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国民健康保険法 重要50選 No.35 第59条:給付制限(収容・拘禁中の給付制限)

国民健康保険では、被保険者が少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき、または刑事施設・労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているときは、その期間に係る療養の給付等が行われません。これは、収容・拘禁中の医療が原則として矯正施設側の負担で行われるため、国保との二重給付を避ける趣旨によるものです。あくまで「給付の停止」であって被保険者資格そのものを失うわけではない点は、実務上とても誤解されやすいポイントです。
この記事のポイント
・少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき(第1号)は療養の給付等が行われない
・刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき(第2号)も同様
・給付制限の対象は「療養の給付等」であり、被保険者資格の喪失ではない
・保険料の納付義務は原則として継続する
・世帯の他の被保険者の給付には影響しない
条文の内容(原文・口語訳)


条文原文
第五十九条 被保険者又は被保険者であつた者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その期間に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、訪問看護療養費、特別療養費若しくは移送費の支給(以下この節において「療養の給付等」という。)は、行わない。
一 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
二 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。


わかりやすい解説
第59条は、国保法第四章第三節「保険給付の制限」の冒頭に置かれた規定で、被保険者が少年院や刑事施設等の矯正施設に収容・拘禁されている間、療養の給付をはじめとする一連の医療系給付(療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費)を行わないことを定めています。
矯正施設に収容・拘禁されている者に対する医療は、少年院法や刑事収容施設法等に基づき、原則として国の負担(公費)によって行われる仕組みになっています。そのため、同じ医療について国保からも給付を行ってしまうと、公費と保険給付の二重給付となってしまうことから、第59条によって国保側の給付を停止する構造がとられています。
ここで重要なのは、この規定はあくまで「給付を行わない」というものであり、被保険者としての資格自体を失わせるものではないという点です。したがって、収容・拘禁されている間も世帯主・世帯員としての被保険者資格は継続し、保険料の賦課対象からも外れません(別途、条例上の減免制度が用意されている場合はその適用を受けることがあります)。
対象となるのは収容・拘禁された本人のみであり、同一世帯に属する他の被保険者(配偶者や子など)の給付には一切影響しません。この点も、資格喪失と混同されやすいため、相談対応の際には特に丁寧な説明が求められます。

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