AHA-PEARSとは?-体系的アプローチで急変を予期し、介入する-
■PEARSとは?看護師が学ぶ小児急変対応
子どもは、静かに、そして急速に悪化します。
「さっきまで普通に話していたのに」
「バイタルもそこまで悪くなかったのに」
気づいたときには、すでに重症。
ただし、小児患者の急変の多くは“突然”ではありません。
見逃されやすいサインが先に存在しています。
そして急変のあと、多くの医療者がこう振り返ります。
「もっと早く気づけたのではないか」
「サインはあった?」
「見逃していたのかもしれない」
これは能力の問題ではありません。
👉 体系的な“思考の型”を学ぶ機会が少ないだけです。
その評価力を身につける教育が、PEARSです。
■PEARSについて
PEARSとは Pediatric Emergency Assessment, Recognition and Stabilization の略称で、AHA(アメリカ心臓協会)が提供する教育プログラムです。
小児の状態悪化を迅速に認識・評価し、安定化させるための方法を学ぶ講習です。
重要なのはここです。
👉 PEARSは「蘇生の講習」ではありません。
👉 状態悪化を見抜き、安定化させる教育です。
心停止に至る前に介入するための思考プロセスを学ぶ——
これがPEARSです。
講習では体系的アプローチに基づき、
第一印象で重症度を判断
必要なら一次評価へ進む
ABCDEに沿って素早く評価
呼吸・循環障害のタイプ/重症度を判定し介入
再評価する
という流れを繰り返しトレーニングします。
この評価力は、小児だけでなく成人看護にも応用可能とされています。
コースの構成
・蘇生科学
・体系的アプローチの概要
・初期評価(第一印象の評価)
・一次評価(ABCDEアプローチ)
・呼吸障害の認識と判定、介入
・ショックの認識と判定、介入
・小児/乳児BLS
・チームダイナミクス
・総合シミュレーション
■PEARSで身につく力
PEARSの本質は観察項目の暗記ではありません。
👉 評価 → 判断 → 介入
この思考の型を体得することです。
講習では実際の患者映像とモニター情報を用い、
体内で何が起きているのか
命を脅かす障害があるか
重症度はどの程度か
どのような介入が有効なのか
を繰り返し判断します。
また介入後には再評価を行い、状態変化を確認するプロセスも徹底的に学びます。
👉 観察が“作業”から“臨床判断”に変わる。
この変化は非常に大きいものです。
■小児だけではない。成人にも使える。
「小児科じゃないから不要」
そう思う方もいるかもしれませんが、それは間違いです。
PEARSで学ぶ体系的アプローチは小児領域特有のものではありません。思考過程そのものは小児、成人問わず普遍的なものです。
小児ならではの身体所見や病態の特徴はあるものの、PEARSで学んだ思考過程は成人にもそのまま使うことができます。
実際、弊会のPEARS受講生は成人領域に従事する人が約半数です。
■コースの特徴
PEARSは救命講習の括りに入るものの、よくある救命講習とは一線を画すものです。
▶ “心停止前”に焦点を当てている
一般的な救命講習は心停止が大前提です。しかし、PEARSは"心停止を食い止める”スキルを習得することが目的です。したがって、講習で扱う症例はほぼ全てが心停止前です。
当たり前ですが、看護師が出会う患者は“心停止前”がほとんど。つまり、臨床で圧倒的に使う頻度の多いスキルとなります。
▶ 実際の患者映像から学ぶ
ーー 百聞は一見にしかず。
PEARSでは"本物の患者映像”を扱います。本物に勝る教材はありません。臨床と全く同じように、本物の患者映像を見ながらアセスメントをすることができます。
▶ 病気の診断ではなく、“病態の把握”をする
アセスメントというと病気の診断を思い浮かべますが、PEARSでは具体的な病名はほとんど出てきません。
急性症状の初期対応で必要なのは病名ではなく病態です。
例えば、「腸炎」ではなく「下痢による循環血液量減少」を察知することが重要です。
病態の把握は緊急度の判断に直結するため、看護師にとっては重要なスキルとなります。
▶ シミュレーション重視
最後には受講者の臨床フィールドを想定したトレーニングを実施。
学びを現場でどう使うかまで体験します。
▶ 看護師が運営
さらに本コースは、
**北関東では数少ない“看護師が開催するPEARSコース”**でもあります。
現場理解のある教育設計は、大きな安心材料になるはずです。
■受講後に変わること
多くの受講者が感じる変化があります。
それは——
👉 観察の解像度が変わる。
「何かおかしい、呼吸が苦しそう」から「下気道の障害による呼吸窮迫」など観察のレベルが上がる
観察の優先順位が分かる
重症度を判断できる
病態が把握できるので、何をすればいいか分かるため落ち着いて行動できる
急変は怖いものではなく、
備えるべきものになります。
👉 PEARSで学びは看護師の観察レベルを数段階上げます。
■よくある質問
看護師でも受講できますか?
もちろん可能です。むしろ急変の第一発見者となることが多い看護師にとって、評価力を体系的に学べるPEARSは非常に有益です。小児科経験の有無に関わらず受講いただけます。
小児科で働いていないのですが必要ですか?
可能です。PEARSで学ぶ体系的アプローチは小児、成人問わず普遍的なものですので、成人にもそのまま応用できます。
弊会での受講生は約半数が成人領域の看護師です。
PEARSは難しいですか?
体系的な評価プロセスに沿って学ぶため、経験が少ない方でも理解しやすい構成です。アルゴリズムの暗記ではなく「考え方」を身につける講習のため、臨床経験の浅い方にもおすすめできます。
ACLSとの違いは何ですか?
ACLSは主に成人の不整脈の対応や、心停止の対応を学びます。
一方、PEARSは小児の状態悪化を早期に認識し、重症化を防ぐための評価と初期対応に重点を置いています。
👉 「蘇生」より前の段階を学ぶ教育です。
BLSを受講していなくても参加できますか?
BLS資格は不要です。医療職であればどなたでもご参加いただけます。
どのような職種が受講していますか?
看護師や救急救命士、医師が受講しています。
※弊会では保育士など、非医療職の受講は受け付けておりません。
■最後に
急変対応で重要なのは、
高度な処置ではありません。
👉 悪化を見抜き、心停止を食い止める力です。
子どもは静かに悪化します。
だからこそ、評価が予後を変える。
PEARSは、その評価力を体系的に学べる教育です。
もしPEARSを体系的に学びたい方は、
詳細をご覧ください。
