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人手不足なのに、採用の仕事を現場の善意で回していた話

人が足りない時期ほど採用は大事になります。
それなのに実際の中小企業の現場では、採用の仕事がきちんとした仕事として置かれず、兼務の人事担当者が何とかするものになりやすいです。

面接枠を出してもらう。
評価を返してもらう。
求人の内容を確認してもらう。
候補者への説明で足りないところを埋めてもらう。

ひとつひとつは大きな仕事には見えません。
でも、それが全部、現場の善意に乗っている会社は採用が続くほど苦しくなります。

最初は回ります。現場も協力してくれるし採用担当も頑張る。
ただ、忙しい時期が続くと、返事が遅れることより先に空気が変わります。採用に協力することが、誰の仕事でもない状態になっていくからです。

採用の仕事が正式な役割になっていないと、忙しくなるほど後ろに回りやすくなります。

また、採用がうまくいかない理由を求人や市場のせいだけで説明したくなる時期があります。もちろん市場の影響はあります。人手不足感が強い企業は多く、採用の難しさは広く共有されています。
ただ、それとは別に社内で起きていることがあります。

採用担当が、採用の推進役ではなく調整役になっていくことです。
候補者を前に進めるより、現場に催促する時間が増える。
求人を改善するより、面接日程を埋めることに追われる。
歩留まりを見直すより、返ってこない評価を待つ時間が増える。

こうなると、採用の仕事は前に進みません。
正確に言えば、前に進めるための仕事ができなくなります。
人を採るために必要な実務が、日々の割り込み対応に押し流されていくからです。

ここで厄介なのは誰も怠けていないことです。
現場も忙しい。採用担当も忙しい。経営も急いでいる。
全員がそれぞれ正しいので、問題が構造として残ります。

採用担当が調整業務に埋まると、採用を前に進める仕事が後ろに下がっていきます。

この状態が長引くと、採用の話なのにだんだん事業の話になります。
面接に出る人の時間が削られる。
評価を書く人の集中が切れる。
候補者への返答が遅れ、現場ではまた一人足りない状態が続く。
欠員を埋めるための採用なのに、その採用のせいで現場の余力が減っていく。そんな循環が起きます。

それでも社内では、採用を増やそう、応募を増やそう、紹介会社を増やそう、という話になりやすいです。
でも、本当はそこではない。
採用を支える実務が、善意と兼務の上に乗っていることが問題なのです。

人が足りない会社ほど、採用は片手間で回せません。
ところが実際には、採用こそ片手間になりやすい。
この矛盾が、どうしてもうまくいかない原因を作ってしまいます。

経営の立場で見ると、採用コストというと紹介料や媒体費が先に見えます。
ただ、現場の時間が毎週削られていることも、十分に大きなコストです。
しかもこちらは、会計上きれいに見えません。だから後回しにされやすい。
でも、採用が続くほど確実に積み上がっていきます。

採用費は見えやすいですが、現場の時間が削られる損失は見落とされやすいです

ここでようやく、採用を誰がやるかではなく、採用の仕事をどう置くかの話になります。
現場の善意で何とかするのか。
採用担当が全部抱えるのか。
それとも、採用を前に進めるための実務をきちんと機能として持つのか。

人手不足の会社で必要なのは、採用を気合いで回すことではなく、採用を回す仕事を正式に置くことです。
候補者対応、進捗管理、現場との接続、歩留まりの改善、求人の修正。そういう実務を、誰かの善意ではなく、専任の仕事として扱う。
そこまでいかないと、採用はいつまでも忙しい人たちの隙間で処理され続けます。

採用が止まっているのではなく、採用を進めるための仕事が置かれていない。そう見たほうがいい会社は、実際かなりあります。
そして、その状態なら社内だけで抱え込むより、外から採用実務を補う選択肢を持ったほうが早いことも多いです。ここで初めて、RPOという発想が現実味を持ってきます。


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