大切なことはいつも娘が教えてくれる|ベルリン生活28日目
あとは機材を待つだけと思っていたWi-Fiの契約が、できなかった。
なぜか注文がキャンセルになっていて、理由は電話で聞いてね的なメールが来ていた。
電話をかけるも1回目はドイツ語のみでの対応だったため、一旦切ってかけ直す。
2回目で英語対応ができる人に取り継いでもらった。
結果、内部チェックでの審査に落ちたらしい。
激しくショックを受けてしまった。
不便さが続くことではなく、審査に落ちたことに。
ここでは信用がないし、なんならあなたは必要ないよ。
そう言われているような気持ちになってしまった。
今日までの生活、心穏やかに過ごしてはいる。
だけど一歩街に出ると、自分がとても弱い立場にいると常に感じる。
公園で遊具を譲るときも、スーパーで前から来た人を避ける時も、いつも「自分がよけます、すいません」みたいな気持ちでいる。
自分の存在価値自体が、少しずつなくなってしまっているような日々だ。
落ち込んだ気分で公園から帰っていると、娘が唐突に話し出した。
「あーあ、ドイツ語さえ話せたら、日本で暮らすみたいに生きていけんのになー。ドイツ語だけやわ。」
ハッとさせられた。
この子、自分の存在価値は見失わずに、価値を発揮するためのツールだけが足りてないって理解してる。
36歳の私はWi-Fiの審査に落ちただけで「私なんて居なくてもいいんでしょ!?」とか思っちゃってんのに。
住む場所が変わったからって、私の存在価値も、娘の存在価値も、決して小さくなっていない。
今ちょっとお見せできてないだけなのである。
ベルリンの日差しに負けないぐらい、娘が眩しかった。
楽しく毎日を生きていくために、自分の持っている価値を、眠らせてはいけない。
私は、この街で幸せに生きていくために、私が持っている価値をちゃんと発揮したい。
そして、胸を張って、ここで暮らしていきたい。
Wi-Fiの審査に落ちただけなのに、この移住の大きなテーマを掴んだ日だった。

とりあえず別のプロバイダーを探して、早急に子ども達にNetflixを見せてあげたい。
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