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3度目の起業で再び挑戦する「志の経営」クラウド人材バンクの現在地と未来

本記事では、当社も利用している採用支援サービス“ツクチム”を運営する株式会社C(以下、C社)にインタビューしていただきました。

以下はインタビュー記事です。


クラウド人材バンクは2021年に設立し「人材の流動化によって、日本の競争力を強化する。」をミッションに、フリーランスのデジタル人材と企業のDX案件のマッチングプラットフォーム「デジタル人材バンク」を運営する企業です。

今回のインタビューでは、なぜ3度目の起業という決断に至ったのか、コロナ禍や子どもの誕生を経て生まれた「志を取り戻したい」という想い、フリーランス活用から生まれる新しい挑戦まで、金居の原点と未来を余すところなく語っていただきました。

金居 宗久| 代表取締役
千葉県出身。早稲田大学人間科学部卒業後、朝日アーサーアンダーセン株式会社(現PwCコンサルティング合同会社)に入社。大規模システム開発や戦略案件に参画して、4年間従事。その後、教育系ベンチャーなど2社の起業を経験。2021年3月、株式会社クラウド人材バンクを設立。フリーランスのデジタル人材と企業を繋ぐマッチングプラットフォームを開発・運営。人材の流動化を通じて、日本の競争力強化に挑戦中。



3度目の起業。原点は「志を取り戻したい」。

ー まずは、クラウド人材バンクを立ち上げた背景をお伺いできますか?

金居:クラウド人材バンクは、私にとって3社目の起業です。その前に設立した2社目では、経営コンサルティングとプロダクト受託開発事業を展開していました。DXの追い風もあり、売上は順調に拡大していましたが、あるときに「このままで自分は本当にいいのか?」と立ち返ったんです。
「自らの志を改めて見つめ直したい」「もっと日本の役に立ちたい」と考えるようになりました。

ー 何かきっかけがあったのでしょうか?

金居:コロナ禍で自分と向き合う時間が増えたり、子どもが生まれたことがきっかけでした。「子ども達に対して、我々大人はどんな未来を届けられるのか」、「自分はその未来に対して、どう向き合っていくのか」を考えるようになったのです。教育は子どもに対する「未来への投資」といいますが、同じように産業界や働き方にも投資していかなければと思いました。

ー 1社目で立ち上げた人材ビジネスに軸足を戻したのですね。

金居:そうですね。1社目の教育ベンチャーの起業時には、資金繰りがかなり大変だったのですが、生きている実感はすごくありました。逆に2社目の起業では、売上は良いが志がどこかに置き去りになってしまった感覚で、気が付いたら数字を追いかけることが目的になっていました。

ー そこから、現在のクラウド人材バンクにたどり着いたんですね。

金居:はい。起業というより、”再生”という感覚です。志や原点に立ち戻ろうと。日本の未来をどうしていくか、そのために自分はどう貢献できるかに重点を置き、人材×デジタルを掛け合わせて、日本の競争力の底上げができる事業を作ろうと決めました。


現在のクラウド人材バンクは、1→10のフェーズ

ー 現在、どのようなフェーズにあるとお考えですか?

金居:今は「1→10」に向かっています。私たちのビジネスは
①フリーランスのデジタル人材の登録
②クライアントからのDX案件の収集
③登録者と案件とのマッチング 
の3点が大きな構成要素です。最初の2年間は、この3つを機能させるのに時間がかかりました。現在は、スケールさせていく段階です。組織や体制を整え、再現性を高めながら、持続可能なビジネスにしていく、その真っ最中です。

ー 0→1のフェーズで苦労されたこともお伺いしたいです。

金居:登録者の集客です。様々なマーケティング施策を打ってみても全然効果が出ず、ROIが非常に悪かったり、成果が非常に乏しくて、かなりの投資を無駄にしました。

ー それでも続けられたのは、事業モデルへの確信があったからですか?

