母さん、ソロキャン行ってきた―日常への帰還
昨晩の焚き火の匂いが髪にまだ残る。
夜明けが早く、明るくて5時には目が覚めてしまった。
早すぎる…
手元にある水筒の水の残りを、一気に飲み干してまた横になる。
子供の声が聞こえてきた。
7時。
暑くてシュラフのファスナーを開け、足を出して、更に肩も出してゴロゴロしていたけど、起きよう。
朝食にはイングリッシュマフィンにチルドのハンバーグ、目玉焼き、レタスを挟めた“朝マック風”ハンバーガーとトマト、トマト味のポタージュ。

昨晩の献立からお気づきの人はいるだろうか?
実は今回の調理器具はフライパンのみ。
それと小さなケトル。
荷物の確認をした時、本当にこれで足りるのか?!と不安を覚えたけど、足りた。
フライパンひとつでも、思いのほか充実した食事ができた。フライパン、侮れない。
ゆったり朝食を摂り、身支度して片づける。
10時チェックアウト、9:53完了。
私の片付け最中にチェックアウトに向かう車が何組か通過したけど、全く焦らない。
なぜかって、起きてすぐ寝具とテントは片づけていたから、心にゆとりがあるのだ。
今日も朝から暑い。
テーブルや身の回り品を片付け、タープを片づけたころにはすでに汗だく…
キャンプ場から400mのところに温泉がある。
料金は県内450円、県外500円とリーズナブルで、キャンプ場利用で50円引きのサービス券をもらっていたからさらにリーズナブル。
さっぱりして帰ろうではないか。

朝9:00から開いている花笠の湯
午前10:00はまだ空いていて、ゆったり、すっきり、リフレッシュできた。
自宅までノンストップで帰っても3時間かかる。
温泉から出て11:00を回っていたので、昼食を食べて帰ることにする。
キャンプ前からここに来たいと思っていた「ささにしき食堂」。
ホルモン煮込みが推しメニューらしい。
他にもラーメン、豚汁、牛丼、親子丼と、世の男子が好きそうなメニューが揃い踏み。
推しのホルモン煮込み、心躍る…
女性一人で入るにはちょっと勇気がいる店かと思いきや、女性客も割といた。
ただ、女性のソロは私だけだったけど。笑

少しの間並んで待ち、席に通される。
待つ間にネット検索してメニューを見ていたら迷ったけど、やはりここは“推し”の「ホルモン煮込み定食」で。

胃袋に自信がある方ではないので、注文するときに自分に「食べられるか…?」と何度も問いかけてみたけど「いける!」と返してきた。
しっかりと味の染みたホルモンはご飯が進む。
勇気と強靭な胃袋があれば+100円でごはん大盛にし、最後は汁にご飯を浸して食べていただろう。
オプションの生卵やバターも魅力的な響きがあった。
しかし、「いける!」と返してきた胃袋は虚勢を張っていただけらしく、完食して立ち上がったら急に満腹がやって来た。
ごちそうさまでした。
お勘定を済ませて車に乗り込む。
この後は家に向かって、来た道をひたすら戻るだけ。
あ、買い物しなきゃ。
自動車専用道路を通過して山を越え、見覚えのある街並みからいつものスーパーへ。
車のドアを開け、その駐車場に降り立つ。
ディズニーランドのゲートから出るのと同じくらいのギャップがある。
日常の扉を開けてしまった…
買い物カゴ片手にうろうろするけど、メニューが思い浮かばない。
なぜか、、、餃子の皮と目が合ってしまった。
ロックオン!!
我ながら攻めすぎだと思う。
メニューが思い浮かばないからと言って、餃子をチョイスするあたり…ね。
一番選んではいけないものではなかったのか。
献立の後悔とスーパーの袋、キャンプのクーラーボックスを左右にぶら下げ、背中に着替えの入ったリュック。
「ただいま」と扉を開けて、ドアのふちにクーラーボックス…ゴンッ!
最小の回数で荷物を運びきりたいので、いつもこんな感じの帰宅になる。
その様子を、網戸越しに黒猫が目を細めて「ミャー」っと鳴いた。
「ありがと、ただいま」と猫同士の挨拶みたいに瞬きしてみる。
家族はそれぞれの部屋で過ごし、まだ気づいていない様子。
冷蔵庫に収めて、また車へ荷物を取りに行く。
シュラフを干して、洗濯機を回し、荷物を整理する。
座ったらお仕舞だ。
己を鼓舞してキッチンに再び立つ!
「なぜ餃子?…」
ひとり突っ込みをしながら、野菜を刻む。
すると、各部屋から一人、また一人とやってきて
「おかえり」
「ただいま」
「楽しかった?」
「楽しかったよ」
「包むの手伝うか?」
「うん、助かる」
こうやって、またいつもの感じに戻るのである。

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