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龍と星のあいだで 第一章 救いを求めて

なんとなく毎日が重たくて、息が詰まるような日常に迷っていた。
どこか生きづらさを感じ、重圧に押しつぶされそうな日もあった。
心の奥で、何度も助けを求めていた。

「ああ、神様、どうか助けて」

涙をこらえながら、何度もつぶやいた。

そうだ、神社に行ってみようかな。

私は車を走らせた。
ネットで調べたその神社は、山深い場所にあった。

山間を抜け、川を越え、さらに山道を登っていく。
少しの緊張と、どこか懐かしい感覚が混ざる。

一人でこんなところまで来るなんて。
でも、日常から抜け出してきた自分を、少しだけ褒めてあげたい気もしていた。

やがて、到着した。

無防備なまま来てしまったけれど、大丈夫だろうか。
そんな思いが一瞬よぎる。

そして、未知の扉を開くように、一歩踏み出した。

大きな鳥居が、静かに、でも確かに、わたしを迎えてくれた。

空気が変わったのがわかった。

立派な杉の森。
樹齢五百年〜六百年。

地面はやわらかな苔に覆われている。
清流が流れ、ところどころで水のせせらぎが心地よく響く。

自然と、深く澄んだ呼吸が胸の奥まで染み渡る。

静かな参道。
美しい。

こんな場所があるなんて。

木漏れ日はキラキラと、光が降ってくるよう。
まるで、わたしの心に語りかけているみたいだった。

息を呑む風景の中で足を止め、もう一度、深く息を吸う。

胸の奥で、長い間閉じていた感情が、ゆっくりと溶け出していく。
暖かな光が差し込み、凍りついていた心の雪が静かに溶けていく。

ようやく、たどり着いた。

ああ、神様。

気づくと、わたしの心は少しずつ軽くなっていた。

森の木々はやさしく揺れる。
光が葉の隙間から黄金色の線を描く。

冷たい空気が肺の奥まで届き、鼻からスーッと吸い込むたびに、全身の細胞が目を覚ます。

鳥のさえずり。
風の匂い。
苔の湿り気。

すべてが、心に染み込んでいく。

一瞬、森の中に溶け込んだ。
わたしは透明になった気がした。

どれくらい、そこに立っていただろう。
とても長い時間のようにも、ほんの一瞬のようにも感じた。

ふと、龍の気配を感じた。

自然と、龍の姿が浮かんだのだ。

森の奥。
空と木々のあいだを、静かに流れる生命の気配。

怖くはなかった。

むしろ、喜びが込み上げた。

目を閉じ、全身で風を感じる。

その存在は威厳に満ちているのに、さらさらと、とても優しい。

わたしの中の霧も、サラサラと晴れていく。

後ろ向きだったわたしは、もういない。
わたしは、前を向いていた。

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