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汝、落ち葉をまき散らすことなかれ

花壇に植えた木苺の葉が舞う季節になった。それほど落ち葉の多い木ではないけれど、ちょこちょこと妖怪の手のような葉がガレージに落ちてくる。あと、アーモンドの木から、しゅっとスリムな葉も。

数日放っておくと、これらの葉があちこちにたまってとても見苦しくなるので、こまめに掃くようにしている。風の強い日に近所のお宅にまで飛んでいくこともあるので、早めの掃除が大切だ。

我が家にあるほうきは、昔ながらのわしゃわしゃと硬いふさのもの。コンパクトさが売りのほうきよりも、屋外では断然こちらのほうが使い勝手がいい。

双子の娘たち(6歳)はなぜかこのほうきが大好きだ。落ち葉を掃きに行くと私が言うと必ずついてくる娘たち。ほうきにまたがる真似をしたり、おぼつかない手つきで落ち葉を掃いてみたり、いろいろやっている。

落ち葉がある程度ひとところに集まったところで、彼女たちはそれを両手でまき散らして遊ぶ。せっかく掃いた落ち葉を、である。私は毎回、ひーん、と泣きそうになる。幼稚園から帰った後、夕食づくりまでの時間は貴重なのに、また落ち葉掃きをやり直すのか……。

私が娘たちのやりたいようにさせているのは、大昔、私も同じことをしていたからだ。実家には小さな庭があって、柿の木もあった。母がお花や木を手入れするそばで、私は妹と二人、葉をまき散らして遊んでいた。それがとても楽しかった。

あのとき、きっと母もイライラしたと思う。ようやくきれいになった庭を散らかしていく私たちに困っていたはずだ。でも、怒らなかった。母はけっこう「いらち」(関西弁で「せっかちな人」「気の短い人」)だったのに。

だから私も怒らないし、やめさせない。あのとき私たちが楽しかったから。

無邪気に葉をまいて遊ぶ娘たちを眺めていると、母の育児を追体験しているような感じがする。ああ、子育てってけっこう忍耐力がいるのね。うーん、お母さん、大変だったね。私もいま大変だよ……。こうして世の母親たちはひそやかな連帯感で結ばれていくのかもしれない。

それでも、寒さをこらえてガレージに出るときにはやっぱり娘たちの後ろ姿に向かって「まき散らかさないでよ」と心のなかで念じてしまう。いっこうに効き目は現れないけれど。

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