金居:はい。社外取締役の佐藤が本ビジネスの経験者であることも大きいです。また、私も過去にフリーランスコンサルとして活動していたことや、起業した2社目ではフリーランスコンサルに依頼する側にいたので、デジタル人材の需要がどれだけあるかを実体験として理解していました。
またフリーランス活用は、コスト削減だけではなく「採用が難しい優秀な人材のケイパビリティ」を柔軟に活用できる場なので、市場のポテンシャルも感じていました。

ー ビジネスモデル自体は、立ち上げ時にすでに決まっていたのでしょうか?

金居:はい、ビジネスモデルというほど大仰なものではないですが、固めていました。


カルチャーフィットまで見抜く、業界経験者ならではのマッチング力

ー 改めて、サービスの強みを教えてください。

金居:ひとつは、登録者のスキルレベルが非常に高いことです。
現在、登録者の約6割は大手コンサルファームやSIerのITコンサル出身です。そして、残り4割は戦略コンサル出身とメガベンチャー/GAFAMのPM出身者です。ハイスキルなフリーランス人材に特化しており、DXプロジェクトの上流工程で活躍できるプロ人材を約3,500人集めています。

ー ハイスキルな登録者様に対して、他社と差別化できるポイントはどこですか?

金居:マッチング担当者が、ITコンサルファームなどの同業界出身者である点です。登録者と同じ業界出身者が担当することで、案件内容や登録者のキャリア志向を深く理解できます。
DXプロジェクトの上流工程では、クライアントとの折衝が多くなり、クライアント側は参画者のコミュニケーション力や人となり、カルチャーフィットも気にされます。「この案件はこういうタイプの人じゃないと合わない」「この登録者様はクライアントとカルチャーフィットしそうだ」という感覚は、業界にいた人間が見抜きやすい部分はあります。しかし、未経験者でも、研鑚していけば、ある程度はキャッチアップできるので、ご安心ください。

ー マッチングサービスというより「伴走者」に近いですね。

金居:その通りです。私たちは案件を紹介して終わりではなく、「どうしたらその登録者がより活躍できるか」、「どうしたらクライアントの成果により繋がるか」を常に考えています。なぜなら、当社とクライアントが契約を締結して、その再委託として、登録者が参画される形態だからです。
当社がクライアントに対して、価値を提供する責務があり、万が一の場合は、損害賠償責任を問われる立場にもあります。だからこそ、私たちはマッチングにとどまらず、プロジェクトが円滑に進むように伴走し続けています。最近では、大手SPA企業のDX推進部部長の右腕として、当社の登録者が参画しています。経営/人事データを意思決定にどう結びつけるかを検討/整理し、その上で具体的な要件に落とし込み、外部ベンダーへの依頼まで一貫して担っています。


「動画レジュメ」と「AIエージェント構想」、新しい取り組みも進めていく

ー 新しい取り組みとして「動画レジュメ」や「生成AIマッチング」といった構想もあるそうですね。

金居:私たちが支援する案件のマッチングでは、スキルや経験だけでなくコミュニケーション力や“人となり”も、非常に重要な要素だと考えています。
というのも、私たちがご支援する案件は、DX戦略や構想策定といった上流工程のプロジェクトが多く、クライアントとの接点が非常に多いためです。
フリーコンサルのコミュニケーション力や人となり、さらにはカルチャーフィットまでをクライアントは気にします。これらの要素を精査するためには、通常のテキストだけのレジュメだけだと不十分です。

ー たしかに、文字だけのレジュメでは伝わりづらい部分ですね。

金居:まさにそこなんです。どれだけスキルがマッチしていても、実際に面談で会ってみて「なんか違うな」と思われたら、せっかくの機会が無駄になります。そこでいま取り組んでいるのが、「動画レジュメ」です。

ー 動画レジュメとは、具体的にはどのようなものでしょうか?

