3月のライオン・18巻感想
『3月のライオン』の新刊が、約2年ぶりに発売されました。大好きなマンガの1つです。
今回も、相変わらずの濃ゆいキャラ達が大暴走!
最高に面白かったです。
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1.物語のあらすじ
主人公は、東京の下町に一人で暮らす、17歳のプロの将棋の棋士=桐山零(きりやまれい)。
しかし、彼は幼い頃、事故で家族を失い、深い孤独を抱えた少年だった。そんな彼の前に現れたのは、あかり・ひなた・モモの3姉妹。彼女たちと接するうちに零は…。
様々な人間が、何かを取り戻していく優しい物語です。
このマンガを知ったきっかけは、NHKのEテレで放送されたアニメです。
当初は、やたら暗い物語という印象でした。
真っ黒なカラスの大群がバサーッと飛んだり、大海原を溺れそうになりながら漂ったり、深い水の底に沈んだり。
桐山の心情を表す描写が、何とも不穏だったのです。
対局を終え、気力も体力も使い果たし、早く泥のように眠りたい桐山。理由をつけて、そんな桐山を家に招く川本家の人々。気にかけてもらったり、反対に川本家のピンチを救ったり。
お互いに無くてはならない存在になっていき、桐山にとって安心して帰れる場所になるのです。
それは、桐山が小さい頃に失くしてしまったもの。
内弟子として入った家は、自分という異物が入ったせいで、バランスが崩れてしまう。みるみる身を持ち崩す子どもたちに居たたまれず、逃げるように家を出た。
その罪悪感を乗り越えて、手にすることができたのです。
自分の事で精一杯だった桐山が、人の温かさに触れ、周りの人々にも返すことが出来るようになっていきます。
桐山を取り巻く棋士の方々も、とっても個性豊か。
みんな大好き、二階堂晴信(坊)。
夭折の天才棋士、村山聖九段がモデルです。どんな棋士だったか、『聖の青春』というノンフィクション小説で知ることができます。二階堂のように、命を賭して、将棋を指し続けた方です。
そんな二階堂に、
「桐山の頭をかち割ってほしいのです」
と言われ、研究会に誘う島田開八段。
ってか、二階堂に気にかけてもらって、羨まし過ぎる、桐山。
孤独に研究していた桐山が、研究会でわちゃわちゃ議論することで、童心に帰ります。
孤独だった高校生活。何かと気にかけてくれる林田先生のお陰で、将棋科学部というキテレツな部で友人ができ、曲がりなりにも青春を送ることができた。
水の底のような闇と、ひなたの間を行きつ戻りつしながら、失ったものを取り戻しつつあるのが、17巻まででした。
2.見どころ
クライマックスは、島田八段との対局。
童心に帰りすぎて、ジャックラッセル化した桐山を島田トレーナーが、優しい笑顔で厳しく躾けます。
この辺りの描写は、毎度のことながら本当に面白いです。
ドッグランタイムが終わったと思ったら、島田八段の怒涛の攻め。白熱の攻防。
畳み掛ける❝詰めろ❞。苦しい桐山。しかし、島田八段も後が無い。
外は雪が散らつき始め、ふと空を見上げた桐山は、滑らかなひなの手仕事を思い出します。
みるみる心が落ち着いていく桐山。盤上を見つめるその目には、一筋の光が━━。
対局の朝、万全の準備をしたはずの島田八段を、次々とトラブルが襲います。
島田八段らしい展開ですが、極めつけは、道に落ちた財布。
勝負をかける方々は験を担いだり、神頼みもありますから、無下には出来ない。
徳を積んでおこう、というのもあるでしょうね。
帰り道、島田八段の胸に去来する不安。
「自分の全盛期は、ここで━━━あとは緩やかに下って行くだけなのではないか」
実力が全ての世界なので、後から来る者に淘汰されるのは、避けられないことです。
その不安に取り込まれてしまったら、前を向く気概は、失われてしまうでしょう。
しかし、「また、俺は財布を拾うだろう、何度でも」
まだ、自分が走れる事を再確認するのです。
いぶし銀の島田八段。カッコいいです。
3月のライオンの魅力は、誰しもが持つ内面の闇を描いているところだと思います。
闇で終わらず、葛藤して光に向かう。その光と闇のバランスが絶妙なので、ぐいぐい惹き込まれるのだと思います。
本編ももちろんですが、『先崎学九段のライオン将棋コラム』も良きです。無いと寂しい。将棋界の裏話が知れて、面白いです。
3.これからの展開
巻末には、次巻、堂々クライマックスの文字が…。
獅子王戦トーナメントというと、因縁のあの方ですが、相まみえるんでしょうか。
そして、香子との関係にも決着がつくのか?
次巻、いつ発売になるか分かりませんが、今から楽しみです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
二階堂推しには読んでほしい↓泣けます
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