地方の食品メーカーが売上向上を目指す前に。知っておくべき「売れすぎ」の罠
こんにちは!
中小企業マーケティング支援をしている、田畑さなえです。
「もっと売上を伸ばしたい」
「商品の認知度を広げて、売上向上に繋げたい」
そう考えて、とにかく「売ること」ばかりにアクセルを踏み続けていませんか?
この記事は、1人〜50人規模の地方の食品製造事業者さんや、家族経営の事業者さんに向けて書いています。商品力が高くてお客様に喜ばれている会社ほど、「売れすぎの罠」に注意していただきたいのです。
足元を固めずに発信を頑張ると、注文の急増に現場が耐えきれなくなることがあります。この罠を避けるために必要なのが、自社がどれだけ作れるかを把握しておく「年間の生産計画」です。
この記事を読むと、なぜ売上を伸ばす前に年間の生産計画を作るべきなのか、暮らしとお客様からの信頼を守りながら成長する考え方が分かります。
「もっと作ってください、と言われるのが正直しんどい」

結論:準備のない急な認知拡大は、現場のパンクと休みの消滅を引き起こします。
実際に、地方の歴史ある製造業の現場では、こんな声をよく聞きます。
・発信を頑張ったら、注文や問い合わせが一気に増えた。
・バイヤーさんから「共同で新商品を開発しませんか」「もっと作ってください」という話も来た。
・でも少人数の現場では裁ききれず、気づけば数ヶ月お休みがゼロ。家族との時間もなくなってしまった……。
これは、商品力があるからこそ起きる罠です。大量生産の仕組みがない中で売るためのアクセルだけを踏み続けると、現場のキャパシティを簡単に超えてしまいます。
「せっかくの注文なのに、お断りするのはもったいない気がする」

結論:無理に注文を受けて欠品を起こすことが、これまで築いてきた信頼を失う一番の引き金になります。
「注文が来るなら、寝る時間を削ってでも作るべきだ」そう考えてしまう経営者さんは少なくありません。
でも、数人で事業をしている会社だからこそ、その無理は長続きしません。
もし経営者ご自身が倒れてしまっても、事業が回りますか?その商品を代わりに作れる人はいますか?
対応できない量を受注して納期遅れや欠品を起こせば、お客様や取引先からの信頼を一気に失うことにもなります。
だからこそ、「もっと売りたい」と感じたときこそ一歩立ち止まり、自社の限界数値を把握する姿勢が必要です。
「数字や計画を立てるなんて、日々の製造だけで手一杯で無理」

結論:小さな会社に必要なのは難しい数式ではなく、まずはざっくりでいい「年間の生産・販売計画」を作ることです。
作り方は、決して難しくありません。
まず、毎日どのくらい販売できるかを書き出します。去年の販売実績があれば、それをもとにした予測も加えます。
ここで注意したいのが、イベントごとです。夏休みや冬休みなどの長期休み、祝日、クリスマスなどのイベント行事。イベントに出展する予定があれば、そこで出す量。さらに、外部との取引量や、今後拡大したい販路先での販売量も加味します。
こうして「今までの実績」と「これからの販売増減の予測」を組み合わせていきます。いつ、どのくらい作るべきか、そして自社が作れる限界量が見えてきます。
ここで一番大切なポイントがあります。
決めるべきは「売る量」ではなく、「作れる量」です。
売上を伸ばしたい気持ちが先に立つと、つい「どれだけ売るか」を考えてしまいます。でも本当に決めるべきなのは、自分たちが無理なく「生産可能な量」の方です。
まずはざっくりでいいので、この計画を一度作ってみてください。それだけで、「売れすぎて現場がパンクする」という事態をかなり防げるようになります。
よくある質問
Q. 生産計画なんて作ったことがありません。数字が苦手でも作れますか?
難しい専門知識は必要ありません。まず「毎日どのくらい販売できるか」を書き出し、過去の実績があればそれをもとに予測を加えるだけです。長期休みやイベント、取引先の量なども加味しながら、まずはざっくりで構いません。一緒にペラ1枚の計画書を作りますので、安心してお任せください。
Q. 注文を制限したり、お届けを待ってもらうのは失礼になりませんか?
むしろ誠実な対応です。「今はこれ以上の量を品質を保ってお届けできないので、半年後からお願いします」と、生産計画をベースに伝えてみてください。本当に価値を認めてくれている相手なら待ってくれますし、その姿勢がさらに信頼に繋がります。
まとめ
「売上を伸ばしたい」「認知を広げたい」と感じたときこそ、一歩立ち止まって、足元の生産計画を見直してみてください。商品力が高い会社ほど、売上向上の前に「売れすぎ」の罠に注意が必要です。
商品力が高い小さな会社ほど、少しの発信で現場がパンクし、家族の時間が消える罠がある
欠品や過労で倒れる前に、「売る量」ではなく「作れる量」を見極めるための年間計画を作る
一度作って終わりにせず、毎月、数字と現場の体力をすり合わせて見直す
1人〜50人規模の地方の食品製造事業者さん、家族経営の事業者さん。大切な商品とご自身の生活を守るための生産計画、取り組めていますか?
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商品の売り方から、発信の設計まで、一緒に考えます。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