金居:登録者がこれまでの経験や強み、得意領域を話す動画を撮影/編集して、それをレジュメに添えます。これは、私たちが自社開発しており、実際に活用しています。動画レジュメがあるだけで、クライアントからは「是非会って話してみたい」というお声もいただきました。

ー それは期待できますね!もうひとつの取り組みとして「AIマッチングによる効率化」も進めているとか。

金居:はい。将来的にはAIエージェント構想です。現状は、担当者が登録者のスキルや希望条件を把握し、案件と照合する手作業が中心です。
ただ、経験値やスキル、案件の要件といった“可視化できる情報”については、すでにフラグ化しており、一部を生成AIを活用してマッチングしています。今後はAIがさらに整理/抽出できると考えています。
一方で、人が担うべきなのは、「PM経験あり」とレジュメに記載されている際、どの程度の規模や難易度まで対応できるのかを見極めます。また、「どんなキャリア志向を持っているか」、「その方とクライアントのカルチャーがマッチするかどうか」といった、感覚的で文脈的な判断も人間の仕事です。こうした“微妙なニュアンス”や“対話を通じて見えてくる本質は、現時点ではAIでは十分に判断できません。人にしかできない判断と、AIが得意とする情報処理やパターン抽出。両者を組み合わせた“分業体制”をつくることで、より質の高いマッチングを実現していきたいと考えています。


信頼しているからこそ率直に話す、組織カルチャーと価値観

ー 現在の組織体制について教えてください。

金居:大きく分けて、①プロジェクトコーディネーター(営業)部、②マーケティング、③経営管理部の3部門です。営業の前線に出るのは、プロジェクトコーディネーターで、登録者と企業、双方を結びつけるチームです。

ー プロジェクトコーディネーターは、どのようなチーム編成ですか?

金居:まだ1チームですが、直近では5人×2チームを目指しています。組織を拡大していくなかで、役割分担や階層をしっかり整えていきたいと思っています。

ー 採用において、重視している価値観を教えていただけますか。

金居:大事にしているのは、「当たり前のレベルを揃えること」です。例えば、「当事者意識を持つ」、「持続可能な関係性を作る」姿勢があるとか。これらの大事な価値観を、5つの行動指針として掲げています。そして、その行動指針を体現できる人材を求めています。

ー 行動指針はいつごろ制定されたのでしょうか?

金居:1年前です。当時はリファラル採用中心だったこともあり、言語化せずとも伝わる感じでした。しかし、中途採用を本格展開し始めた頃から、「言語化しなければ」と強く感じました。それぞれの当たり前のレベルが違うと、仕事を進める上で無駄な摩擦が生じて、チームの生産性にも少なからず影響します。経営陣やメンバーとも対話しながら、「大事にしていることって何だろう?」と整理しました。

ー 今のメンバーは、どんなバックグラウンドの方が多いんですか?

金居:多様ですね。プロジェクトコーディネーターはIT・HR業界以外に、過去は広告代理店の出身者もいました。また、プロジェクトコーディネーターを支援する営業支援マネージャーは、ネイルサロン店長の経験者もいます。他メンバーの中でも、アパレルやフィットネス業界出身者もいます。別業界出身者からの新鮮な視点も大事だと思っています。


「人材の流動化」で日本の競争力を高める。クラウド人材バンクの今後の展望

ー 直近の目標としては、どのようなビジョンを描いていますか?

金居:来期は組織の基盤を作り、2倍成長を目指しています。但し、数字だけを追うのではなく、それに見合う組織の基盤を作っていくのが今期のミッションです。そのために、マネジメント層も整備しながら、チームとしての強さや厚さをさらに磨いていきます。いたずらに多くの人数を採用して、退職者も多いといった状態にはせず、これまでの社員ひとりあたり売上高1億円以上といった生産性を極力維持しながら、拡大していきたいと考えます。

ー 中長期的な目標としては、どのような未来を描いていますか?

金居:「2030年までに、フリーランスのハイスキル層のDX人材領域で登録者数No.1のプラットフォーム」を目指しています。現在の登録者は約3500人ですが、これからは5000人、1万人へと伸ばしていきます。そのためにも、高いチームワークと生産性を維持して、ホスピタリティ溢れた信頼されるプラットフォームに成長させていきたいです。

ー 挑戦の根底は「人材の流動性を高める」という想いでしょうか。

金居:そうです。2024年の経済成長率は0.3%程度と鈍化しています。また、IMFの調査によると、日本の経済成長率は世界190カ国中で171位と下位10%です。
一方で、大手ITコンサル会社は直近10年で約10倍の規模になっています。IT市場も2025年は前年比8.2%の成長です(IDC Japan調べ)。このように、IT/DX投資が日本の競争力強化にまだ十分波及していないといった課題があると思います。

