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㉞暴力を受けた看護師のリアル体験と責任とは?|精神科ナースcocomi


猫好き精神科ナースcocomiです。
今日も訪問していただき、本当にありがとうございます。

今回はリアルな暴力という体験を通して看護師しての責任についてお話をします。途中から表に出せない部分もあるので有料ですが読み進めてもらえると有難いです。


私の仕事は、精神疾患を抱える人々の心に寄り添い、その回復を支えることです。しかし、精神科病棟は、時に予想もしない「現実」を突きつけてきます。それは、生命の危険すら感じるような「暴力」です。ナースとして4年目、私は医療のプロとして絶対に犯してはならないミスを犯し、忘れられない恐怖と、深い自己への問いを抱えることになりました。

病棟の「ボス」、美奈恵さんという存在

私が勤める閉鎖病棟には、統合失調症の美奈恵さん(仮名、40代)が入院していました。



美奈恵さんは、病状が安定している時は、病棟のムードメーカーの一人でした。職員にも気を遣い、「ありがとう」「ごめんね」「おはよう」と、挨拶の基本を大切にする、優しさのある女性です。

しかし、病状が悪化し、幻聴や妄想が強まると、状況は一変します。

彼女は、病棟内でいつの間にか「ボス」的な存在になってしまう傾向がありました。

大部屋に戻ると、他患者さんの行動を細かくチェックし始めます。彼女の「妄想的な正義感」に反する行動を見つけると、威圧的な態度を取ったり、陰口を叩いたりして、病棟内の調和を乱してしまうのです。

そのたびに、他の患者さんからの訴えが増え、安全管理上、保護室へ戻すという苦渋の判断を繰り返していました。

保護室は、自傷・他害の恐れがある患者さんを、安全に隔離するために設けられた、ドア施錠できる個室です。直接的な身体の危険だけでなく、「他人の気持ちを深く傷つける」行為も、安全管理上、隔離の対象となり得ます。美奈恵さんの場合は後者、病棟全体の秩序と、他患者さんの心の平穏を守るための隔離でした。

ナースたちは、何とか彼女が穏やかに、他者と共存できる方法はないかと、カンファレンスを行い、医師と連携を取りながら対応を続けていました。

隔離期間が長引くほど、患者さんの尊厳と社会性が失われていくように感じられ、私たちナースもまた、どうすることもできない「歯がゆさ」と闘っていたのです。

あの夜、犯してしまった職業的「禁忌」

問題の夜は、私がナースになって4年目の、少し自信を持ち始めていた頃の夜勤でした。

夜勤は1病棟につきナース2人体制。この日は先輩ナースと二人で、広さのある閉鎖病棟の安全を守っていました。

時刻は20時40分頃。私は夕食がそのまま残っている美奈恵さんのことを思い出し食器を片付けに行きました。いままでも彼女は食事のペースが遅く、夜勤帯に片付けが必要になることが度々ありました。中を確認すると食事はひっくり返り、おかずやご飯が床に散乱している状態でした。

保護室の中の美奈恵さんは、一点を見つめてボーッとしており、その表情には力がなく、普段の活発な様子とはかけ離れていました。

(ああ、今日は随分調子が良くないんだな…)

その力のない表情を見た瞬間、私のプロとしての判断を、個人的な「情」が上回ってしまったのです。

(このままではいけない。床が汚れているのはかわいそうだ。早く片付けてあげなくては…)

最近は落ち着いており、大きな問題行動は起こしていなかったという「過信」も手伝いました。

私は先輩に声をかけることもなく、掃除道具を手に取りました。

そして、精神科の鉄則を破り、廊下側から鍵のかかる保護室のドアを、自ら開錠し、中に入ってしまったのです。

彼女は、私が中に入ってから、床の掃除を終えるまで、ずっと黙って私を見つめていました。

いつもなら「ありがとう」と笑顔で声をかけてくれる人なのに、その時の表情は、ただ無表情。その沈黙と無表情が、今思えば、嵐の前の静けさだったのかもしれません。

そして、私が散乱した食事を片付け終え、保護室を出ようとドアに背を向け、近づいたその瞬間です。

《ここから、センシティブな内容が含まれますのでご覧になりたい方のみ有料ですが読み進めてください。心臓の弱い方は読まないでください。精神科医療のきれいごとだけでは済まされないリアルと、私の職業的な葛藤が続く内容となっています》

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突然の襲撃と、保護室内の地獄の15分間

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