うのは、欲しかったものがVHSからCASIOに変わっただけ。
人間、51歳になっても欲に負けます。
「在庫切れなのでPayPayで返金します」から始まった詐欺の流れ
数日待っても、時計は届かない。
1週間後、メールが来ました。
残念ながら在庫切れのため返金します。PayPayのQRコードにアクセスし、LINEの指示に従ってください。


この時点で、僕は思いました。
「これは詐欺やな」
それでも、どんな手口か確認するためにLINEへアクセス。
すると相手から返事が来ます。
「PayPayのQRコードを送ってください」
ここで完全に分かりました。
返金用のQRコードではなく、こちらが送金するための流れに持っていこうとしている。
LINEで相手に聞きました。
「これ、詐欺ですか?」
相手は平然と返してきます。
「返金する段取りです」
いやいや。
どう見ても、そのQRコードは支払い・送金のためのものです。
僕は相手に、
「このアカウント情報は警察に提供しました」
と返しました。
その後、返事は二度と来ませんでした。
後日、テレビでPayPay返金詐欺の逮捕ニュースを見ました。
手口が、ほぼ同じ。
「在庫切れなので返金する」「LINEを友だち追加して」「PayPayで操作して」「QRコードを送って」
これです。
国民生活センターや消費者庁も、通販サイトの返金を装い、コード決済で返金すると見せかけて、逆に送金させる詐欺について注意喚起しています。特に「LINEへ誘導」「QRコードの読み取り」「送る・受け取る機能の操作指示」は危険信号です。 (中央省庁の広報)
詐欺に遭わないために。51歳のおっさんが決めた5つの確認
今回の件で、僕はあらためて思いました。
詐欺は、頭が悪い人が騙されるものではありません。
「欲しい」「安い」「今しかない」「返金してもらわないと困る」
そう思った瞬間、誰でも判断を急がされます。
だからこそ、買い物の前に一度だけ止まる。
僕が今後、自分に課すチェックはこの5つです。
1.相場より極端に安い商品は、まず疑う
販売終了品、限定品、人気商品が「新品なのに定価以下」で出てきたら、一度スマホを置く。
消費者庁も、偽サイト対策として「商品価格が極端に安くないか」を確認するよう呼びかけています。 (中央省庁の広報)
2.見慣れない通販サイトでは、会社情報と電話番号を確認する
会社名、住所、固定電話番号、特定商取引法に基づく表記。
これがない、または文章がおかしい場合は買わない。
「残り1個」「本日限定」「今だけ大幅値引き」は、焦らせるための演出かもしれません。
3.返金でLINE追加を求められたら止まる
普通の通販で、返金のためにLINEの友だち追加を求められることは不自然です。
返金の話なのに、LINE、QRコード、電話操作へ進ませようとする場合は、かなり警戒した方がいいです。 (中央省庁の広報)
4.PayPayの「送る」を押す前に、画面を声に出して確認する
返金される側なのに、自分が「送る」を押していないか。
QRコードを読んだ後、金額を入力させられていないか。
少しでも分からなければ、操作を止める。
PayPayも「送る・受け取る」機能を悪用した詐欺への注意を案内しています。 (PayPay)
5.怪しいと思ったら、相手に聞かず第三者に相談する
詐欺師に「詐欺ですか?」と聞いても、当然「違います」と言います。
家族、友人、消費生活センター、警察に相談した方が早い。
被害に遭った、または情報を入力してしまった場合は、サイトのURL、メール、LINE画面、決済履歴などを保存し、警察や決済サービスへ相談することが大切です。警察庁も、偽ショッピングサイトの被害ではURLや画面の記録を持って相談するよう案内しています。 (警察庁)
16歳でも51歳でも、欲しいものがあると人は弱くなる
16歳の僕は、怪しいVHSチラシに心を持っていかれました。
51歳の僕は、CASIO DW-290-1に心を持っていかれました。
詐欺師は、こちらが欲しいものを理解しています。
だから、欲しい物を見つけた瞬間ほど、一回止まる。
「これは本当に安いのか?」「なぜここだけ在庫があるのか?」「なぜ返金なのにLINEへ誘導されるのか?」
この3つを考えるだけで、防げる詐欺は増えるはずです。
あの時、子猫しか映っていなかったVHS。
今なら笑い話にできます。
でも、PayPay返金詐欺のように、気づかず操作を続けていれば、数千円どころか数万円、数十万円を送金させられる可能性もあります。
欲しい時計は、また探せばいい。
欲しい物より、生活を守る方が大事。
51歳のおっさん、人生2度の少額詐欺・被害から学びました。(普通は1度で学べよ……)
皆さんも、怪しい「激安」と「返金手続き」には、本当に気をつけてください。
そして、子猫しか映らないVHSが届いた時は。
追加で1,980円を振り込まないでください。
それは正規品への道ではありません。
詐欺被害への第二ステージです。
下のニュース記事が手口がそのままで、逮捕された記事です。