ー IT/DX業界の成長が日本産業界に十分反映されていないと。

金居:はい、そうです。
日本全体でDXやIT投資の効果がまだ十分に出ていない要因のひとつに、「専門性のある外部リソースをうまく活用できていない」点があります。
実際、一部の企業ではDX施策を外部コンサルやSIerに“丸投げ”しており、発注者側のリテラシーが十分育たないまま、プロジェクトが進行するケースが散見されます。その結果として、DX投資に対するROI(投資対効果)が低く、十分な成果が得られなかったり、必要以上のコストを払い続けてしまっていることもあるのです。

加えて、外部コンサルやSIerは、自社の「売上拡大」という力学が働きやすく、ときに“過剰な提案”がなされるリスクも否めません。その点、知見のあるフリーコンサルタントであれば、企業と一定の距離を保ちながらも、利害関係にとらわれず、本当の意味で中立性を持ったクライアントファーストを実現しやすい。例えば、私たちがご支援した某大手小売企業では、DX推進部長の“右腕”としてフリーコンサルに参画いただき、複数の外部ベンダーを首尾よくマネジメントしています。

また、DXプロジェクトのリリース後には、クライアント自身がサービスやシステムを自ら運用する“自走フェーズ”が待っています。ここで必要以上にコンサルやSIerといった外部ベンダーに再び丸投げしてしまうと、コストがさらに膨らみ、ROIが悪化する可能性があります。このフェーズにおいても、フリーランスのコンサルタントを活用すれば、最適なコストで高い成果を継続的に出すことができます。

要は、外部ベンダーを使う際は、適材適所に活用することが肝要です。
ある程度の人数規模のチームを編成して丸投げしたい場合には、外部コンサル会社やSIerが最適です。
しかし、ブレインとしての役割や、社員代替として“一人称で動ける”人材が必要な場合には、同じケイパビリティを持つフリーランス人材を活用すると、ROIが格段に改善します。
こうしたハイスキルなフリーコンサルタントが、必要に応じてさまざまな企業のDX推進を支援していくことで、日本全体のDX投資のROIも改善され、結果として企業の競争力強化にもつながっていくと考えています。

ー 「人材の流動化」が、日本社会への起爆剤になり得るわけですね。

金居:そう信じています。実際、人材の流動性が高い国ほど、労働生産性も高いというデータがあります。これは数字だけの話ではありません。当社の事例でも、AIエンジニアが複数のクライアントに参画し、これまで人力で行っていた業務の効率化/自動化を実現しています。これだけでも生産性は確実に高まりますが、それによって浮いたリソースを、新規事業や成長領域にシフトすれば、新たな価値や競争力が生まれます。
このような“生産性の向上”→“競争力の強化”による循環が様々な企業で広がっていけば、最終的には日本全体の競争力強化にもつながると考えています。

ー 最後にスタートアップや変化の激しい環境に飛び込み、成長したいと思っている方へ、メッセージをお願いします!

金居:私たちは、成長中で未完な会社です。だからこそ、やる気と想いがあれば、裁量もチャンスもどんどん掴めます。今は1→10の真っ只中ですが、だからこそ新規事業開発やオペレーション改善も全て一緒に考えながら動いていけます。
また、経営陣はコンサルファーム出身者やIPO経験者で、生産性の高さを常に追求しています。会社としても、一人あたり売上高は1億円以上ですが、月間残業代は12h弱、有給消化率100%とメリハリをつけた働き方にしています。ぜひみなさんの成長の場として、当社を選んでもらえたら嬉しいです。あなたの日々の成長が、日本の競争力強化に少しでも繋がります!
まずは、お気軽にご連絡ください。あなたのキャリアについて、一緒に考えたいです。


人材の流動化によって、日本の競争力を強化する

クラウド人材バンクでは、人材の流動化によって社会の可能性を広げる仲間を募集しています。あなたの想いや経験が社会をつくる原動力になるかもしれません。キャリア相談だけでもOKです。あなたの想いを、ぜひ聞かせてください。

取材:井端裕輝 / 編集・文:木全彩花 / サムネイル制作:Reika


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