時空の歪みと、私の化石。
私は久しぶりに『嫉妬』した。
相手は内田有紀。
内田有紀さんだ。
嫉妬の対象としてあえて『さん』を抜いたが、心のなかでは本当は『内田有紀様』と崇めている。
原因は「ヒロシのぼっちキャンプ」。
正月に見逃していた特番が再編集で放送され、それを録画したものを今日見てしまったのがいけなかった。
普段、テレビドラマで観る内田有紀さんはもちろん美しい。
しかし、キャンプ場という剥き出しの自然で内田有紀は異彩を放っていた。
若干私のほうが先輩なので、敬語を使ってもらいたいところだが、目の前にしたら私が敬語を使うだろう。
私と同年代である。
同じくキャンプが趣味である。
……おかしくね?
内田有紀は宇宙人なのか?
無重力空間で生きているのか?
同じ太陽の下、おかしくね?
私は今、バックパックでキャンプをする目標のために1g単位で調理用秤まで駆使して軽量化と向き合い一喜一憂している。
ベクトルが完全にオカシイ。
日焼け止めは去年のものが半分以上余っている…
ヘアオイルは○年前のがまだある。
ファンデーション?化石の名前ですか?
そんな人間である。
だから、フィールドに出た内田有紀は目がつぶれるほど美しかった。
ロロのテントも眩しかった。
その夜、私は風呂上がりに鏡を見て頬を耳のほうへと少し引き上げ、一瞬だけ若くしてみた。
こめかみの髪の毛をもう無理というほど引っ張ってハーフアップにしようかとも考えたが、きっと頭皮が痛い。
私は2回に分けて放送されるこの内田有紀特別版を来週分、平常心で観られるか不安である。
ハンカチの角を噛み締めて引っ張りながら己と戦うに違いない。
そして、わたしは無印週間の10%引きを狙って化粧品コーナーに潜入した。
そして薬用リンクルブライトシリーズの化粧水を手に入れ、いそいそと帰ってきた。
もうそろそろなくなっている“はず”の化粧水が蛍光灯にかざしたとき、ゆっくり半分を超えていた。
この時点で、内田有紀に完全に敗北である。
今年も徐々に色濃くなる手の甲や腕を娘に見せて笑われるのだろうけど、私はこれでいいかな。
まあ、今日気づいた化石は処分するけれど、新しい化粧水の封を切るのももう少し後になる。
とりあえず朝晩忘れずに使おうと言う気持ちにさせてくれた内田有紀に感謝だ。
あなたは本当に美しい。
キャンパーの寄り道日記vol.11
