GTA6のオンライン、チーターはどうなるのか
GTA5オンラインをプレイしてきた人なら、一度は経験があるはずです。
空から車が降ってくる。
突然セッション全員が死ぬ。
お金が無限に湧き出てくる――。
チーターの存在が、オンラインの体験をどれだけ壊してきたか。
今回はGTA6でこの問題がどう変わるのか、私なりに考察していきます。

GTA5オンラインのチート問題――10年間の闇

GTA5オンラインが抱えてきたチート問題は、他のタイトルと比べても異様に根深いものでした。その最大の要因のひとつが、通信の仕組みにあります。
GTA5のオンラインモードは、長らくP2P(ピア・ツー・ピア)接続を主体とした設計でした。
P2P接続とは、プレイヤー同士が直接通信し合う仕組みのことで、中央のサーバーがゲームの進行を管理しない分だけ、チートツールが入り込みやすい構造になっていました。
セッションのホストになったプレイヤーの端末が事実上の「サーバー」になるため、悪意を持ったプレイヤーがホスト権を握ると、被害がセッション全体に及んでしまうのです。
具体的な被害は枚挙にいとまがありません。マネーグリッチで不正取得したお金をばらまかれ、アカウントごと消されたプレイヤー。
無敵モード(ゴッドモード)を有効にした相手に何もできないまま、悔しさだけを残してセッションを抜けた経験。他人のIDを使って大量キルを行い、無実のプレイヤーに冤罪をなすりつける手口も報告されていました。ロックスターへの報告窓口は機能していたとは言い難く、プレイヤーの不満は10年という長い月日をかけて積み重なっていきました。
転機となった2024年――BattlEyeの導入

長年のチート問題に対し、ロックスターがついて重い腰を上げたのが2024年9月のことでした。
GTA5オンラインリリースからちょうど11周年を迎えたタイミングで、PCプラットフォームにサードパーティ製のアンチチートソフトウェア「BattlEye」が導入されたのです。
BattlEyeはカーネルレベルで動作する高精度な検知システムで、Fortnite、Rainbow Six Siegeなど多数のタイトルで採用実績を持つアンチチートの定番ソフトです。導入直後、無料で配布されていた代表的なモッドメニュー「Kiddions Modest Menu」は機能停止を余儀なくされ、開発チームも更新の中止を表明しました。
また、有料のモッドメニュー「2Take1」についても、親会社Take-Twoの法務部から停止要求を受け、2025年3月に活動を終了しています。
ロックスター自身も、2025年2月に実施したプレイヤー向けアンケートの中で「BattlEye導入以降、GTA5オンラインにおけるチート行為が著しく減少した」と明記しました。
さらに不正取得した資金・ランクを持つアカウントへの大規模なBANウェーブも実施され、長年野放しにされてきた不正アカウントが一掃されています。
ただし、完全解決には至っていません。チート開発者の証言によれば、ホスト権を持たない状態での使用など、限定的な条件ではモッドメニューの利用が依然として可能な状態が続いているとされています。
また、BattlEyeはSteam DeckやLinux環境との相性問題を抱えており、正規プレイヤーが巻き添えになるケースも発生しました。
アンチチートの進化は、常にいたちごっこの様相を帯びています。
GTA6ではどう変わるか――私の考察

では、GTA6のオンラインモードではチート問題はどう扱われるのでしょうか。現時点でロックスターから具体的な発表はありませんが、いくつかの観点から推測することができます。
まず、サーバー管理の強化です。GTA5でチートが蔓延した根本的な原因のひとつがP2P接続の構造的な脆弱性にありました。GTA6では完全なサーバー側管理(サーバーオーソリタティブ)への移行が見込まれており、そうなれば今のGTA5オンラインのようにホスト権が悪用される状況は大幅に改善されると私は考えます。
次に、GTA5での試験運用という視点があります。
ロックスターがGTA5のリリース11周年のタイミングにあわせてBattlEyeを導入したのは、GTA6のオンライン環境を見据えた「現場テスト」ではなかったかという見方が、ゲームメディアの間でも広がっています。
つまり、GTA6のローンチ時には、すでに実績のあるアンチチートシステムがそのまま引き継がれる可能性が高いということです。
さらに、Take-Twoによる法的アプローチの強化も見逃せません。
2Take1をはじめとするモッドメニュー開発者への法的措置、不正アカウントを売買していたプラットフォームへの訴訟など、ロックスターの親会社は技術対策だけでなく法的手段を組み合わせた総合的な対策に本腰を入れています。
もっとも、懐疑的な見方も当然あります。GTA5もリリース当初は「今度こそ大丈夫」と多くのプレイヤーが期待していたことを忘れてはなりません。10年分のチート文化と開発者コミュニティは、簡単には消えないでしょう。
チーターがいなくなった世界のGTA

チーターがいなくなった世界で、純粋な実力勝負のGTAオンラインが始まるかもしれません。
これは単なる願望ではなく、ロックスターの行動から見えてきた方向性です。GTA5の末期でようやく本腰を入れたアンチチート対策を、GTA6ではゼロ日目から機能させようという意志が、ここ数年の動きからは読み取れます。
もちろん、チート対策の詳細はまだ公式から発表されていません。GTA5での反省をロックスターがどこまで活かせるか、リリースまで目が離せません。
次回予告
次回は「GTA6のストーリー、ルシアは何者なのか」をお届けします。GTA6の主人公として初めて登場した女性キャラクター・ルシアについて深掘りしていきますので、ぜひフォローして待っていてください。
