パーキンソン病初心者の日記始めました
はじめまして。
私は、この投稿を書いている2025年7月現在50歳の男性です(He/Him)。
妻と、6歳と2歳の娘の、計4人の家族で暮らしており、以前は国際NGO、現在は経営戦略コンサルタントとして、できるだけ格差を生まない社会の創出を目指す活動に取り組んできました。
2024年12月23日に、パーキンソン病の診断を受けました。
告知を受けた時、2年前に亡くなった母が重度のパーキンソン病を患っていたことから、その姿と自分の終着点を重ねてしまったこと、また、まだ小さい子どもたちと思い描いていたような時間を過ごせないかもしれないことへの恐怖感に押しつぶされそうになったことから抑うつ状態に陥ってしまい、また、手指の震えや固縮により、正確なタイピングが難しくなり業務にも支障がではじめたため、これまで長めの傷病休職に入っていました。(先週復帰しました)
その後、家族や友人、同僚たちとの交流、対話の時間を通じて、ここまでの人生で多くの素敵な出会いに恵まれてきたこと、私が彼らの人生に何かしらの足跡を残すことができていたらしいことを教えてもらえたこと、投薬治療によって今のところは症状の多くを抑えることが可能になっていることなどから、今は、一つ一つの出来事をまだ起きていない悲観的シナリオに引き付けて絶望するのではなく、個別の事実を一つ一つ客観的に評価できる時間が増えてきたように感じています。
ただ同時に、病名告知からの7ヶ月という時間は、最初は気のせいかもしれなかった新しい現象が、気づいたら定着していて、立派な共生相手になっている、ということが何度か起きるのに十分な時間でもあり、つまりそれは、パーキンソン病が順調に進行しているということでもあります。残念ながら。
また、症状の感じ方や現れ方が、時間と共に少しずつ変わってきているなぁとも感じています。
たとえば一月ほど前までは膝周辺がガクガクと笑ってしまい立っていられなくなる「ムズムズ脚症候群」に悩んでいたのですが、それが少しずつ腿に移動し、「こむら返りになりかけ」な感覚に姿を変え、それが面的に広がって、一日中激しい登山をしてきたような疲労感が両脚全体を覆うようになっています。その結果、ムズムズ感自体の登場頻度はとても減っています。
注意していないと、そういった変遷を忘れてしまい、下手したら、根本は同じ症状なのに「あの症状にあの薬」、「この症状にこの薬」を求めることになりかねないとも懸念しますし、私より後に発症する方達にとってなんら参考になればとも思い、不定期でnoteにまとめていこうと思いました。
今日は初回なのでお伝えすべき情報が多く長文ですが、自分にとっても三日坊主にならないためにも、次回以降はもっとシンプルな書き振りにできたらと思っています。
以下は、現時点での症状のまとめです。
⓪ 概要
幸い、まだパーキンソン病ジャーニーのとば口に立っているらしく、「一人ではできないこと」は一つもありません。おかげで、医療費支出は大きく増えているにも関わらず、行政からは助成対象として見てもらえていません。
「体が意図に反してクネクネ動く」、「まばたきしたら瞼が開かなくなってしまった」、「歩き出したら何かに衝突するまで突進してしまう」みたいなことも、諸先輩方によればこの先におそらく起きてしまうようですが、今のところは兆しもありません。
それでも、今の症状は日々の暮らしをそれなりに不便・不快なものにしてくれます。
パーキンソン病がつくづく恨めしいなと思う理由は二つあります。
一つは、原因はドーパミンという神経伝達物質の不足という一つの単純な不調なのですが、ドーパミンが心身のあらゆる活動の制御に関わる物質であるがゆえに、実に多様な症状となって現れることです。
なにしろ、足が重くて歩くのがしんどいことと、声が細くなること、字が汚くなること、猫背になること、呂律が回らなくなること、鬱になることをすべて同じ病名で説明しなきゃいけなくなるため、周囲には、「ずいぶん便利な病気だな」と思われそうで怖いです。
もう一つは、症状の表れに波があること。調子が良い時(「オン」時)は鼻歌混じりに階段を小走りで登れるのに、オフ時になると、同じ階段を、手すりに捕まりふうふう言わないと登れなくなります。
できていたはずのことが突然できなくなり、またしばらくするとできたりするので、やる気の問題に見えがちなところ。昔、日本では「怠け病」と呼ばれていたそうです。
でも、動ける自分と動けない自分を比較的短い時間の中で行き来するのは、単一の人格であるはずの自分が、実はさまざまなモードを持っていることにも気づけますし、プチ障害者になることで、世界を多角的に見つめる機会をもらえたりもするので、悪いことばかりではないようにも思います。
ここからは、今の段階で私が感じる、具体的な症状を個別にまとめておこうと思います。
① 振戦(手指、腕の震え)
