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飲めない私と飲めすぎる夫の、お酒時間

私はお酒がほとんど飲めない。アルコール度数の低いチューハイでも、3分の1くらい飲んだところでもう顔が真っ赤になる。立ちあがろうものなら目の前がぐらりと揺れる。下戸と言っていい。「お酒が飲めないなんて、人生損してるよね」と何度言われたことだろう。

一方、夫はかなり飲めるタイプだ。日常的にロング缶のビールを2本、そこに今の時期だと焼酎のお湯割りをプラスして飲んでいる。いわゆる「ざる」系人間だ。水でも短時間で1リットル飲むのはつらいのに、同量のビールをせっせと体に流しこむなんて、私には考えられない。

こんなふうなので、私たち夫婦は体の仕組みが根本的に違うのだろうと理解している。

しかし、人それぞれですもんね、と言いつつも、さすがに夫の体が心配になってきた。飲みすぎじゃないかなあ。

そこで少し前、夫に提案してみた。ビールはロング缶2本ではなく350ml缶1本にとどめて、焼酎のお湯割りをのんびり時間をかけて飲むのはどうかと。

彼は「物足りないかもなあ……」と呟いてから、減アルコール作戦をしぶしぶ承諾。先日から実践している。

これがけっこういい感じである。夫がお湯割りをちびちびと味わう横で、私はハーブティーやノンカフェインコーヒーを片手にその日あったことを話す。もちろん、夫がぽつぽつと思いを語ることも。

昨夜は、娘たちへのクリスマスプレゼントの隠し場所を決めたり、このあいだ支給されたボーナスの使い途について話し合ったりと、会話の内容はわりと実務的なことに終始した。こういう日もある。

でも、夫婦でじっくり話をする時間がこれまでよりも取れるようになったのはいいことだと思っている。実際に顔を合わせて話す機会が少ないと、家族として同じ方角を向いて歩くのが難しくなる気がする。

ということで、最近の私は以前にもましてハーブティーを買いこんでいる。成城石井で見つけたハニーフレーバーのカモミールティーがだんとつの気に入り品だ。夜のリラックスタイムにぴったりの優しい味わい。

飲めない私と、飲めすぎる夫の、お酒をめぐる時間。家族としてともに歩いていくための、豊かなものにしたいなあ、と考えている。せっかくのおいしいお酒らしいのだから、うんと味わい、そばに楽しい語らいを添えてみるのがいい。

そういえば、私たち夫婦の出会いの場は、ホームパーティーという名の合コンのようなつどいだった。無理してビールをグラス1杯ほど飲んだ私はいまいち記憶があいまいだけれど、たしかとても賑やかで、ころころと笑い声が転がる時間を過ごした。

そうか、私たち、出会ったときもお酒といっしょだったんだ。そして、今となっては、私はまわりの空気に合わせて飲めるふりをする必要もなくなった。

腎臓を悪くして以来、断酒している父も、若い頃は楽しそうにお酒を飲んでいた。父が上機嫌でお土産を持って帰ってきてくれた平成の夜が懐かしい。

飲めない私のそばにも、ずっとお酒はあった。夫が飲む芋焼酎の香りがふわんと私の鼻先に届くとき、楽しい思い出もよみがえる。飲める、飲めないにかかわらず、適量のお酒とともにおしゃべりするのは一つの愉悦に違いない。


#いい時間とお酒


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