買い物リストにオイスターソースと書くよろこび
オイスターソースが減っている。小さじ一杯分も残っていないようなのを見て、慌ててiPhoneのメモに「オイスターソース」と書き足す。明日の買い物リストを作成しているところだ。忘れっぽい私は、こうしてリストにしておかないと絶対になにかを買い忘れて帰ってくる。
バナナ、お豆腐などにまじって鎮座する「オイスターソース」の文字を見て、思わずふうーん、と唸る。成長したわあ、と。
これまでなんどか書いているけれど、私が料理をするようになったのは双子の娘たちを産んだ6年半ほど前。食いしん坊なくせに料理することへの関心は薄いほうだったから「必要に迫られなければやらずにおこう」と思っていて、新婚時代は炊飯器も持っていなかった。べつに、女性だから料理ができなければならないという決まりはないものね。
しかし、産後はやたらと慌ただしく、自分自身の食事はインスタントや冷凍食品に頼らざるを得ない日々が続いた。もちろん、いまどきのインスタント食品・冷凍食品はとてもおいしい。でも、それだけじゃ飽きる。かといって、0歳の双子を抱えて外食するのもけっこう大変。
仕方なく、少しずつ料理をするようになった。産前に少し揃えていたキッチン用品が役に立ちはじめた。娘たちの離乳食もはんぶん以上、手づくりできたんじゃないだろうか。
そうこうするうちに、消費するのは至難の業だと思っていた調味料たちを使い残すことがなくなっていった。炊飯器がなかったあの頃はオイスターソースなんて買ってもどうしたらいいのかわからなかったけれど、いまや三か月から半年で一本を使い切る。
それは、料理をする回数が昔と比較にならないほど多くなったことを意味している。料理がうまくなったかどうかはさておき、頻度は上がった。茹でる、焼く、くらいしかなかった調理方法の選択肢も、格段に増えた。
同じように使い切れるようになったものに、お醤油やポン酢がある。これらも昔なら確実に持て余していただろうと思うと、なんだか自分を褒めてあげたくなる。いちおう、娘たちと夫は、私の料理をおいしいと言って食べてくれる。口にできるレベルのものはつくれるようになったらしい。
オイスターソースを買いに走るのは、それだけ私がチャレンジを繰り返している証。ふとした瞬間に自分の成長を実感できるのも悪くないなあ、と思う。
