見出し画像

【ショート】 人魚裁判所

動かなかった。

頬に触れると、エメラルドに光る鱗が一枚、剥がれ落ちる。

手のひらで受けると、
涙が頬を離れ、鱗の上で丸く揺れた。

昨日まで、一緒に泳いでいた。

あの子は東の洞穴で見つけた青い石を、自慢げに見せてくれた。
「明日は、もっと奥まで行こう」
そう言って、私の尾びれを追い越していった。
海に沈む夕日も、二人で見るはずだった。

私は鱗を抱きしめると、海藻で体を包む。

唇の隙間から、白いものが覗いていた。
指をかけて引くと、濁った水を吐きながら、薄い袋がゆっくりと出てきた。

袋を強く握りしめる。

どうか、安らかに。

両目から溢れる涙が海に溶けていく。
鱗をポケットにしまい、海面を目指す。

顔を出すと、遠くに船影が浮かんでいた。
甲板では、人間たちがグラスを手に笑っている。

周りには、ペットボトルや使いかけの容器が波に揺られていた。

容器の端に、船会社の紋章が印字されている。

私はそれを腰の証拠袋に収め、海底へ戻った。

明朝、人魚裁判所の鐘が鳴る。


(410文字)



田原にかさんの企画に参加しています🌿

今回は、田原さんの『創作のタレ!』で、AIを学びのツールとして使おうというアドバイスがありました。
その一つに、『人称の変更を書いてもらう方法』というのがありました。
普段、自然と一人称で書いてしまいやすいので、三人称の練習がしたいと思い、今回は、三人称でも書いてみました。

AIに三人称になってないよと指摘されつつ、何度も書き直したので、いつもより時間をかけてみました。

【ショート】 人魚裁判所 (三人称)


動かなかった。

人魚の少女が魚の頬に触れると、エメラルド色の鱗が一枚、剥がれ落ちた。
こぼれた涙が鱗の上に落ち、小さく揺れた。

少女の肩は、細かく震えていた。

昨日まで、二人は並んで泳いでいた。
今日は東の洞穴へ行こうと話していた。
海に沈む夕日も、一緒に見るはずだった。

少女は魚の体を海藻で包んだ。

口から覗いているものに気づき、指を伸ばす。
引き出されたのは、半透明のビニール袋だった。

指の間で、くしゃりと音を立てる。

「どうか、安らかに」

落ちた鱗をポケットへしまい、少女は海面へ向かった。

海面から顔を出すと、遠くに一隻の船が浮かんでいた。
甲板では、人間たちがグラスを手に笑っていた。

船の周りには、ペットボトルやプラスチックの容器が揺れていた。

少女は手の中の袋を広げる。

端には、船会社の紋章。

それを証拠袋へ収めると、少女は船を見上げる。
眉間には、深い皺が刻まれていた。

やがて背を向け、再び海へ潜っていく。

翌朝、人魚裁判所の鐘が鳴る。

(410文字)



どうでしたでしょうか?
……そんな、変わりませんでしたね。笑
書き終えて、ChatGPTに二つの違いを聞いてみたところ。

一人称=心に残る
三人称=映像として残る

……なんだそうです。

作品によって、工夫していけたらいいなと思います。
もし、よろしければ、皆様の好みを教えてくださると嬉しいです🌿



田原様🌿
今回も勉強させていただきました。
まだまだ未熟ですので、よろしくお願いいたします。
来週、お盆の期間は、お休みさせていただきます。

いつも、ありがとうございます┏○))ペコッ



いいなと思ったら応援しよう!

COBITo|物語を書く人 【のんびり率120%🌿】 この物語を楽しんでいただけたら、そっと応援していただけると嬉しいです。いただいたチップは、物語を続けていく力に使わせていただきます。