パーキンソン病罹患を疑う直接のきっかけになった症状です。これが起こると、精神的にも忙しない気持ちになるのと、切手を選ぶ、パッケージから海苔を引き出す、財布から紙幣を出し入れする、パソコンでタイピングする、スマホでフリック入力するなどがままならない、といったことが起きます。
お店のレジで財布の扱いに手こずり、後ろの客に迷惑をかけてるとき、振戦は悪化します。緊張が悪く作用するようです。キャッシュレス万歳。
あと、実はもう何十年も前から自律神経が不安定になり気味で、急な低血糖症状に襲われることがあったのですが、低血糖に陥ると手が震えます。その感覚とこの振戦が似ているために、振戦に襲われると逆反射的に激しい空腹感も誘発されます。
② 無動
意図どおりに体が動いてくれないことがあります。例えば、洗髪でシャンプーを毛髪に練り込むまではできるのですが、その後指を頭皮に立てて手首のスナップを効かせてゴシゴシすることができません。
細かい往復運動をしようとすると、一つ目の「往」の動きがすくんでしまう感じです。
風呂上がりに長女の髪をドライヤーでブローしてあげるのですが、そこでも手首が動いてくれないので、肩を動かしてごまかしています。バスタオルで体を拭くのも、うまくいきません。
これとは別に、歩いてる時に右腕が振れていないことが多いです。左腕だけ振って歩くので右足の歩幅が小さくなり、同伴者に置いていかれてしまいます。
③ ムズムズ脚症候群(レストレスレッグス)
私の場合は膝のお皿と大腿筋がつながるところが、何か大きな虫が走り回ってるような細かい刺激と、少しでも膝を曲げるとそのままカクンとなってしまいそうな脱力感に襲われ、その気持ち悪さに膝を斧かチェーンソーで切断したくなります。大体、食器洗いや料理中などの立ち仕事中にやってくることが多く、作業に集中できずに困ります。例えば皮剥き器や包丁を使ってる時にムズムズっと来られると地獄です。
先述の通り、最近はこの症状自体は減っていて、下に書いた固縮に移行した感じです。
④ 固縮
筋肉が激しい張り、つっぱり、疲労感に襲われ、動きが悪くなります。特に目立つのが肩、脛、腿で、肩は腕を上げるのに肩が何かに引っ掛かるような抵抗を感じるのと、シンプルに強いコリを感じることもあります。
脛・腿の方は、一日中山道を歩いた直後のように攣りそうな張り具合になり、立っていられないほど疲れ果ててしまい、かといって座ろうとすると、筋肉がストレッチできないのでスムーズに座れません。
⑤ 思考力低下、抑うつ
ドーパミン不足は肉体だけでなく脳の動きも緩慢にするらしく、多数の人物の利害が絡む話や数字が多用される話を聞かされると、何を言ってるのかわからない時があります。情報を処理できないというか。
また、ドーパミンは自信、自尊心の源になる物質でもあるらしく、それが十分でないため、悲観的になったり、ビビリになりがちです(特に他者への責任を負うことや他者に評価されることなど)。
⑥ 便秘
パーキンソン病の患者は、その発症の10〜20年前から便秘を患っているケースがとても多いそうです。また、聞くところでは、パーキンソン病患者の死因No.1は、腸閉塞だそうな。
私の場合、昨年春までは自律神経の乱れで下痢にやられることのほうが多く、今となっては下痢の多発で腸内フローラが荒らされた結果、ドーパミン生成が阻害されるようになったのではと素人考えで疑っているのですが、昨夏くらいから便通がパタリと止まり、気づくと便秘持ちになってました。放っておくと1週間近くお通じがない時も。
そしてそれとほぼ時を同じくして、振戦が顕著になり、病気を疑い、パーキンソン病に出会ったという順番でした。
とにかく腸が活動をやめている感じで、栄養を吸収していないのか、この1年で10kgほど体重を失いました。(ただ、パーキンソン病は筋肉が勝手に動いたり、またそれを意識的に抑えようとしたりすることで意外にたくさんのカロリーを消費してもいるらしく、痩せたのはそっちが理由の可能性もあるのかもしれません)
症状は概ね以上ですが、傾向としては、低気圧が通り過ぎている時や、前日に比べて気温が低い日に、多く発生しがちな気がします。
逆に、前日より高温な日は症状は比較的穏やかで、終日パーキンソン病のことを忘れられる日もあります。
たとえば最近で言うと、次女の誕生日や高校時代の親友との野球観戦、車の買い替えなど、楽しい出来事が集中したのですが、この期間は症状も軽めでした。
また、温暖化が猛威を振るっているこの極暑も、高温がよいのか、暑さに対して体が「パーキンソン病どころじゃない」モードに入ったからなのかわかりませんが、症状は控えめです。
だから、気温が下がり続ける秋以降が心配です。
現在、治療の方は、1.5月に一度のペースで大学病院に通い、ドーパミン補充薬とドーパミン受容体を刺激する薬を服薬することで症状を抑えているのと、鍼灸で自律神経の整えを図り、またマッサージで特に筋肉系の症状緩和に取り組んでいます。
ダラダラと長文にお付き合いいただきありがとうございました。
次回以降はアップデート的な内容が多くなると思うので、分量的にはよりbite sizeになると思います。
